極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

暖衣飽食のぶり起こし

2010年01月06日 | 新自給自足時代



大杉が 軋みたわみ 粉雪散り 舞う突風に 赤備えひとつ   




【新自給自足時代:プロローグ】


一つ松 幾代か経ぬる 吹く風の 声の清きは 年深みかも
         
                  市原王/巻6・1042


 Bill Totten's weblog

ビル・トッテン(『絶対にリストラはしないと約
束した ビル・トッテン社長の不況乗り切り策』)
が面白いことをいっている。「経営者として問題
なのは、危機が訪れる前にリストラを回避するた
めの施策を打っていない」「現状の延長線で、も
のごとを考えてしまう」「今後、日本経済は 6割
にまで縮小する可能性はある」「これは1984年の
GDPと同じくらいの規模。きちんと準備すれば対応
は可能」と。1984年といえば『デジタル革命元年』
ではないか。勿論、ストックは当時より遙かに大
きいから相対的格差感は大きくなっているが、絶
対的窮乏感は遙かに小さい。

『「年収6割でも週休4日」という生き方』

「常に総需要が足りないと言って、無理に需要を
作っている。個人には、ローンを組ませ、借金で
消費させ、需要を生み出している」「 最たるもの
が、戦争。米国は、ソ連、イラク、イラン、アフ
ガニスタンと常に敵を作って、戦争をしている。
税金をかけ、その費用を捻出し、需要を作ってい
る。いつまでも続くはずがない」「金融では、利
潤を生み出すために、無理に信用を拡大し、最終
的に、今回のリーマンショックに行き着いた」と
彼の先進諸国に対する文明批判は強烈だ。


では、社会全体としてどうすればいいのかとの質
問にも、「トービン税(外国為替取引に対して課
す税)は1つの方法。同様に、実体経済を超えた、
不必要な取引を規制するための税金や制度は有効。
所得税の累進課税など、とにかくおカネを稼ぐこ
とを良しとする傾向を抑える規制が必要」と答え
る。痛快でいて明快な考え方だが。トービン税
その後の通貨取引開発税に繋がるもので、国家間
の合意如何では近い将来に実施される可能性もあ
る。

 James Tobin

また、同ダイヤモンド・オンラインで、ジョージ・
ソロスが特別寄稿で「今日、グローバル経済が直
面する不確実性は、尋常でないほど広い範囲に及
んでいる」とし、「第二次世界大戦後最悪の金融
危機を切り抜けたばかりで、これに比肩しうる危
機といえば、1991年に弾けた日本の不動産バブル
(日本はまだそこから回復していない)、それに
1930年代の大恐慌くらいである」とし「今回の危
機は、これらに比べて数字の面でははるかに大規
模」と述べる。



1929年、米国における貸付残高GDPの160%
相当であり、1932年には
250%にふくらんだ。2008
年の場合は、最初から365%という数字だった(デ
リバティブは除外されている)
」と。にも係わら
ず巧く切り抜けることができたが、景気回復は息
切れしがちであり、この先(2010年なのか2011年
なのかは確言できない)、第二の景気後退が待ち
構えている可能性があると警告する。



ソロスの意見は金融通商の従来の考え方を代弁し
ているに過ぎない、トッテンの意見はそれより内
省的で、経済の質を問うている。『デジタル革命』
→『バイオ革命』の科学技術文明の変遷、『地下
化石燃料本位制』→『先端技術本位制』→『環境
リスク本位制』の世界の政治経済的幻想的基軸の
変遷から読み解く先に、ブログに記載した「抽象
力(=人間力)をもってして、迅速に「破滅的状
況」から脱出する(『
皮剥と国家官僚』)との考
えに沿っている。



考えを変えてみよう。このキーボードの先はイン
ターネット、分散型太陽光エネルギーを使い料理
をつくり、照明をつけ、地上デジタル放送を観る。
通販で食糧品を近くの植物・家畜食品工場から届
けられ、移動体通信を駆使し、週4制で近くの職
場に通う、ハイレベルな人間力もった仲間と、年
中行事の祭り準備をしている-そんな「技術力」
或いは「郷土力=社会力」をもった近日本のイメ
ージを獲得できはしないかと。そう、『新自給自
足時代』に突入しようとしていると、万葉集の市
原王を読み考えてみた ^^; 。




【鰤寿司≠かぶら寿司】

冬の富山湾に「ぶり起こし」という嵐にのってや
ってくる脂ののった寒ぶり。鰤(学名:Seriola quin-
queradiata
)は、スズキ目 アジ科 ブリ属の魚。成
魚は全長 1.5 m、体重は最大で 15kg ほど。体に
背骨に並行する形で黄色い線があるのが特徴で主
に昼行性。日本からハワイ沿岸までの太平洋北西
部および日本海の水深 100 m までの大洋に生息す
る。一部は瀬戸内海東部(大阪湾・播磨灘・紀伊
水道など)や、瀬戸内海西部(伊予灘・豊後水道
など)にも回遊してくる。温帯域の回遊魚で、日
本付近で漁獲されるものは、幼魚は春から夏に日
本列島を北上し、初冬から春に南下する。イカナ
ゴ・イワシ・アジなどを捕食。



富山方面は時折行く程度で、釣りや民宿、海水浴
として福井、石川の北陸方面まではよく出かけた
が、日本海側は敗戦後の交易状況も手伝って<暗い>
イメージがつきまとい遠出することめったにない。
その暗い・寒いイメージを払拭するくらいに、冬
の海産物に恵まれ豊饒で冬期の寒鰤は格別。ヒラ
マサ
カンパチと非常に良く似ている。見分け方
は、ヒラマサは口の端が丸いのに対し、ブリは少
しとがったような形をしている。カンパチは正面
から見ると、目の上に八の字の模様があり、体色
がピンクがかっている。



出世魚
であることから縁起物として正月料理(御
節料理)として欠かせない。正月は特に寒ブリと
呼ばれ、脂が乗っており刺身や照り焼きなどにす
る。また、ブリのアラを大根とともに煮付けたブ
リ大根や、表面を火で炙ったブリのたたきもある。
サワラのように味噌漬けにしても絶品である。皮
を引き、薄くスライスした身をさっとお湯にくぐ
らせる「ブリしゃぶ」(しゃぶしゃぶ)も。鰤寿
司は、富山県の名物である。



ところで、富山名物の「鱒寿司」「鰤寿司」「か
ぶら寿司」(後者のかぶら寿司は加賀料理)の中、
前者を除き、最近まで区別が付かずにいた。面目
ない。冬の富山湾の脂ののった寒ぶりと白かぶを
まろやかな味わいに仕上げた「鰤寿司」は、ぶり
の身と特製の甘酢につけたかぶらをふんだんに使
っている。鰤寿司は、9月下旬~6月中旬までの期
間限定で、寿司の昆布は糸を引くが衛生上無害。
 


これに対し、「かぶら寿司」は麹で漬け込み、熟
成させ押し寿司で、11月下旬~1月初旬までの期
間限定、冷蔵庫(+5℃)で保存の上、1週間以内
に食す。麹を洗わずにそのまま食すのが良いされ
る。鰤寿司のかぶらは酢漬け、かぶら寿司のそれ
は塩漬けという違いああり、鰤だけでなく、

などを使う場合もあるが、なれずしの一種
であり、イズシ系と分類されている。



塩漬けにしたカブで、塩漬けにしたブリの薄切り
を挟み込み、細く切った
人参昆布などとともに、
米麹(糀)で漬け込んで醗酵。独特のコクと乳酸
の香りをもつために、おもに酒の肴として全国的
に人気がある。ブリの水揚げが最盛期となる冬の
名産であり、この地方の正月料理の一品という性
格もある。『平鮒と減塩なれ寿司』『なれずしと
石斑魚
』と今回の鰤寿司と今日で3種のなれずし
をブログしてきた。今後どの程度まで掲載できる
かわからないが、出来る限り取り上げて行きたい。


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