極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

魔法の遺伝子

2011年06月09日 | 省エネ実践記

 

GLIS1 (A-6): sc-365453. Immunofluorescence staining of methanol-fixed NIH/3T3 cells showing cytoplasmic localization.

魔法の遺伝子】

京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授は6日、iPS(人工多能性幹)細胞でも拒絶反応
が起きるとか、特定の幹細胞からしか作製できないと米国の研究者らの疑問に「移
植の技術で左右される実験」などと否定する見解を明らかにしたばかりだ。山中教
授は、米国チームの論文について、統計学的に意味のないデータが用いられている
と指摘移植技術にも問題があるとした。東北大などの論文は、Muse細胞は微量にし
か存在しないが、最近の研究で体細胞から10%を超える割合でiPS細胞ができたり、
完全に分化した免疫細胞などからもiPS細胞ができることから、「特殊な細胞だけが
iPS細胞になることはあり得ない」と話していた。

 ※米国のチームが 5月13日、遺伝情報が同一のマウスでもiPS細胞の移植で拒絶反応
が起こると発表、再生医療の実用化に課題があるとした。一方、東北大などのチーム
は同31日、iPS細胞は皮膚などに存在する幹細胞(Muse細胞)からしかできないと発
表、細胞の初期に疑問を呈していた。

ところが、iPS細胞を作製する際に重要な役割を果たす遺伝子「Glis1(グリスワン)
」を、山中伸弥所長らの研究グループが発見した。9日付の英科学誌「ネイチャー」
に論文が掲載される。iPS細胞の作製には、細胞の初期化が不可欠だが、この遺伝子
により、iPS細胞の効率的な作製が可能になるという。iPS細胞を作製する際、ウイル
スを運び役にして、4つの遺伝子を皮膚細胞などに導入する手法をとっていたが、こ
の4遺伝子のうちの1つは、がん化を促進するおそれがあり代替遺伝子を探していた。
未受精卵や受精卵に多く発現するGlis1が、代替遺伝子となると確認。ヒトやマウス
の皮膚細胞で実験したところ細胞の初期化に効果的だと判明したという。 

皮膚細胞が初期化比率:

マウス 従来の方法、20%→ Glis1法、90~100%
ひ と 
従来の方法、10%→ Glis1法、40%以上

山中所長は「安全なiPS細胞を作製するため、導入する遺伝子などの開発が世界中で
行われているが、Glis1は、初期化を誘導する『魔法の遺伝子』といえると思う」と
話した。先月には大阪大チームが、ウイルスを使わないことでがん化リスクを減らす
ことに成功したと発表するなど、国内外でiPS細胞のがん化を防ぐ研究が進んでいる。

Glis family zinc finger 1

Cold Cathode Fluorescent Lamp.JPG

【冷陰極管退場から】

真空管がまた退場するかもしれない。それも、福島第一原発事故により、省電力志向
が強まったからだ。完全に消えるのか、いつ市場から退席するのか? カラーブラウン
管の経験から類推すると10年とちょっとだろうが、照明分野は広いのでニッチ化して
残るだろう。それでは何によって余儀なく退場するのだろう。そう、大型薄型液晶TV
などに使われるLED(発光ダイオード)によりとって変わられると見られているのだ。
これは『デジタル革命』の基本特性からみると、ダウンサイジング(2則)とイレー
ジングエフェクト(5則)に該当する。つまり真空スペースが消滅するというわけだ。

冷陰極管とは陰極からの電子の放出に外部から加熱用エネルギーの供給を必要としな
い電子管の総称である。代表例としては、古くはクルックス管やガイスラー管ネオン
ランプ、光電管、最初期のブラウン管等があり、近年では冷陰極を使用した小型蛍光
管が液晶バックライト用の光源として急速に発展した。容易に調光できるという特徴
をもち、この特徴を生かして液晶バックライト用の光源として多用され調光を行うた
めには特殊な調光回路(冷陰極管インバータ回路)が用いられる。調光は冷陰極管の
管電流を増減して明るさを変える管電流調光方式、間欠的に点灯と消灯を繰り返して
平均輝度を増減するバースト調光方式がある。

一般の蛍光管は熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp-HCFL)と呼ばれ、電
極を加熱して積極的に熱電子放出を行うのに対して、冷陰極蛍光管(Cold Cathode
Fluorescent Lamp-CCFL)は陰極を加熱せずに電子放出を行う。熱陰極管に比べて冷
陰極管は陰極降下電圧が大きく、その陰極降下電圧は蛍光管の発光に寄与しないの
でそのまま熱的な損失となる。冷陰極管は熱陰極管に比べて発光効率が若干悪いが陰
極材料が改善され、陰極降下電圧が下がる目処がつき冷陰極管の発光効率は大幅に改
善される見通しとなっていた。

 

特開2006-39487

実は発光ダイオードの製造には、莫大なエネルギーを投入する、あるいは見方を変え
ればエネルギーの塊の半導体なのだが、小さく、寿命が長いということで量産効率が
上がれば、コスト的側面にもエネルギーペイバック的にも二酸化炭素排出という環境
側面でも有利なる(詳細な計算データを持ち合わせしていないが、時間があれば計算
すことは造作ないが)。それではバックライトとしての液晶と発光ダイオードは絶対
的に有利かというとそうでもない。受光機関と言う原理的な欠陥をもつため、自発光
機関な有機ELにはかなわない。それでは、冷陰極管→発光ダイオード→有機ELにスム
ーズに移行するかといえば、(1)耐久性つまり寿命が発光ダイオードに比べ短いこ
と(2)製造方法の最適化途上であることがネックになる。(2)については三菱化
学などの理想的なヘテロ結合(印刷)法が確立しつつあり時間の問題になってはいる
が、なんと言っても画素対応が自在さ、発光色調の自在という液晶にはない機能を有
しているのが最大の強みだ。





魔法の遺伝子と有機エレクトニクスという組み合わせで結ぶにはなにがいいのかなと
考えていたが、やはり『デジタル物理学』という<こ・と・ば>が最適かなぁ~という
のがどうやら今日の結論となった。


 宇宙がデジタルコンピュータであるという仮説はコンラート・ツーゼがその著書
 Rechnender Raum(英語版:Calculating Spaceとして翻訳)にて初めて提起した。
 デジタル物理学という用語は最初にエドワード・フレドキンが使ったが、彼はの
 ちにdigital philosophyという用語のほうを好むようになった。宇宙は巨大なコ
 ンピュータであるとする人物には、スティーブン・ウルフラム、Juergen Schmid-
 huber、ノーベル賞受賞者の ヘーラルト・トホーフトがいる。これら著者らは、
 量子力学の確率論的性質は計算可能性とは必ずしも非整合ではないと考える。量
 子版のデジタル物理学は最近セス・ロイド、デイヴィッド・ドイッチュ、Paola
 Zizziにより提案されている。

                                       

 

 

コメント
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