どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

この世界の片隅に、戦前・戦時中との地続き感

2016年11月05日 17時55分00秒 | アニメ
同じような、そして今後比較されていきそうな高畑勲さんによる監督作「火垂るの墓」は、絶望的なくらい現代との断絶感に満ちあふれています。

昨日夕刊での、監督・片渕須直さんのインタビュー記事で「戦時中の生活というものを地続きで実感したかった」というコメントが印象的です。


この気持ちは私も含めて、戦後、それも十年以上経過した時代に生まれた世代にとって重要なテーマだったなぁと思うんです。

「火垂るの墓」は、原作者・野坂昭如さんにせよ、アニメ版を監督した高畑勲さんにしても、戦災を思春期・少年期に体感した世代のため、とても批判性が強く、重く暗い色調を放っています。

反面、どこか戦後の繁栄した日本に対しても批判的な視線があるため、どこか「お前らにわかってたまるか」的な憎悪も感じ、観ているこちらも辛くなり後味の悪さが大きい鑑賞後感があって...。

世代的な断絶と拒絶があって、昭和20年代あたりを堺にして、現代とのミッシングリンクを感じさせてくれないんです。

教育の問題もあると思うんですけど、臭い物に蓋をしてウヤムヤにし、背を向けて遠い存在としてしまっている。

そのクセ、暗さと重さ、そして悲惨なイメージばかり...。

これが戦争映画は苦手、観たくないという客層を産み出している原因になっていると思うんですね。

「この世界の片隅に」における原作者・こうの史代さんと、アニメ映画監督・片渕須直さんは、このマイナスイメージを払拭し、現代人にグッと引き寄せる試みに挑み成功したと感じるんです。

遠い昔の時代劇とせず、世代間のギャップもなく、今この時代に生きる私やあなたと何も違いはしないし、生活していくための努力を普通にしているだけ。

そんな中で、災いが生じ、どう対応し、どう生き抜くか、作中の人物と、私やあなたと大きな違いってありますか?と問われている感じがするのです。

前述のように、戦後しばらくしてから生まれ育った私たち世代は、戦争の痕跡を目にすることも多く、そんなに遠くとは感じませんでした。

町の隅っこの空き地に防空壕が残っていたり、人通りの多いところには傷痍軍人と称する人が白衣を着て、ハモニカやアコーディオンを奏でて募金を募っていたりしてました。

でも...なぜか身近な感じはなく、どこか遠いというか他人事のような感じでした。

まさに地続き感が薄かったんだと思うんです。

たまたま私は歴史が好きだったし、映画でも戦争を題材にした作品を観ることが好きでしたが、世間的にはマイノリティーでしたし、遠くなっていく一方。

映画館に行っても、その手の作品は客が少ないし、いても白髪とハゲばかり...情けないなぁと感じることが多くてね(^_^;

仕方ないなぁとも思うんです。どこか判る人だけ観ればいいと言う感じがありましたから。

そこに現れたのが「この世界の片隅に」ですよ。

この作品こそ、現代人、それも若い人が身近な感覚で観ることができる作品だなと!

デートムービーとして気軽に観てもらえる作風になっていると感じるんです。

そりゃ戦争を扱ってますから、暗さも重さもありますが、従来のような断絶感・拒絶感はないと言って良い作風です。

とにかく可愛くて愛おしく、明るさに満ちています!この感じをこのジャンルでようやく掴めたという気がするんです。

後味の良さ!

是非この感じを一人でも多くの人に味わってほしい!そんな気持ちでいっぱいです(^_^)


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