喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『閉じ込められた僕』読了

2017-03-24 18:27:41 | 本・雑誌
昨日から読み始めた『閉じ込められた僕』だが、

一気に読み終えた。
辛い内容だったが、救いもある。
こんな日記がある。

  「前向きの理由」

前向きですねと

言われることに

違和感がある

前以外に

どこを向くのだろう


こんなユーモアもある。

  「セクハラ冤罪」
ヘルパーさんに入浴剤の準備をしてもらっているときだった。
「着替え、これでいいですか?」
と聞かれたのだが、首をそちらに動かせなかったので、
「下着、何色?」
と聞いてみた。すると真顔で
「私ですか?」
と言われ、噴き出した。
いくら若くて可愛らしい女性とはいえ、あなたの下着が黒だろうが紫だろうがベージュだろうが勝負だろうが、俺には興味ない。
もう少しでセクハラの冤罪をかぶるところだった。冷や汗。


しかしやはり、しんどい記述が続く。
胸塞がれる思いになる。
細かい内容は略す。みんなに読んで頂きたい本ではある。
最後にこうある。

  「時間がもったいない」

人を少しずつ理解して

だんだん好きになっていくことをやめた

探りを入れない 疑わない

そんな時間はもったいない

いきなり大好き

Ilove you more.


昨日夕方から読み始めたのだが、昨夜は将棋会があったり、原稿を書いたり、
結構ほかのこともしなければならなかった。
しかし、この本、読みやすい文体だったので、集中して読んでしまった。
著者の藤元健二さんは、文章力が素晴らしいと感じた。
こんなのを視線入力装置で書くって、凄いことだと思う。
よほどの精神力がなくてはだめだろうう。尊敬する。

この病気のことだったんです、あの「アイスバケツチャレンジ」は。
あれによって大きく世界に認知が広がったのでした。
なんとかこの難病、「ALS」、治せるようにならないのだろうか?
この本を読めば、本当になんとかならないのだろうかと思ってしまう。



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2 コメント

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お礼とお願い (Our Homeisland)
2017-04-03 18:36:56
この本を読んでいただいて、ブログに感想を投稿していただき本当にどうもありがとうございます。お礼申しあげます。もしも可能でしたら、Amazonのレビューに感想を投稿していただけると助かります。
著者の藤元健二は、高校の同期の友人で、ALS発症を私たち仲間にカミングアウトして以来、いろいろとやり取りをしてきておりました。癌との闘病中であることも本に書かれていました。抗がん剤治療を頑張っていましたが、肝臓にも転移して、3月31日夕方に帰らぬ人となりました。 彼は、この視線入力で書いた本にかけていました。本が出るまでは生きることができましたが、楽しみにしていた4月7日の出版記念パーティーまでは生きられませんでした。これから、「読んだ。良かったぞ!」という感想が、いよいよたくさん増えていくのを彼が見ることができなかったことが本当に残念です。
『閉じ込められたぼく』読了 (akaru)
2017-04-03 20:55:20
Our Homeisland様
コメント、ありがとうございます。
お亡くなりになったこと、鈴木七沖さんのFBで知り、驚いているところです。わたしの知人も最近ALSに罹ったので、この藤元さんにはもっともっと生きていてほしかったです。でも癌まで発症されて残念でした。しかし、いい本を残されました。敬意を表します。

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