喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「口頭詩」の本

2021-09-30 19:18:59 | 
こんな本、買いました。



『幼児のつぶやきと成長』(亀村五郎・大槻書店)。
1999年発行の本です。
口頭詩がいっぱい載っているのです。
巻頭にはこんなのが。「いそがしいお母さん」と題して、

   もう一人 お母さんがいたら
   お母さん 楽なのにね

           (よだのぞむ 6歳)

この本には「口頭詩」という言葉は使われていません。
「口頭詩」は広辞苑にも採用されていません。
世間的にはまだ認められてないということなのでしょう。
でも、足立巻一先生は40年以上前にもう使っておられました。

「口頭詩」、単に人が発した言葉を詩にしたものではありません。
時に大人が発した詩になる言葉をそばにいた人が書き留めたものも「口頭詩」と呼ぶ人がありますが、
それは正しくありません。
「口頭詩」は子どものものなのです。
基本的にはまだ文字を書けない幼児が発した言葉をそばにいる大人が書き留めたもの。
だから大人の詩とは全く違います。
正直、大人の詩ほどの深みはありません。
とはいっても、穿って読めば深く感じるかも。
創作ともいえません。
でも、そこに驚きや発見などの「詩」心が宿っていれば「口頭詩」なのです。

わたしはこんな詩が大好きなのです。
「口頭詩」の本はたくさん持ってますが、これは知りませんでした。
読むのが大いに楽しみです。

『コーヒーカップの耳』 これは大人の言葉を書き留めたもの。だから「口頭詩」ではありません。

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『夜のやさしさにつつまれて』

2021-09-29 07:54:08 | 
鳥取の詩人、渡部兼直さんからお贈りいただきました。



『夜のやさしさにつつまれて』(渡部兼直著・編集工房ノア刊)1980円。
いつもながらシンプルでおしゃれな装丁の本。
前半はフランスの詩人、ロベール・デスノスの詩の翻訳。
その中から表題詩「夜のやさしさにつつまれて」です。
 

いかにも渡部さん好みのほのかなエロチシズムが漂っています。

後半には渡部さんご自身の作品が。
これは「茶碗たたへる」。 

この本に「あとがき」はありません。解説もありません。シンプルです。

兼直さん、もう20年ほどお会いしてないがお元気でやっておられるのだ。
あの時「あんたの店に行きたい」と言ってくださったが…。

追記  こんな詩もありました。

   「丑三つ」

  しいん
  しん

  丑三つの時はよい時
  幽霊に逢う
  近寄ると
  消える

  女の幽霊
  めったに逢はない

  女の生霊(いきりやう)
  逢つたこと二度ある

  視える幽霊
  視えぬ幽霊
  空にぎっしり


こんなユーモラスな詩も作られる兼直さん、魅力的な人です。

追記の追記
  巻末の詩「雨茶」の後半部分です。

  となりの芸伎傘さしかけ
  にほふ
  露地の奥
  おかあはん
  雨茶 
  誰も視てないのが
  もつたいないほど
  おそろしいほど
  いい女


兼直さんらしいなあ、最後の一行が「いい女」とは。

  
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「丰」という字

2021-09-28 21:15:11 | 宮崎修二朗翁
宮崎修二朗翁が書かれた文章を引用していて出合った文字「丰」
わたしのパソコンではなかなか出なかった。
電子辞書を使ったりしてなんとか出てきた。
宮崎翁にはいまだに勉強させてもらっている。
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日本近代文学史資料

2021-09-28 11:54:33 | 宮崎修二朗翁
わたしのような者が持っていていいものではないもの。
宮崎修二朗翁による『富田砕花資料館』三部。





翁からは「ぼくが死んだらゴミになってしまいますから、あなた、持っていてください」と言って託されたものがいろいろある。
これはそのうちの三冊。
大げさではなく、日本近代文学史の研究をする人には大いに役立つもの。
残念ながらわたしには、その力はありません。
ゴミにならないうちにしかるべきところに納めなくてはなりません。
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「なまえ」

2021-09-27 16:35:45 | 
今朝の神戸新聞「読者文芸」欄。
神戸新聞さんと藤原寿美さん、引用お許しを。
←クリック。
「なまえ」です。
三歳のお孫さんの言葉、「あいちゃん だって」がいいですねえ。
その言葉に反応した寿美さんの感受性がまたスゴイ。
もう少し簡潔でもいいかとは思いますが、素晴らしいです。優れた生活詩ですね。
選者の時里氏の評。
《孫の見せた顔の表情から、自分の名前に対する孫のアイデンティティーの芽生えを見てとる作者の観察眼が詩の勘所。》
全く同感です。

『コーヒーカップの耳』
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歳の差

2021-09-27 08:22:30 | 日記
昨日、武庫川の古書店「街の草」さんに行った。
店主のK納さんと店の前で立ち話。
「もうぼく、○○歳ですよ」というと。
「わたしも○○歳です」とK納さん。
え?K納さん、もうそんな歳?
彼は黒い髪の毛いっぱいで、とてもそんな歳には見えない。
そこでわたし、「6歳ちがいですか。小学一年生と中学一年生ですね」。
そう考えるとやはり大きな差だが。

これは10年前のブログ。クリック→「街の草」

「街の草」さんの棚には『コーヒーカップの耳』も新刊本として置いてもらっています。
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司馬遼太郎と足立巻一先生

2021-09-26 08:56:28 | 足立巻一先生
最近身近な人との別れが続き、自分も身辺整理をしなければならない年齢になってきたと自覚。
ならば、取りあえず本の処分。
少し前から進めてはいて、若い頃に集めていた全集ものや古典的なものなどは、親戚の高校国語教師志望の子に引き受けてもらったりしていた。
しかし、まだまだ大量にある。特に『触媒のうた』を書くのに使ったものなど、書くための資料の本だ。
減らさなければ、と思いながらも増えてしまうのが本。
で、処分候補になる本を選んでいる(こんなことしてるから進まない。えい、やっ!で捨てなければとは思うのだが)。
今朝、足立先生関連の本箱から、これは要らないのでは?と思って取り出したのが、『発掘 司馬遼太郎』(山野博史著)だ。



しかし、取りあえず付箋の所を開いてみた。すると、
え?こんなことが書いてある!と思うような足立先生のことが23ページにもわたって。
前に読んだはずなのに忘れてしまっている。
これはまだ捨てられないなあ。
と言っているからだめなのですね。

『コーヒーカップの耳』足立巻一先生の人肌の話が載ってます。

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亀村五郎さん

2021-09-25 12:26:54 | 
先に書いたブログ「ゴキブリは」に上げた亀村五郎というお名前。
どこかで見覚えがあるけどなあ、と考えていたら、思い出した。
もう41年も昔に見たのだった。
この本。
『母の友』1980年1月号。長男が幼稚園の時の本です。
表紙絵は安野光雅さん。
これに長男の口頭詩が載っているのです。
←二段階クリック。
その選者が亀村五郎さんでした。
絵は東君平さん。

追記 
 さらに驚くことが。
 目次を見ていて「わっ」でした。
 この当時には、わたしは詩のことには疎くてなにも知らなかったのですが、
 今見ると後に知った詩人のお名前がある。
 しかも…。おっと、これはここには書かないでおこう。
 あるところから最近依頼されたエッセイに書こう。ネタが見つかって良かった。
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ゴキブリは

2021-09-25 11:56:52 | 
ある本に引用されていた子どもの言葉。

   どうして ごきぶりきたないの
   おかあちゃん
   おふろにいれて
   きれいにあろうたり


見事な口頭詩ですね。
『幼児のつぶやきと成長』(亀村五郎著)という本に載っている二歳の子のつぶやきだそうです。
この本に興味が湧きます。
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『神戸鉄人伝Ⅱ』

2021-09-25 08:07:43 | 神戸っ子
今日の神戸新聞朝刊、文化欄。神戸新聞さん、記事拝借お許しを。
←クリック。
タウン誌『月刊神戸っ子』に連載されたものが本になったと。
『神戸鉄人伝Ⅱ』(とみさわかよの・神戸っ子出版)「鉄人」は「くろがねびと」と読みます。
この連載には詩人の鈴木獏さんや、書家の六車明峰さんなど、わたしの知人も登場しています。
六車さんはいうまでもなく、わたしの連載「喫茶店の書斎から」に毎回「書」のカットを提供してくださってる書家。
9月号にもいい書を書いてくださっています。

『コーヒーカップの耳』

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《「さよなら」の女たち》の記事に不審

2021-09-24 16:47:29 | 千村克子さん
今日の神戸新聞夕刊の記事です。拝借お許しを。


津田なおみさんという映画評論家が書いておられる。
映画《「さよなら」の女たち》について。
この記事の中に不審な箇所がある。
《回想シーンでは、1938(昭和13)年にあった歌劇団フランス公演の実際のニュース映像が流れる。》と。
あれ?ちょっとおかしいなあ。
それはフランスではなく、ドイツ・イタリアを廻った「欧州公演」のはず。
フランスへは行っていない。
その時に参加した千村克子さんの遺品のアルバムをわたし持っています。



ボロボロの、でも丁寧に補修がしてある本。
千村さんが生涯大切にしておられたもの。扉には「贈呈」印が押してある。
参加者全員に配られたのだろう。
その本の中に公演して廻った地図がある。

これを見てもフランスへは行っていない。
記事の筆者、津田さんの間違いか、あるいは、映画を作った大森一樹監督のフィクションか?
でもフィクションにする必要性は?

この「宝塚」の欧州公演のこと、昔、「神戸っ子」に書きました。
コメント (1)
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また一人…

2021-09-23 18:43:37 | 日記
また一人、親しくしていた人がお亡くなりに。
このコロナの間に何人の大切な人が亡くなるのだろう。
お見送りもできずに。
今日聞いた訃報はF井さん。
虫が知らせたのだろうか、この春、F井さんの家の前の道を歩いた時(いつもは車で通る道である)、
長く会わないなあと思って、気になって路地を入って門のそばまで行ってみたことがある。
せっかく徒歩だったので、在宅なら声をかけてみようかと。
ところが家からは人の気配がしなかった。お留守の様子だった。なのでチャイムも鳴らさなかった。

F井さんは、わたしの独身時代をよく知る人。
色白の美人だった。目元もパッチリ。明るく笑顔良し。
若い時の大空真弓をもっと柔らかな美人にしたような。
そして優しい人。人の悪口は決して言わない人。
独身のわたしが憧れるような人だった。
高齢になられてからは腰が曲がってしまわれ、わたしは会うたびに、
「そんな恰好はF井さんには似合わないですよ」と言っていた。
すると、「もうおばあちゃんやから」と笑いながら腰を伸ばそうとしておられた。
お元気だとばかり思っていた。
それが先月にご主人が亡くなられ、今月になって奥様が、と。
信じられない。
わたしの昔を知る人に亡くなられるのは本当に淋しく辛いことだ。
コロナではなかったそうだが、なんだかコロナのせいに思えてしまう。

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第55回「名筆研究会展」

2021-09-23 08:43:06 | アート・文化
「名筆研究会展」の案内状が届きました。
←クリック。
第55回とのことです。
昨年は中止でしたが、今年は開催とのことで楽しみです。

令和3年10月6日(水)~10月10日(日) am10:00~pm6:00(最終日は5:00まで)。
会場・兵庫県民アートギャラリー2階。


『コーヒーカップの耳』
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昔の拙詩「甲山」

2021-09-22 10:57:02 | 
20日、午後8時半からのさくらFMの放送ですが、
正直に申し上げます。わたし聴き損ないました。
藤井三冠の将棋をネットで見ていて、熱中してしまっていたのです。
2四金というスゴイ手で「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村九段に勝ってしまった将棋です。
それをライブで見ていたのでした。

さくらFMですが、今朝その録音がネットに上っているのを聞かせて頂きました。
25分の少し後にわたしの昔の詩を増井孝子さんが一部分ですが朗読してくださっています。
もう40年ほども昔の詩です。
さすが増井さん、いい朗読をしてくださっていて、我が詩ながら感動しました。
「さくらFM」←クリック。
番組の中で、郷土文学研究家の蓮沼純一さんがわたしのことを詳細に紹介してくださっています。
ありがとうございます。

番組の中でも紹介してくださっている本。『コーヒーカップの耳』
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秋のお参り

2021-09-21 18:15:47 | 日記
今日は日中あまりにも好天気で、夕方になってから行きました。
秋のお墓参りです。
雲が広がってきて、暑さからは免れました。


西の空。


東の空。
これでは今夜の中秋の名月は見られませんね。

なんだか墓地がさっぱりとしてました。
真ん中あたりにあった大きな桜の木が切られていました。



昔は松の木もたくさんあったのですが、大きくなり過ぎたのでしょうか、
ずいぶん減って、今では3本ほどに。



木の根が墓石を持ち上げて歪めてしまうのですね。
それと桜は落ち葉でしょうか。
その下のお墓の持ち主はお困りだったでしょう。

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