喫茶 輪

コーヒーカップの耳

また田中冬二の詩集

2022-03-31 17:35:12 | 
必要があって、またお借りしてきました。

『田中冬二詩集』です。
次に書く原稿のため。
お借りしてきてよかったです。
原稿を書くために入手した資料の中の詩の一字に不審を持ったので、それの確認のため。
やはり、間違いでした。たった一字ですが、正確を期すために。

ついでに読んだ、冬二の詩論の中に、わが意を得たりの箇所がありました。
冬二の詩論の中の一節。
《今日詩というものは、一般の人々からは難解のものとせられ、一方詩人自身の中にも、難解のものを高度とし、解りやすいものを卑俗として見ている向きもあるが、これは謬見も甚だしいと思う。大体詩心というものは、詩人のみが有するものではない。凡そ人間である以上誰でも多かれ少なかれもっている。》
この後も大いに共感することが書かれている。
しかしこれ、もう50年以上も昔に書かれているのですがねえ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土方定一のこと

2022-03-31 13:56:40 | 
「別嬢」115号です。

評伝作家でもある詩人、高橋夏男さんの「おかんのいる風景」の中に興味深い記事。
坂本遼の詩集『たんぽぽ』の出版記念会の出席者の中に「土方定一」という名前が見える。
←クリック。
この出版記念会の参会者を集めたのは草野心平だという。
土方定一だが、この人は杉山平一先生の『夜学生』について「判りすぎて困った」と書いた人。そのことは杉山先生が明かしておられる。
美術評論家ということだったが。
それにしても、高村光太郎から始まるこの顔ぶれは凄いですね。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『川端康成の運命のひと』

2022-03-30 19:23:54 | 本・雑誌
凄い本が届きました。



『川端康成の運命のひと 伊藤初代』(森本穫著・ミネルヴァ書房)8000円+税。
A5版の大型書籍です。
姫路在住の文芸評論家、森本穫氏から。
これは川端文学愛好家にとっては大いに貴重な本になるでしょう。
森本氏渾身の一冊。
ゆっくりじっくりと読ませていただきます。
今、最初の数ページを読んでみましたが、先を読むのが興味津々です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「別嬢」115号

2022-03-30 17:00:44 | 文芸
加古川の詩人・評伝作家の高橋夏男さんからお贈りいただきました。



詩を主にする文芸誌「別嬢」115号です。
今号はいつもより分厚いので、何かの特集号かな?と思ったのですが、そうではありませんでした。
単に作品量が多いだけ。90ページもあります。

いつも通りみなさん、誠実な作風で好感が持てます。
わたしが興味を持った詩の中から一篇だけ紹介しましょう。
←クリック。
吉田瑞代さんの「畠のおたから」です。
キチキチっと一つずつ丁寧に、しかも愉快に描写されていてうれしい作品でした。

あ、もう一篇紹介しましょう。

    「 こころ 」
  不自由な
  からだになった
 
  けれども
  老いさせたくない
  心
  生きてきた
  今日の嬉しさを
  明日の暮らしの力に
  喜びかなしみの
  思い出は
  九十八年の
  わたしの宝物

           田代光枝

作者の田代さんは98歳ですか!
ならわたしもあと20年ぐらいは書けるか。

高橋夏男さんの連載、坂本遼の評伝文学、「おかんのいる風景」(20)は力作。というより労作と言った方がいいでしょうか。
地味な仕事を長年続けておられて、尊敬します。
今号では、芸術評論家、麻生義の坂本遼批評を中心に書かれていて、その視線が勉強になりました。
《麻生の坂本への評価の適切さには傾聴すべきものがあり、プロレタリア文学・農民文学にこういう考え方が一般化していたら、もっと豊かな実りがあったであろうと思わせられるものである。すなわち麻生は、坂本の詩がすぐれて感動的であることを当時の農民詩と比較し、方法的な観点を入れて指摘した。》
これの内容を例を上げながら叙しておられます。

今号で、ほかに気になったのは、やはり高橋さんの随想、「卒寿の嘆 西川保市さんの手紙に寄せて」でした。
前号と今号、わたしが大好きな西川保市さんの作品がないのです。
その理由の状況が書かれています。
淋しいことです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山鳥のこと

2022-03-29 11:22:57 | 出石
先のブログに山鳥のことを書いた。
それで思い出した本がある。

『神谷家と尾中武雄』(2007年刊)。
出石、奥小野で尾中武雄さんを取材して、わたしが編集発行したもの。
この中に尾中さんが話したこととして、山鳥の話がある。
出石の奥小野の山の中でのこと。

《山ではヤマドリがおもしろかったなあ。捕まりそうでなかなか捕まらんのや。追っかけたらな、5メートルか10メートル逃げてな、じっとしとるだがな。それでまた追っかける。近づいたらホエーッと逃げて、また待っとる。なんべんもそんなことして、上まで上がったら、バーッと飛んで行っちゃって、あれは人をおちょくっとったなあぁ。》

神谷家の歴史を語る中での、ちょっとしたエピソード。
この尾中さんも昨年、94歳で亡くなられた。
もうこんな昔話を聞くことはできない。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪の中の山鳥

2022-03-29 08:59:53 | 神戸っ子
まず「KOBECCO」3月号の「喫茶店の書斎から」に書いた「雪の中で山鳥を拾つた」をお読みください。
田中冬二の詩「城崎温泉」の話を書いています。
その中の、
《飛騨の高山では「雪の中で山鳥を拾つた」といふ言葉がある》
ここにわたしは疑問を持ちました。
そして文末に、
《さて「雪の中で山鳥を拾つた」だが、原典を知る人はないでしょうか。お教えください。》
と書きました。

昨日、飛騨高山から封書が届きました。

中には興味深い資料が入っていました。
このこと、「KOBECCO」に書きます。5月号に間に合わなければ6月号に。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソ連のワルクチ

2022-03-28 09:47:31 | 本・雑誌
ちょっと手に取った本、『女の居酒屋』です。



田辺聖子さんのエッセイ集。
初出は昭和56年の「週刊文春」。
古い本です。
その中のこのページに「オッ」と思いました。
←クリック。
《しかしソ連のやりくちも感心できない、目を覆うようなことばかりする。》
なんて文章が。
ソ連ソ連と書いてありますが、ロシアと変えたら今に通じるような。
でも、今は国名よりも「プーチン」ですね。
そこが昔と今の違いかも、ですが。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福永祥子さん出演の「三度目の、正直」

2022-03-27 16:22:58 | 映画
久し振りに映画を観てきました。詩人の福永祥子さんが出演なさっているのです。



元町映画館です。
一人で行ったのは、それこそ久しぶり、独身時代以来かも。
中に入ってみると、意外に一人で来ている人が多くて驚きでした。
映画や観劇は二人で行くものとわたしは思ってましたのでねえ。

神戸が舞台の映画です。「三度目の、正直」



最近知りあいになった詩人の福永祥子さんが出演ということで。
驚きました。福永さん、大したものです。
重要な役どころでしたが、達者な女優ぶりで、お見事でした。
映画は、いかにも最近の映画、といった感じ。
内容は書かずにおきます。
と言いながら、一点だけ。
会話の中の、短い一行のすれ違いが妙に印象的でした。
前後が詩のように省略されているので余計に。
それが何カ所も

二時間近くの映画でしたが、知らぬ間に時間が過ぎてました。

『コーヒーカップの耳』<.
/span>
おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福永祥子さん

2022-03-25 15:48:39 | アート・文化
驚きました。
夕刊を開いた時のことです。
今朝このブログに書いたばかりの、須磨の詩人福永祥子さんの写真が載っているではありませんか!
「濱口監督の映画が米アカデミー賞候補」という記事の中で。





福永さんのことは、12月20日にもブログに書いています。
手にしておられる詩集のことと共に。「立方体の空」と題して。

福永さんとわたしが知り合いになったのは、わたしが昨年秋、神戸で杉山平一先生のことを「おしゃべり」した時に聞きに来てくださったことに始まります。
縁ですね。

追記
 ちょっと調べてみたら、わたし、2016年1月16日にも「福永祥子さん」と題してブログを書いていました。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「三度目の、正直」

2022-03-25 09:33:52 | 映画
最近交流をいただいている須磨の詩人福永祥子さんからの「あむの木通信」157号が届きました。
その一ページ。楽しい文章ですのでアップさせていただきます。福永さん、お許しを。
←二段階クリックで。
楽しいと書きましたが、最後はちょっと淋しいです。
《「おーい嘉事さん!あの頃の哀愁に満ちた世間はもう微塵もないよ、横暴極まりない世の中になっちまったよ」と私は西の宙に向かってひたすらぼやく。》

同封されていたもの。



映画「三度目の、正直」のパンフレットです。
出演者名に「福永祥子」さんも載ってます。
彼女は滝口竜介監督の話題作「ハッピーアワー」にも出演したのでした。残念ながらわたしは見てませんが。
今回の「三度目の、正直」も元町映画館で上映中。



4月1日までです。行けるかな?

福永さんの職業は女優さんではありません。
ポエム&ギャラリー「あいうゑむ」(須磨寺町)のオーナーです。
一度行きたいと思いながらまだ行けてません。

『コーヒーカップの耳』映画の原作になりそうな話、満載。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『日本の歴史』

2022-03-24 11:53:44 | 触媒のうた
18日だったと思う。
雨が降っていた。
隣の用海小学校の卒業式の日。
式が終わって帰宅する親子が、三々五々歩いていた。
そこへわたしは車で帰ってきたのだった。すると家の前の道の真ん中に何かが落ちていた。
一見、カバンかな?と思ったが、一冊の分厚い本だった。
誰かの落とし物だ。
で、こうして家の前に置いておいた。



以来、持って行く人は現れませんでした。
古い本です。昭和41年発行。



タイトルは『日本の歴史』16[ 元禄時代 ]。 担当・児玉幸多。
付録も挟まれてました。

ほほう。「日本の歴史」か、と思いました。これは31刷、昭和49年。
本当にこのシリーズはよく売れたのですね。

これの第一巻のこと、拙著『触媒のうた』に書いてます。
ドラマチックなのです。
『触媒のうた』をお持ちの人は71ページを読んでみてください。

さて本ですが、もう持ち主は現れないでしょう。
雨に濡れていたので傷んでいます。捨てます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガギグゲゴ

2022-03-23 09:06:02 | 
神戸新聞「三田版」に「小さな目」という欄がある。
今日はこれ。拝借お許しを。



最近のこの欄、あまり面白くなかったのですが、これは面白いです。
上の方の「ライオン」。
いいですねえ。この子の個性が爆発してます。
小学校2年生とのこと。ヤンチャ盛りだ。
 
『コーヒーカップの耳』 ヤンチャな大人の話がいっぱい。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新子降臨」

2022-03-22 09:02:34 | 時実新子さん
今朝の神戸新聞「正平調」欄です。拝借お許しを。
←クリック。
お亡くなりになる直前までペンフレンドだった時実新子さんが取り上げられています。
今も受話器からの彼女の声が耳に残っています。

2019年に出た句集に『愛は愛は愛は』(左右社刊)というのがあります。



お弟子さんたちが編集して出されたもの。
珠玉の名作が並んでいます。
この中に、こんなのがあります。
《こうやって繋がっていくカアカアと》
わたしへの最後のハガキに書いて下さっている句。

この本を編集発行されたお弟子さんたちの名を記しておきましょう。
この人たちも新子さんへの思い入れが深いのだ。
渡辺美輪、中野文擴、夕凪子、前田邦子、門前喜康、茉莉亜まりの各氏。
皆様に敬意を表します。

『コーヒーカップの耳』新子さんが喜んでくれた言葉が並んでいる本です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

性教育童話

2022-03-21 09:48:33 | ドリアン助川さん
『青春と読書』4月号が届いた。



ドリアン助川さんの連載「動物哲学童話」(動物の生態に哲学のひとさじ)だが、今号は13話として「バクの茫漠たる夢」でした。



二段6ページに渡る童話です。
今回は異色の話。性教育童話とでもいうのでしょうか。
こんな箇所があります。

《バク青年は雲から目を離し、草むらに顔を埋めました。しかし、一度鳴ってしまった鐘は止まりません。ゴーン、ゴーンと体のなかに響きわたります。バク青年は情けない気分で自分の股間に目をやりました。変化が置き始めたのです。
 さあ、ここから先は、小学生以下の方は読んではいけません。この『青春と読書』を金庫に入れてとっておいて、中学生になったらもう一度読み直してください。でも、どうしても今読みたいという人は、そうしていただいて構いません。その代わり、親や先生などの大人たちには内緒ですよ。》


わたしもやはり、中学生以降の男の子向けの童話だと思います。
難しい課題をドリさんは鮮やかな手つきで童話に仕立て上げておられます。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石臼の雨垂れ受け。

2022-03-20 16:47:18 | 地蔵さん
石臼の雨垂れ受け。


昨夜の隣の地蔵さんです。
なかなか情緒がありました。

この石臼については面白い歴史があります。
そのこと 「六甲」4月号に書きました。
機会があったらお読みください。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする