湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

壁の詩パート5

2017-09-22 09:14:36 | オリジナル
共通テーマ「壁」でSが書いた詩を投稿します。

     

あんな昔のことを
妻のように
しゃべり続ける
歩きまわれない

思い出のガウンはシルクの裏をつけ
だが
酒とバラの日々など忘れてしまった

静かだね さびしいね
おまえのお面に似た顔
そんなおまえがいるから
わたしは旅に出られない
あんな昔のことに
目を光らせ
けっしていやされない
妻の眼をする
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壁の詩パート4

2017-09-21 00:09:59 | オリジナル
共通テーマ「壁」でAが書いた詩を投稿します。

十五年間

ご実家は?
と聞かれれば
S市です
と答える

昭和三十八年
父はS市に
中古住宅を買った
売り主の大工による増築が
途中までになっている家で
東に向いた一部屋には
屋根と柱と基礎しかなかった
半分屋外のようだったその部屋は
とても楽しい遊び場だった
一年後に
壁と床ができて
月賦で購入したミシンが置かれた
他の部屋より新しく
他の部屋より安っぽいその部屋の
ミシンの横には
いつまでも縫いかけの
私のブラウスがあった
二階の自室の勉強机に乗り
窓を跨いで
一階の新しい部屋の屋根に降り
濃い夜空を眺めた

屋根と壁の内側で
外の世界でかぶった泥を
なすりつけあい
互いに離れたがって
家族は暮らしていた
昭和五十三年まで

ご実家は?
と聞かれれば
もう訪れることのない
S市です
と答える
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澄むの詩パート4

2017-09-20 08:46:51 | オリジナル
共通テーマ「澄む」でTが書いた詩を投稿します。

結婚四十年

上澄みは
沈む陽の色

赤剥けの皮膚を破って
掴み出したあなたの本音
その前へ
血の滴る私の本音を差し出す
互いに刃を突き刺す

どろりとした血の色の日々
生臭い とりあえずの一日
一日

あなたと私の哀しみが重なった
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澄むの詩パート3

2017-09-19 23:47:56 | オリジナル
共通テーマ「澄む」でTが書いた詩を投稿します。

違う季節

ビルの窓に夕陽が映って燃えている

過去を濾過する季節

滴る液体は澄み切って
なつかしい香りがする
失ってしまった物達
いなくなってしまった人達
の匂いを嗅ぐと
確かな輪郭をもって立ち現れる それらすべて

便りが少なくなって荒れ果てていく季節

今年は隣で赤ん坊の笑い声がする
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壁の詩パート3

2017-09-18 00:00:43 | オリジナル
共通テーマ「壁」でTが書いた詩を投稿します。

小さな歴史

私から君のものになり
今は 使われないままの部屋
風を入れると
積もった時が零れ落ちる

十八の時
部屋の壁を水色に塗った
暗い道で迷い子になった私は
向日性のひまわりのように伸びたいと欲した

十七の時
君は壁を緑色に塗り替えた
自殺未遂を起こした君は
光合成をするように と
絶望を壁に吸い取ってもらおうと欲した
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座の文学っぽくなってきた

2017-09-17 07:57:13 | オリジナル
先週の湘南句会(兼題「読」)で、意見や感想を元にその場で改良した2作品を紹介します。
涼風に吹き戻さるるページかな
休暇明け孫の絵日記見せ歩く
最初の句は「涼風」が夏の季語、2句目は「休暇明け」が秋の季語です。夏から秋へと季節のページが移り変わっていく中で、仲間と共同で仕上げた句って感じ。
まだまだ修行が足りない私たちですが「こうしたらもっとよくなるのでは?」なんてアドバイスし合えるようになってきました。こういうふうにできるのが座の文学・座の文芸といわれている俳句のいいところなのかな。
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10月の句会

2017-09-16 08:36:53 | 文学
昨日は9月2回目の湘南句会でした。
来月も第1&第3金曜日に開催。ただし第1(金)の10月6日は開始時間が1時間遅くなりますのでご注意ください。
10月6日17時~  兼題「食」
10月20日16時~ 兼題「秋の七草」

それぞれ1人3句です。飛び入り、見学歓迎します。

句会後、プレオープン中のCAFE&BAR AROMA(逗子2丁目の海音)で、サラさんのジャズライブを堪能。
来月半ばくらいに本オープン予定だそうです。
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壁の詩パート2

2017-09-14 00:00:39 | オリジナル
共通テーマ「壁」でEが書いた詩を投稿します。

へこんだ壁

メンタルテスト
あなた
低い壁と高い壁
どちらが好みですか

高校までは
そこそこを選んで
飛びそこね
ハナをつぶす

今に至るも悪夢
以来 低い壁派
飛んだところで それは
月の世界でのこと

地上の後世に
今の若いものは
など とてもとても
はずかしく言えません

本当?
そうだよね
あんたのは同じ壁でも
へこんだ壁
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澄むの詩パート2

2017-09-13 17:27:17 | オリジナル
共通テーマ「澄む」でEが書いた詩を投稿します。

澄明な鏡

急に秋めいてきて
気づくと肩がこっている
知らぬまに身がすくんでいる

人は見た目が大半には
反発したいが 雰囲気に
自ずと性根がにじみでる
組むのは絶対ごめんだが
歩いて来る しげしげ見ると
そっくりなので ほとほといやになる
好きも嫌いもわが身の映像
心中のゆがんだ鏡 いかさま
呼ぶまでもなくついてくる

万人を平明に透視する
聖人は心臓に七穴ありとか
バカな澄明おそるべし にきまっている
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壁の詩パート1

2017-09-12 10:40:00 | オリジナル
 海の家解体中
共通テーマ「壁」でAが書いた詩を投稿します。

壁と柱

強い風に追われ
無数の微細な痛みに
耐えかねて走り
垂直な硬さにぶつかる

なにもせずに
なにも起こらない時を
ここで待とう
風宿りだ
吸い込んでしまった風を吐く
短い壁にもたれかかる

壁は裏切り
風に倒される
こうして
肩透かしをくらった記憶が
あふれすぎて
四肢は筋力を失い
ぐしゃっともつれる
取り囲む真綿の圧迫
だるい
乗り越える壁にも
うまく出会えず
簡単に泣き出す
わたし 
そしてあなたたち
向かい合わず逃げて
ぶつかった所に
身を隠そうとするから
こんなことになる

壁を越えた歌声のこと
ぼんやり思い出し憧れる
残った柱も消えていく
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