Death & Live

いわゆる日記とは違うようで。死に様や心の疲労について、つれづれなるままに書き綴るだけ。

映画 『麦の穂をゆらす風』

2006-12-16 09:22:39 | 映画 「う段」
ケン・ローチはやっぱりいいね。

『麦の穂をゆらす風』  2006年
原題 : THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
監督 : Ken Loach

彼の映画はいつも真実を描いている。

もちろん映画だから、フィクションだよ。

でも、人の生身の心を真剣に観察し、そのままの真実を描いている。
常に。

正しい人も、間違った人もいない。
皆が、正しいと信じるものとそうでないものの間をさまよっている。
挫折と前進と葛藤を繰り返す。
そして、最後には皆、自分自身を信じて、遥か遠くへ行ってしまう。

映画を観終わった観客も、自分の価値観の中で、何かを感じ、感じた心が遥か遠くへ行ってしまう。

IRAの戦いは今だ集結を見ないまま。

毎日大勢の人が死んでいる

2006-12-15 08:11:35 | 戦争・紛争・内戦・テロ・虐殺
病気や寿命や事故で、毎日毎日、人は大勢死んでいる。

それ以外にも、テロや戦闘でも大勢の人が死んでいる。

イラク、特にバグダットのテロでの死傷者など、
耳慣れてしまったほどだ。

パレスチナ自治区でも、
ファタハとハマスが険悪になりつつあり、
子どもたちまで標的になっている。
イスラエルと停戦したばかりだと言うのに。

スリランカも相変わらず、
政府軍と反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」の間で、
戦闘があり、4日間で90人も死んでいる。

毎日毎日、わざわざ手を下さなくても人は大勢死んでいるんだ。
なのに、なぜ、わざわざ人の命を亡きものにしようとする?

それぞれの暮らしを尊重する方法を、
もう少し前向きに検討することはできないのだろうか。

ここで咆えているばかりで、
何も出来ないままでいる自分が情けない。

こんな自分で良かったら、いつでも標的になりますから、
他の人は殺さないでくれないだろうか。

映画 『あるいは裏切りという名の犬』

2006-12-14 08:03:29 | 映画 「あ段」
デ・ニーロがハリウッド・リメイクするらしいですね。

『あるいは裏切りという名の犬』  2004年
原題 : 36 Quai des Orfevres
監督 : Olivier Marchal

この邦題は絶品です。
作品の雰囲気を完全に言い当てている。

チラシはちゃんと読んで行ったのですが、
ジェラール・ドパルデューとダニエル・オートゥイユの
いったいどっちが悪者なのかは知らないまま観ました。

話の展開が見えて来て、
やっぱり彼が悪者なのか、とは思いましたが、
そこまででも充分緊迫感があって、
最後までまったくダレなかったですよ。

実話に基づくとの事ですが、
いったいどこまでが実話なんでしょうね。
ティティのラストなんかは、あれが真実だったらたまらんでしょ。

エンディングロールに献辞もありましたが、
エディのことなのかティティのことなのか.....
まさかドニのことじゃないとは思いますがね。
役名とは重なっていなかったので、分からないままですが。

人って本当に恐ろしい生き物ですよ。
人の命より自分の権力を守ってしまうことができるのですよ。
それはそれは恐ろしい生き物です。

カクテル色々

2006-12-13 08:04:08 | キューバ&チェ・ゲバラ
このブログ、キューバ・ネタが多いですからね、
今回はちょっと趣きを変えて、
キューバらしいカクテルのご紹介。


☆クーバ・リブレ Cuba Libre
ホワイトラム45ml+ライム1/2個+コーラ適量をグラスに注ぐ。

☆ダイキリ Daiquiri
ホワイトラム40ml+ライムジュース10ml+ホワイトキュラソー1tsp+シュガーシロップ1tsp+クラッシュアイス1カップをミキサーにかける。

☆ピニャ・コラーダ Pina Colada
ホワイトラム30ml+パイナップルジュース80ml+ココナッツミルク30mlをクラッシュアイスと一緒にミキサーにかけ、飾りにパイナップルとマラスキーノ・チェリーを添える。

☆ロン・コリンズ Ron Collins
ホワイトラム45ml+レモンジュース20ml+シュガーシロップ2tsp+ソーダ適量をグラスに注ぎ、ライムかレモンを浮かべる。

☆モヒート Mojito
ロン・コリンズにレモンかライムではなく、ミントの葉をたっぷり使う。

☆イスラ・デ・ピノス Isla de Pinos
ホワイトラム45ml+グレープフルーツジュース45ml+シュガーシロップ1tsp+グレナディンシロップ2tspをシェーク。

☆キューバン Cuban
ホワイトラム35ml+アプリコットブランデー15ml+ライムジュース10ml+グレナディンシロップ2tspをシェーク。

☆ハバナ・ビーチ Habana Beach
ホワイトラム30ml+パイナップルジュース30ml+シュガーシロップ1tspをシェーク

☆ホットラム Hot Rum
ダークラム45ml+角砂糖1個+湯適量をグラスに注ぎ、バター1かけらを浮かべる



↓こちらから引用させて頂きました。
『キューバ案内』 著:樋口聡

映画 『unknown アンノウン』

2006-12-12 08:02:51 | 映画 「あ段」
Peter Stormareって悪役ばっかりなんだけど、
けっこう優しい顔に見えるんだよな。
善人な役もたまにはやって欲しいものです。

『unknown アンノウン』  2006年
原題 : UNKNOWN
監督 : Simon Brand

なかなか面白い設定でしたね。
ジム・カビーゼルが『ハイ・クライムズ』の時みたいに、
いい人なのか悪者なのか、
微妙に分かりにくい表情や仕草が上手くてね。
だまされまくりでしたよ(笑)

みんなの記憶が少しずつ戻って来るあたりが、
なかなか緊張感を持たせてくれてね。
"えっ?そうなの?悪者なの?" とか思わせて、
"あぁッ~!!殺っちゃったじゃん!ヤバイじゃん!"
などと、取り返しつかなくなったかと思いきや、
"なんだぁ、そういうこと~" とホッと胸をなで下ろす。
ところがどっこい、"うぉ~ッ!" っというドンデン返し。

後半はセリフをひとつでも聞き逃すと、
展開について行けなくなる。

うぅ~ん、いいよね、こういうの。

役立たず

2006-12-11 07:59:55 | 
「役立たず」

役に立つとかたたないとか
僕は誰かの役に立ってるか?

役に立つとかたたないとか
君の役に立っているかい?

役に立つとかたたないとか
そんなこと考えなくちゃいけないのか?

役に立つとかたたないとか
まるで生きる意味のように言わないでくれよ

役に立つとかたたないとか
どちらであろうと、君はそこにいる

役に立つとかたたないとか
どちらであろうと、僕はここにいる

役に立つとかたたないとか
どちらであろうと、すべての人に生きるという役がある

役に立つとかたたないとか
そんなことどうでもいいだろう

役にたつとかたたないとか
関係ないほど、死ぬということは神聖なんだ
汚してはならない神聖な死

だから人は生き続ける
役に立とうとたたなかろうと

映画 『フルカウント』 ~キューバ映画祭 2006

2006-12-10 11:54:42 | キューバ&チェ・ゲバラ
キューバ映画祭というのが、
ユーロスペースで開催中なのですよ。
キューバ好きとしては、フィデルの体調も気にしつつ、
とりあえず行っとくでしょ。

『フルカウント』  1985年
原題 : En Tres y Dos
監督 : ローランド・ディアス

一人の野球人の引退最終試合の進行と、
彼がその試合に向かうまでの様子を、
行ったり来たりしながらストーリーが進む。

最初はありきたりの、感動作かと思っていたら、
いやいやなかなか奥が深い。

人生はそんなに単純じゃない。
日々の生活だって容易ではない。

引退の試合だからって必ずしも劇的な試合になるとは限らない。

それでも、一人の野球人の引き際というその時間を
共有した監督、チームメイト、観客には、
試合展開以上に心に響くものが残っている。

ありそうでなかなか作れないストーリー。
まさか、と思ったが、最後にはスクリーンが涙で霞んでいた。


それにしても、キューバ野球のスタンドは熱いです!
全員がそのまま踊って応援している。
応援団というより、完全にラテン・バンドの演奏だし!
さすがです。

ちなみに、バンド演奏はロス・バン・バンだったみたいです。

誤解された革命

2006-12-09 12:04:21 | キューバ&チェ・ゲバラ
 ハーバート・マシューズ氏は、シエラ・マエストラのかくれ場所でフィデル・カストロの会見談をとった最初の記者であり、「ニューヨーク・タイムズ」の編集局員だったが、1960年4月21日、米国新聞編集者協会で、つぎのような話をした。
 「私は、ニューヨーク・タイムズで30年間を通じて、キューバの革命のように誤解され、ひどくとりあつかわれ、まちがって解釈された大事件には一度もお目にかからなかった」。


「キューバ -一つの革命の解剖-」
著 : L. ヒユーバーマン & P. M. スウィジー

映画 『ザ・L.A.ライオット・ショー』

2006-12-08 08:02:53 | 映画 「え段」
最近、逮捕ネタばかりのスヌープ・ドッグがいちお主演。

『ザ・L.A.ライオット・ショー』  2005年
原題 : THE L.A. RIOT SPECTACULAR
監督 : Marc Klasfeld

ロバート・アルトマンの名前が出てきてたね。
まさか日本で公開中に、当人が亡くなるなんて思ってもいなかっただろうに。

決してL.A.暴動の真実を暴こうとか、
警察の差別的暴力を糾弾してやろうとか、
そういう映画じゃないんだよね。

『父親たちの星条旗』と同じで (なんて言うとイーストウッドが怒るかもしれないけど 笑) そこには完全なる被害者も完全なる悪人もいないんだ。

そういうところを面白可笑しく、時には過激に描いてるって感じかな。

エミリオ・エステベスが相変わらず典型的なアメリカ合衆国白人を個性たっぷりに演じていて、たまらんよ。
結構いつも、脇を固めてる渋い俳優たちが、フザけたことを思いっきりやってくれてるので、楽しませてもらいましたよ。

こういう映画もたまには必要だね。
いつもはいらないけど(笑)、たまにね。

政治とは可能の芸術である

2006-12-07 08:01:23 | キューバ&チェ・ゲバラ
本当の誕生日から、わざわざ延期して行われたにも関わらず、自分の誕生祝いの記念イベントに姿を現さなかったフィデル・カストロ。
彼が一日も早く元気になることを祈るばかり。


 政治とは可能の芸術である、といわれてきた。そうだとすれば、フィデルの政治家としての偉大さは、芸術の達人であるというばかりでなく、「可能」という言葉にどれだけ広く豊かな意味をあたえることができるかを知っているところにもある。

「キューバ -一つの革命の解剖-」
著 : L. ヒユーバーマン & P. M. スウィジー

映画 『草の乱』

2006-12-06 08:07:45 | 映画 「う段」

先日、杉本哲太の映画を観ましたので、
↓こんな映画のことも書いてみます。
2004年の9月にスバル座で鑑賞。

『草の乱』  2004年
監督 : 神山征二郎

この映画はすごいですよ。
時代劇映画はこうあるべきだ、と言うべき映画です。

緒形直人もすばらしい。
杉本哲太もすばらしい。
彼が元 "紅麗威甦" のヴォーカルでリーゼントだったなんてこと、今や誰も知らないのだろうか(笑)

時代劇に必須なのは、
刀が似合う、殺陣ができるもしくは田舎者ができる、
和装が似合う、カツラが似合う、もちろん演技に重みがある、
これでしょう。

もちろん時代考証とかも大事なんでしょうが、
どんなに真実に近くても、所詮現代人が演じるワケですから、
役者が上手くないと尚更どうしょもなくなっちゃうと思うのです。

 

そこが、この映画はすごかった。
役者がみんなすごかった。

大勢で一斉に走り出すシーンなど圧巻です。
刀を構えて全速力する姿など、とてつもなく凛々しいです。

木村某などではなく、こういう役者たちに時代劇には出て頂きたいものです。


15歳で "オバン,, と言われます

2006-12-05 08:24:51 | 言葉・本
杉本哲太に敬意を表し(笑)、紅麗威甦のこの曲の一節を。


『15歳で "オバン,, と言われます』
  ジュウゴデオバントイワレマス

好きで生まれた理由(ワケ)じゃない
望んで生まれた理由(ワケ)じゃない
幾つも道を踏み外し
親を泣かせて15年

負けた自分が やけに小さく見えて
膝を抱えて 部屋の片隅
涙ボロボロ 怨み節

15歳でオバンと言われます
だから急いで生きるのさ


作詞 : 嵐ヨシユキ


写真はEP(古ッ!)のジャケです。

映画 『日本の自転車泥棒』

2006-12-04 08:21:55 | 映画 「い段」
チラシを見て思ったんだよね。
世の中でこんなにも "赤い毛糸の帽子" が似合うのは、
この人だけだろうって.....

『日本の自転車泥棒』  2006年
監督 : 高橋忠和
主演 : 杉本哲太

12月2日(土)に観に行きまして、
初日だと思って行ったら、初日は1日(金)だったそうな。
しかも、今回は舞台挨拶付きとのこと。
また予告編観れないんだぁ、などと思いながらも、
杉本哲太氏はなかなか好きな俳優さんなのでね、
今回は当りでした。

監督がね、いい人なんですよ。
話す事が非常に誠実で、
「あぁ、こういう人にたくさんの日本映画を撮って欲しいなぁ」
と思わせてくれるキャラでした。

「CM作っている頃は、広告業界の方から、
『記憶に残るものより、記録に残るものを作れ』と言われてきた。
でも、この映画は『記録に残るものではなく、記憶に残る作品』にしたかった。」

と、言ってましたよ。
ありきたりの言葉ではあるけれど、
アピールを目的とするのではなく、自分の表現したいものを率直にフィルムに焼き付けて行ったのだろうなぁ、などと感じた次第です。

杉本哲太氏も、観客を上手いこと笑わせながらも、誠実さが伝わって来て、観る前から "きっといい映画だろう" という確信を持てましたよ。

二人が袖に下がる時、女子2名が杉本さんに花束渡してましたよ。
彼女たちは "紅麗威甦" でリーゼントだった頃から好きだったのかな?それとも役者としての彼が好きなのかな?
聞いてみたいところですが、変な人と思われて追い出されるといけないので、自重しました(笑)

映画はね、良かったですよ。
のたうち回る杉本哲太のエネルギーが、
スクリーンを通して伝わって来る感じがね。
セリフも音楽も少ない中で、
映画の中にとても大きなアクセントを残していて。

原田芳雄の演技はあまり好きではないのだけれど、
今回はハマッてて笑っちゃうくらい良かった。

「漕ぎなさいよ、思いっきり」

それしか出来ない男には、
それをやり尽くすことでしか、次の一歩が踏み出せない。
誰かの支えとかそういう優しさではなく、
自分自身への腹の底からの叫び声を出せないと、
前が見えない。

自分はよく、空を見上げます。
この辺では、顔をグイッと上に上げないと空が見えません。
何か叫びたいけど、
本当に叫ぶワケにはなかなか行かないので、
顔をグイッと上に上げて叫んだ気分になりながら、
空を見上げます。

映画の中で、
サイトウテツオが時折自転車を漕ぎながら叫びます。
"ウォ~!" って叫ぶのを観ていて、
なんか、自分の代わりに思いっきり叫んでくれてる気がして、
感動するほど、気持ち良かった。

年末になって、こんないい映画観れるとは、
今年はいい年だったのかな、と。
一年を総括するにはまだちと早いですが(笑)

今年は日本映画が例年に無く盛況でしたが、
そういった大騒ぎになる映画ではなく、
日本人には『日本の自転車泥棒』みたいな映画を作っていって欲しいんですよね。

絶対にこういう映画はヨーロッパでウケますよ、きっと。
ヨーロッパの人は自転車好きだし、
日本の田舎の風景とか、町並みとか写されてるし。

日本でも、もっと沢山の人に観て欲しいものですな。

新憲法第27条

2006-12-03 11:54:24 | キューバ&チェ・ゲバラ
キューバにはこんな憲法がある。

新憲法第27条
「国家は国の環境と自然資源を保護する。国家は、環境と自然資源の保護が持続可能な経済的社会的発展と密接に結びついており、それによってこそ人類の生活はいっそう合理的なものとなり、現在と将来の世代の生存と福利と安全が確保できると考える。・・・・・・水や空気を守り、土や花や植生をはじめとする自然のあらゆる豊かな潜在力を維持することに貢献することは市民の義務である」

『キューバを知るための52章』
編 : 後藤政子、樋口聡

映画 『キング 罪の王』

2006-12-02 11:04:21 | 映画 「い段」
『キング 罪の王』  2005年
原題 : THE King
監督 : James Marsh

ガエル・ガルシア・ベルナルの英語はあまりスペイン語訛がないね。
彼にとっては初の全編英語の映画じゃないかな?

この作品の中に良い人物っていたかな?
マレリーさえもエルビスの罪を知っても彼を責めなかったしね。
全員がどこかに人間の暗部を持っていた。

「懺悔しますから、天国に行かせて下さい。」

困った時の神頼みはするけれど、
こういうところが、どうしてもキリスト教を信じ込めない点なのだな。

人の弱さを救ってくれるという効力は確かにあると思うのだけど。

人が容易に銃を持つことができない社会だったら、
こんなストーリーは出来なかったはず。