処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

妻に捧げた1778話

2018-04-10 07:34:41 | 

著   者  眉村 卓

出 版 社  新潮新書

頁    数   208頁

定    価   730円

 

  

目下評判の本。

夫婦の愛の形は、夫婦の数だけ在る。その膨大な中の一つの愛の軌跡である。

余命いくばくかの終末期の妻に、作家の夫は、妻だけに一日一話の作品を書く。枚数、内容にルールを設けたのは、妻への気遣いと作家としてのプライドか。

書いた原稿は5年間で1778本。ここに紹介されているのはそのうちの19本。それぞれに著者の《自己注釈》が添えられている。これが素晴らしい。夫にしか分からない妻の思い、心の揺れ、病への希望と絶望、書かれた作品の感想、夫への感謝。それらを夫が綴っているのだ。そして、それを気遣い、汲み上げ、応える夫の思い。心打たれる。

読後、まず、「さて・・」となる。自分はどうするか。どうなるか。何をすべきか。

何ともならんだろうと思う。それでいいのかとも思う。複数の出版社からロング・テイルで売れている。団塊の世代が思案しているのだろうか。

 

 



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