処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

魯迅---中国文化革命の巨人

2017-03-25 11:46:51 | 

著  者 姚文元

訳  者 片山智行

出版社 潮出版社

 

  

44年前に出版されたこの本を、一体どの位の人が知っているだろうか。

時は、文化大革命3年目。書いたのは四人組の一人姚文元

中国発の連続する驚天動地の出来事に、世界が耳目を奪われていたさなかの翻訳出版である。

雲霞の如き赤いスカーフの紅小兵が毛沢東語録掲げて此処彼処に押しかけ、大人を吊るしあげ、秩序を破壊し尽くした混乱の極み。

経済の打撃は? 大学の機能は? 劉少奇は? 革命と反革命、その勢力図は? 犠牲者数は? 権力の落ち着く先は? 連日、息を詰めるようにして新聞の報道記事を読んだものだった。

姚文元については、訳者によるあとがきに詳しい。マルクス主義文芸路線の忠実な実践者としている。

当時、これを「出版しないほうがよい」「すべきでない」「少なくとも暫く見合わせた方がよい」との声が一部にあったが、版元は密かに出した、そんな雰囲気だったように思う。

このほど転居に際して、かつて貪った竹内好の著作を大方手離したが、その中に紛れていた。この姚『魯迅』を読んだのも、もとはと言えば竹内魯迅に発している。

当時、出版へのブレーキはどの筋からあったのか、またそれは姚の行く末を予想してのことだったのか、出版は版元の不名誉にならないか、いやとっくに時効だろう、思いは巡る。

今、党大会を前にして ”核心" 習近平のおぞましい体制造りが表に出始めた。裏では凄まじい闘争が繰り広げられていることだろう、四人組時代それに続く林彪事件のように。

 

 

 

 

 


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