処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

お腹召しませ

2018-01-22 21:14:27 | 

著      者   浅田次郎

出  版 社   中央公論新社

文庫初版   2008年9月

定      価   アマゾン262円

298頁 

    

6編からなる短編時代小説集。

どれも精緻な時代考証とは無関係な嘘八百だが、あたかも事実・史実ののように思える。これは著者の筆力による。

舞台は江戸末期の武家社会。制度としての「家」をとるか、ドロップ・アウトして「自由」をとるか。その狭間で苦悶する武士、殿・家来・同輩の姿。長い間徳川を支えた制度の下に生きる侍たちの右往左往。明治維新は、これらに倦んだ末の変革だったと言えなくもない。

実に切なくも滑稽な生きざまは我々の姿でもあろう。

「笑顔のいい女は必ず幸せになる」味のある科白だ。

 

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