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ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

レオさま情報

2009-03-08 12:17:08 | CD

ごく一部の間のファンだけでマニアックな支持を受けているミナス出身(現マドリード在住)のミュージシャン、Leo Minaxニューアルバムが出ました!
今回は以前よりも更にロックしてロールしております。それに伴いサウンドは前作よりライヴ感が際立っています。プロデューサーのSuso Saizという人物恐るべし。DVDを見る限りではスタジオでエアギターかましっぱなしの鬱陶しいオッさんとしか思えなかったんですが、この手腕にはさすがと唸らざるを得ません。更に驚いたことに、参加メンバーのうちベースがなんとマルセロ・マリアーノ。セーザル・カマルゴ・マリアーノの息子(っちゅうことはマリア・ヒタの兄貴だわな)にして腕利きのブリブリベーシストであります。
それからアートワークはSean Makaouiという気鋭のえげれす人アーティストらしく(ワタシは全然知りませんでしたけど)、めちゃめちゃカッコいいジャケットに仕上がっています。

残念ながらサンバタウンでは販売用の在庫は未入手です。「新譜を売るのはキミが日本に来てツアーする時だよ」と大ボラをかましてしまったので、今すぐには気まずくてとても「ごめん、やっぱりワンカートン(25枚)送って!」とか言えません。もう少し様子を見てみましょう。ファンの皆さんごめんなさい。

レオ本人の談によると、どうやら独立レーベルをつくって自主管理できるようになった(前作Aulanalua含む)ので、ディストリビューターさんや販売店さんも彼に直接コンタクトを取ることで取り扱いは可能かと思います。是非彼の作品を日本に紹介してあげて下さい。

Cafe Dufi CD販売 3月のラインナップ

2009-03-06 18:42:03 | CD

名古屋Café Dufíで好評をいただいている(のかどうかちょっと心配になってきました)SAMBATOWNのCD販売コーナー、3月のローテーションが既に入っております。
今回は、女性ヴォーカルもの多し。どうぞご試聴しまくって下さーい!

・BeBossa/ BeBossa
・Edu Krieger/ Edu Krieger
・Gal Costa & Caetano Veloso/ Domingo
・Ronaldo do Bandolim
    / Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim
・Silvia Machete/ Eu não sou nenhuma santa
・3namassa, China, Maquinado, Mombojó
    / Sintonizando Recife
・Tom Zé/ Estudando a bossa
・Verônica Ferriani/ Verônica Ferriani
・Virgínia Rosa/ Baita negão



クリスちゃーん

2009-02-18 16:48:16 | CD

そんなわけで、店主が大好きで大好きで、しかもわりと大好きな(最近ますますヘンな日本語になってきています)クリス・アフラーロの2枚目、Quase tudo dáが入荷してまいりました。よろしくどうぞ。

・・・と、あまり中身の濃くない記事ですが、そう、ぜじろぐは今だかつて5日連続で記事をアップできたためしがないのであります。毎回最長4日どまり。今日で4日目です。形はどうあれ自己ベストタイです。明日が勝負です。ふおお(丹田呼吸法)。そんな感じで、なんだか読者不在のぜじろぐになりつつありますが、皆様どうか笑って許して。

柔らかホーンセクション

2009-02-17 21:10:09 | CD

こんにちは、最近いろんな施設で目にする命名権なるものを鼻で笑うサンバタウン店主です。なんとかホールだの、かんとかスタジアムだの、ああいうので企業は自社のイメージ向上につながると本気で思っているのでしょうか。だとすればそこの宣伝広告担当部署って、バカの集まり?ひょっとして。たかだか1年か2年で名前をコロコロ変えられて利用客が愉快に思うわけないでしょうに。またスポンサーを募らんと経営が立ち行かないという施設側も情けない。ワタシゃいまだに日本ガ*シホールが愛知県のどこにあるのかわからんっちゅうの。

そんなワタシのプチアナーキストぶりはどうでもいいとして、今回はそれと対極にあるピースフルな作品のご紹介を。サンパウロの吹きモノ系バンド、Banda Glóriaがクリスチーナ・ブアルキを招いて製作したコレ。

このバンド、なんつっても90年代後半にシコ・セーザル来日時にそのバックバンドメンバーとして参加した色気のカタマリSimone Julianが一員でございまして、ちょっとワタクシ往年の若気の至りを思い出してしまったり致します(意味不明)。

なんとなくですが、リオにせよサンパウロにせよ、最近リリースされている新譜を聴くにつけ、管楽器全盛だった頃のオールドスタイルな音楽がかなり流行というか普及しているような気がします。要は古き良きショーロベースの音ですね。そんな感じのサウンドに肩の力の抜けたクリスチーナの歌は実に良くフィットしています。木管テイストの強いホーンセクションの演奏に、聴いているこちらまでリラックスできる、まことに和やかで幸せなアルバムです。タイトルだけだとあまりピンと来ない方も多いかと思いますが、かなりクオリティの高い小粋な作品で、とてもオススメです。こちらで試聴もできます。是非~。

Cafe Dufi CD販売 2月のラインナップ

2009-02-12 23:35:10 | CD

名古屋Café Dufíで好評をいただいている(のかどうか本当のところよくわからない)SAMBATOWNのCD販売コーナー、2月のローテーションが既に入っております。
今回は、Dufiさんの客層をイメージして、ソフト&ポップな作風のものを中心に組んでみました。果たして吉と出るか凶と出るか。どうぞご試聴しまくって下さい!

・Consuelo de Paula/ Samba, seresta e baião
・Cris Aflalo/ Quase tudo dá
・Kiko Dinucci e Bando Afromacarrônico/ Pastiche nagô
・Márcio Faraco/ Interior
・Nicolas Krassik e Cordestinos
・Pato Fú/ Isopor
・Péri/ Segundo tempo
・Tânia Maria/ Intimidade
・Vanessa da Mata/ Sim


こういうお店ではやはりヴァネッサ嬢の「Sim」なんか必殺アイテムなんじゃないかと思ったりするわけなんですが、テンポ時代のサンバタウンではさっぱり売れんかったよなー。不思議なものです。

これはいけない

2009-02-10 15:05:46 | CD

急いで訂正を。

先日、サンバタウンに新譜が入荷したのですが、その中でCD-Dona Inah/ Olha quem chegaというのがありました。実は通販にアップした時点でまだこれが届いておらず、周辺情報を頼りに「クレメンチーナ・ヂ・ジェズース系の黒いサンバがうんぬん」みたいなちょっとズレた紹介コメントをしてしまいましたが、実際にモノが届いてびっくり。

エドゥアルド・グヂン&パウロ・セーザル・ピニェイロ集じゃねえだすか、ニャンコ先生!
これだけで渋味サンバ愛好家の食指が動くというものです。「それは捨て置けませんな!」とばかりにフンっと鼻を鳴らすファンの方のお顔を店主は4~5人瞬時に思い浮かべることができるぞなもし。

サンパウロ産とは思えぬこなれた演奏と録音。またSP腕利きショラゥン達もゲスト参加、泣きのサンバをますます魅力的なものに仕上げています。ただでさえ企画が「E.グヂン+P.C.ピニェイロ」という極上素材のうえ、歌唱力確かな枯れたオバちゃんヴォイスに、ショラゥン達の研ぎ澄まされた哀愁プレイ、この三つが揃えばむしろハズレ作品を作るほうが難しいというものです。

いやー、売り手として商品説明には全身全霊を打ち込まねばならないと改めて思い知らせてくれたありがたき作品であります。ほんと中身を確かめずしてお客さんに奨めるのは業者として絶対やったらイカン。合掌。

再入荷チョロCD!

2009-02-10 12:41:45 | CD

こんにちは、ショーロと入力しようとしてそのままキーをC-H-O-R-Oと打ち、モニタを見上げてズッコケたサンバタウン店主です。ロダ・デ・チョロ!(意味不明)

さて、そんなワタシのひとり上手さ加減はどうでもいいとして、今回はCD再入荷のお知らせをば。ええ、念のためというやつでございます。

CD-Ronaldo do Bandolim/ Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim
最近サンバタウンで空前の大ヒットを続けているエルネスト・ナザレー未録音曲集。実質未発表曲集ですな。ジャケットの中に演奏者クレジットが入ってないのは印刷会社のミスらしいです。「おれはデータをまとめてちゃんと提出したのに!」とホナウド自身お怒りのご様子。あらら。

CD-Rogério Souza/ Violão brasileiro
ホナウドの弟ホジェリオのソロ。ブラジリアンギターの魅力満載。能ある鷹は爪を隠すという諺は正にこの人のためにあるようなものです。これはジャジーなZé Paulo Beckerか、はたまた万人ウケするGuingaか。技巧うんぬんより作曲とアレンジの妙味に唸ります。

CD-Raphael Rabello/ Raphael Rabello (1988)
涙の再入荷!別名Lamentos do morroとも呼ばれるハファエルのショーロギター集。鬼モードです。ブラジリアンギターファンなら聴くのが義務クラスの名盤です。2005年に再発されましたが瞬時に売り切れて市場から姿を消した曰くつきのアルバムでもあります。かのベストセラー作Todos os tonsが朝青龍のようなやんちゃアルバムとするならば、本作は気品と風格を兼ね備えた白鵬のような東の正横綱的作品と言えます。ショーロって凄い。これを再び国内で流通させたのは現時点でおそらくサンバタウンだけでしょう。未入手の方はお急ぎ下さい。

CD-Rancho Carnavalesco Flor do Sereno
古き良きリオのカーニバルで演奏されていたマルシャ・ハンショを今に蘇らせた好盤。前回入荷時もさりげなく真っ先に売り切れました。やはりわかる人にはわかる!今回も3枚入荷、うち1枚既に予約済みです。こちらも早い者勝ち!

CD-Quarteto Maogani/ Cordas cruzadas
まだ当時Quartetoの名を冠していた頃のマオガニ、超絶アンサンブル(マジとんでもねえっす)で人気を博した最もアグレッシヴな2ndアルバムが久々の入荷です。ジョイスやギンガ他ゲスト陣も多彩。これもレアでっせえ。ここだけの話、スピーカーからね、音の宝石がこぼれ落ちてくるんですよ奥さん。

CD-Pedro Amorim/ Violão tenor
ヴィオラゥン・テノールという日本ではなじみの薄い4弦楽器にスポットを当てた隙間産業的ショーロアルバム。奏者はいぶし銀マルチ弦楽器奏者、ペドロ・アモリン。時がたてばたつほど味わいが増す、バロック音楽にも似た肌触りを持つ貴重な作品。気の進まない反復事務作業をやる時や、ゆっくりと考え事をしたりする時に店主はBGMとしてよくこれを重宝しています。

教材-Escola Portátil de Música/ Cadernos da Oficina de Choro 2004
一体ワタシは市場の需要・供給バランスといったものをちゃんと念頭に置いて仕入れとかやってるんだろうかと自問自答してしまいそうなマニアなアイテムが届いております。マウリシオ・カヒーリョらがセンセイをやっているリオのショーロ学校、EPMことEscola Portátil de Músicaの2004年度版CDつき楽譜教材が残り2部。CDには模範演奏とマイナスワンが収録されています。楽譜に至っては全曲C(フルート/バンドリン等)、Bb(クラリネット/ソプラノサックス/テナーサックス、トランペット等)、Eb(アルトサックス)といった各ソロ楽器に合わせて移調されたヴァージョンも用意されており、更には2声に分かれて既にアンサンブル出来る状態になっている曲も数曲あります。スロー~ミディアムテンポの曲ばかりなのでマスターは比較的易しいでしょう。巻頭には、各リズムのパターンを記したリズム譜もあるので、リズムの復習に良いですね。実は少し前に一冊ご予約をいただきました。世の中何が起こるかわからないものです。

楽譜-Songbook/ CHORO vol.1
またまた再入荷しております。これまでほとんど予約完売に近い状況で推移してきましたが、ラティーナさんの方にも入荷があったことですし、今回のロットでコンスタントに入手可能な状態に落ち着くと思います。

あと一点、画像の通り面白アイテムが届いたのですが、これはちょっと内容を確認してから改めてご紹介したいと思います。うっしっし(←今となってはあまり使用されなくなった笑い声表現)。

再入荷のお知らせ

2009-01-29 10:38:39 | CD

以前ぜじろぐでも採り上げましたSamba de Fato e Cristina Buarque/ O samba informal de Mauro Duarte(2CD)が3セットのみ再入荷しました。

テレーザ・クリスチーナ&グルーポ・セメンチ系の「良心的サンバ・カリオカ」に目がない人には問答無用でオススメします。愛聴盤間違いなしです。
ラティーナ1月号の2008ブラジルディスク大賞で、マルメラアダのアベさんも1位に推されました。保証書付きってやつですね。

サンバタウンのみならず日本国内のブラジル音楽市場は(コアなファンを除き)、リリース後2~6ヶ月くらいたってから動き(つまりお客さんからの問い合わせ)が出てくる傾向にありますので、そういう意味では今が商品投入の好機かな・・・としたたかな計算を働かせる店主ですが、それはともかくとしまして、お早めにどうぞ。

噂をすれば何とやら。

2009-01-28 11:29:57 | CD

三つ前の記事のネタとして使わせていただいたZé Paulo Beckerご本人からメッセージが届きました。実は少し前、彼にファンレターみたいなものをしたためたんですが(照れ笑い)、そのお返事でございます。

残念ながら、彼のファーストソロ作Lendas brasileirasは廃盤となっていることがはっきりしました。再発の見込みは?という問いには「再プレスにあたり、いろんなカヴァー曲の権利問題が複雑に絡んでくるので、現時点では難しい。当然僕も手許に持ってない」というお答えをいただきました。がっくし。


(これがそのアレね)

以上、だからどうしたと言われればそれまでなんですが、ブラジリアンギターファンの希望を見事に打ち砕く情報でした。おしまい。

皆殺しアルバム、遂に登場。

2009-01-22 15:33:57 | CD

その道のモーレツなファンからクリスちゃんと呼ばれ愛されるサンパウロ在住のシンガー、クリス・アフラーロ待望に待望で待望の2ndが、4年ぶりに登場しました!もう一回言いますね。4年ぶりにっ、登場、し・ま・し・たッ!!

もうね、もう・・・たまらンのですっ(痙攣)。

ファースト作Só Xerémがフォホー色の濃い美しいアコースティックな作風で、ワタシなんぞは今回もそれを期待していた(正直なところ次のアルバムタイトルはSó Xerém Vol.2でいいと思っていた)のですが、それは極めて良い意味で裏切られました。1作目のルーツリズムと涼やかなアコースティックサウンドはそのままに、クリスちゃん本来の方向性であろうサンパウロ都会派のアプローチでMPB界の曲者達をカヴァー(残り半分は自身のオリジナル)。なんせアルバムタイトルQuase tudo dáはかのアルナウド・アントゥニスのUm somに収められていた変態バイアゥンの曲名そのものなんですから。あとはペリクレス・カヴァルカンティ(A.カルカニョットがよく採り上げてますよね)、カルロス・カレカ、ルーラ・ケイローガ、うわー普通に考えたらもうゲテモノ料理に近いっすな。それからジルおやじと、おお、カエターノのUm tomとかもやってますね。参りました。女性ヴォーカルファンは間違いなく全滅状態。歌って逝かせて、って感じです。

こちらで試聴できますが、こんなもんほんの断片。ネット越しに聴いても意味ないです。あくまでご参考まで。

残念ながらウチではオーダーに乗り損ねてしまい、入荷は来月以降の予定。手許にはサンプル盤ばかりなり。本来は入荷してからの情報発信がサンバタウンのモットーですが、クリスちゃんの追っかけに等しいワタシなどは敢えて申し上げます。どのショップさんででもいいです。こればかりは見つけたら即お買いなさいませ。

アイテム補充のお知らせ

2009-01-22 00:03:43 | CD

先日、サンバタウン史上かつてない反響をいただいたショーロアイテムの補充が決定しました。

モノはわずか一夜にして計20枚がソールド&ヨヤクドアウトになったホナウド&ホジェリオ兄弟それぞれのソロCD、そしてSongbookのCHORO Vol.1、そして遂に日本市場から姿を消して久しいハファエル・ハベーロ88年の名作Lamentos do morroの調達に成功!!

【今回入荷予定のアイテム】
・CD-Ronaldo do Bandolim/ Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim(文句ナシ)
・CD-Rogério Souza/ Violão brasileiro(これも素晴らしかったです)
・CD-Raphael Rabello/ Lamentos do morro(何より店主がもう一度聴きたい)
・CD-Pedro Amorim/ Violão tenor(今こそこの渋い音色に注目!)
・CD-Rancho Carnavalesco Flor do Sereno(大好評っす)
・CD-Maogani/ Cordas cruzadas(レアアイテムです)
・Songbook-CHORO Vol.1(新たな定番の誕生)
・Apostila da EPM 2004(リオのショーロ学校2004年度のCD付き教材です)


入荷時期は2月上旬予定ですが、ご予約も承りますので、我こそはという方は是非zezi@sambatown.jpまでメールにてご連絡下さいませ。

撃墜王ゼジ

2009-01-13 15:57:56 | CD

こんにちは、少し風邪の気配を感じつつあるサンバタウン店主です。げほごほ。
けっこう長いことカラダの調子も良かったのですが、やはりどこかしら疲れ、あるいは毒素が体内に蓄積されてきたのかもしれません。東洋医学的に考えると、ここはあえてすんなりと風邪をひいちゃって、それから強制代謝で体内を浄化して再びバイオリズムを上向きに持っていく、という好機でもありますから、あまりクスリに頼らず、十二分な水分補給&保温に努めてなんとかうまくやり過ごしたいものです。

さて、そんな店主のホームレメディな話題なんかはどうでもいいとして、今回はCDの販売についてのおハナシを。
先週末は中原仁さんのブラジル音楽講座が名古屋でありました。で、毎度恒例の、終了後に行われる「仁さんを囲む会(仮称)」に不肖ワタクシも参加してまいりました。都合の良い事に今回の会場はCafe Dufi。1月のCDローテーション作業も控えていたので、併せて用事がいっぺんに済ませられます。なんて効率的なサタデイナイトなんでしょう。

今月のDufiラインナップは以下の通り。
Casuarina/ Certidão
Glória Bomfim/ Santo e Orixá
Leo Minax/ Aulanalua
Marcelo Camelo/ Sou(ちなみに初日で完売)
Marcelo D2/ A arte do barulho
Pedro Luis e a Parede/ Ponto enredo
Renata Arruda/ Deixa
Sérgio Santos/ Iô sô
Yamandu Costa/ Lida

おかげさまで「囲む会」の間もDufiの試聴コーナーは大賑わい。なんせ店内はほぼブラジル音楽好きばかりで占められているわけですからそりゃ当然っちゃ当然なのですが、何にせよ嬉しい限りでございます。

で、試聴をお楽しみいただいている仁さん講座メンバーに解説フォローなどしておりますうちに、ふといりなか時代の接客を思い出して懐かしくなりました。だからといってここで安易にサウダーヂなんて言葉は使ったりしないんであります。

当時はご来店いただいた方に一通りオススメ音源/映像を試視聴いただいていたわけなんですが、お客さんのブラジル音楽リテラシーっちゅうのかな、まあ早い話、お客さんが上級者になればなるほど、接客も一筋縄ではいかなくなってくるんであります。

ブラジル音楽を聴き始めたばかりの、いわゆる初心者の方の場合はこうです。

「なんかイイのない?」

これは単純に、店主であるワタシに提案を求めています。それも諸手を広げて。選択権はほぼ店主側にあります。まだブラジル音楽の知識がそう深くない方は、プロの提案が頼りなのです。そう、彼らは(どっちかというと)仕留めてもらいたがっているのです。この場合こちらとしては、いわゆる「良く売れている商品」、あるいは「一般的に評価の高い商品」からオススメしていくのが最もカタい戦法と言えるでしょう。あるいはお客さんの好みのジャンル等をヒアリングすることによってピンポイント爆撃ワザを使うこともそう難しいことではありません。

しかしこれが上級レベルのリスナーさんになってくると状況は一変します。彼らも同様に、

「なんかイイのない?」

と訊いて来られますが、その言葉裏にはどこかしら「いざお手並み拝見つかまつらん」というニュアンスも込められているような気がするのは店主だけでしょうか。
彼らはブラジル音楽の知識も豊富。贔屓のミュージシャンとか、好きなジャンルとか、レコーディングの音質だとか、数多くのこだわりをお持ちです。そういった方々に通り一遍の接客で「これどうですか」なんて言ってもムダ。なぜなら彼らはたやすく撃ち墜とされたくないからです。ワタシがエースコンバットのパイロットだとしたら、お客さんも百戦錬磨のトップガン。こちらはミサイルをロックオンしようとしますが、彼らはすんでのところでひらりと機体をかわし、照準から外れます。メガストアあたりで山積みされるような売れ線どころには目もくれず、ひたすら自分だけの必殺アイテムを、店のスタッフにいとも簡単に見透かされないよう、しかし鵜の目鷹の目で狙っているのです。ワタシはあの手この手でお客さんのハートをわし掴みにする音源・映像を提案すべく、キーワードを(それと悟られないよう)聞き出します。この間、店主とお客さんとの間に互いのプライドを賭けた静かながらもスリリングな駆け引きの応酬が繰り広げられるのです。そして最終兵器を持ち出した店主の乾坤一擲の1枚!
我がライバルは「おお!」と身悶えしながら、我が一撃により見事昇天。
これこそが接客営業の醍醐味なのであります。いけねえ、手に汗握っちまったよ。

で、今回見事撃墜に成功したミサイルはこれでした。
Anna Luisa/ Girando
昨年夏にセレブなファッション雑誌「ELLE Japon」でブラジル特集が組まれた時(こういう記事を見るたびに、ワタシの愛するブラジルはどこに行ってしまったんだろうという気にさせられます。いや、ただのひがみ発言です、ごめんなさい)、このアナ嬢がどどーんと載ってましたね。ジャケは一瞬裸エプロンかと我が目を疑ってしまいましたが(失礼)、内容は実に洗練されたラパ系のMPBポップス。涼やかな色気のある歌声は女性ヴォーカルファンにかなり訴求します。そしてサウンドの核はギタリスト、フェルナンド・カネッカという男。以前カニョット・ダ・パライーバのトリビュート作を発表したこともあるなかなかの腕前を持った人物で、彼のこりこりっと活きのいいヒラメの縁側の歯応えのような(何だそりゃ?)ガットギターが実に効いてます。そして全体を流れるブラジリアングルーヴ。単なる8ビートの欧米チックなモノではなく、CDのアタマはいきなりジョンゴのリズムが2連発。ペドロ・ルイスあたりの人脈も見え隠れします。その後もマラカトゥ(バックはリオ・マラカトゥ)やコーコ(こっちはニコラ・クラシッキ&コルデスチーノスの伴奏だぜ?)、ジルベルト・ジルのParabolicamaráや、ノーヴォス・ナニワ、もとい、バイアーノスの名曲Os pingo da chuvaまでもフレッシュな感覚でカヴァー。最後は大御所エドゥ・ロボまで迎えて盛大にフレーヴォで締めてくれる。これがいい。やはり新世代とはいえ、その音楽の根底にはブラジルの伝統リズムが存在していてほしいものです。
このアルバムは、サウンドの垢抜け具合からすると、本来はむしろブラジル音楽に入ったばかりの方にオススメしたいのですが、今回の対戦相手は「女性ヴォーカル偏愛」という決定的弱点をお持ちでありまして、そこを店主は逃さずつけこみました。

そんなわけで、このアナ・ルイーザの2nd、例えばアレクシア・ボンテンポのCDにハマった人ならかなりの高確率で気に入りそうな好アイテムなのに、通販ではしばらくの間さっぱり売れずじまい。ようやく今になって回転してきたので、調子に乗ってラスト1枚の在庫を消化すべくわざわざ記事にしてみました。店主、けっこう回りくどい性格だったりして。

恐るべき兄弟

2009-01-07 17:19:57 | CD

バケモノ級(当店調べ)のアコースティック系アルバムがリオから2タイトル届きました。これ、現地発売日と同時に取り寄せたのでほぼ間違いなく日本初上陸。ムフ。

Ronaldo do Bandolim/ Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim
Rogério Souza/ Violão brasileiro


いやーめちゃくちゃ聴き応えありました。どちらも最高!!
ホナウドはトリオ・マデイラ・ブラジルの残党2名のサポートが中心の、圧倒的演奏力で繰り広げられるナザレーの実質未発表曲集。そしてその弟であるホジェリオのソロは、喩えるのは失礼ながら、ゼー・パウロ・ベッケルのあの伝説の名盤・Lendas brasileirasをよりジャジーに、そしてしなやかな躍動感を持たせたかのような、正に「ブラジリアンギター」と言うべき作品。とここまで書けばショーロ/ギターファンの方なら大体どんなもんかおわかりかと。いいなあ、リオでレコ発ライヴとか観たいなあ。

※年末に予告しておりました楽譜2点、Songbook CHORO Vol.1、それに「ジャコー本」ことTocando com Jacobも無事到着。通販にもアップしましたっ。まだお持ちでないショーロファンの方はこちらもお早めにどうぞ!

2008年最後の入荷盤は

2008-12-31 19:25:58 | CD
これでした。

凄い。これぞブラジル音楽の良心。2008年を締めくくるにふさわしい素晴らしさ。しかもVol.1だって。はよ第2弾出してくれーい。
マルセロ・カメーロのソロで「入荷があと1ヶ月早かったら間違いなくワタシのブラジル・ディスク大賞2008のベスト3にはランクインしてました。残念!」と書きましたが、ええ、これも同じくベスト3に入れたかったです。すなわちワタシの2008年ベスト5は、12/31までを対象期間とさせてもらえますならば、

1位・・・Sérgio Santos/ Iô Sô
2位・・・Marcelo Camelo/ Sou
3位・・・Marcelo Caldi e Fabio Luna/ Forró e choro Vol.1
4位・・・Moyseis Marques/ Moyseis Marques
5位・・・Mario Gil/ Comunhão


という風に相成りました。ばんざーい。
(注:もともとの第4位は『VA/ 日常快適音楽9 リオデジャネイロ』、第5位は『Moinho/ Hoje de noite』でした)
そんなわけで、ワタシは今から年越しそばでも食ってのんびりと2009年を迎えようと思います。NHK紅白歌合戦にはほとんど興味ありませんが、GANGA ZUMBAの出番でマルコス・スザーノが出演するのかどうかだけがとりあえず気になります(笑)。

それではみなさんもどうぞ良いお年をお迎え下さい。そして来年もサンバタウンをよろしくお願い申し上げます!