ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

今度は見逃すべからず

2010-07-22 23:54:09 | ライヴ

本日からスタートしております、グラストン・ガリッツァ&ヤヒロトモヒロの日本ツアー!
今日はおなじみ青山・プラッサ・オンゼでしたね。クラウヂア母さんにKarinさん、元気かなあ。
名古屋は、えッ、明日?明日ですかッ?!知らなかったよ!嘘です!
ちゃんと知ってました。

昨年は辛うじてこの二人の圧巻のパフォーマンスを見ることができましたが、今年も是非押さえておきたいところ。個人的には名古屋にしようか大阪にしようか迷うところではありますが、中原仁さんも絶賛しておられるこのデュオを聴き逃してはあまりにもったいないですゾ。

ツアー詳細はヤヒロさんのサイトのスケジュールページより拝借っと。
レッチェケラーッ!(注:Let's check it upの意)

高架下だけに

2010-07-20 12:49:08 | イベント

ちょっと間があいてしまいましたが、名古屋のイベント情報でございます。

名古屋の不思議系&新世代系バンド・NARCOのメンバーらを中心にこれまでBoas-Vindas!として親しんでいただいておりましたブラジル音楽寄りの複合イベントが、今回"Expresso 2010"の名で装い新たに再登場。これからもよろしくお願い致します。ってこの名前あと6ヶ月しか使えんな。早いトコ回数重ねんといかんね。

今回は超強力ゲストに中原仁さんを迎え、名古屋が誇るブッ飛びパフォーマー、ジェット達(たつ)、そして初登場のイケメンブラジレイロス、MASAO & FÁBIOの二人によるBrasilビデオクリップセレクションと盛り沢山。
もちろんNARCO+河本隆志のコラボによる幻想ライヴもあり、プログラムのインターバルをサンバタウン店主がDJでこまめに埋めてまいります。

お盆前にパーッと鶴舞高架下で遊んじゃいませんか皆さん。

Expresso 2010はあいちトリエンナーレ2010パートナーシップ事業に認定されています(すごいんだかすごくないんだか)。

2010/8/7(Sat) @K.D.Japon
Open & Start: 18:00
Charge: adv ¥2,000/ door ¥2,300(+1drink order)
More Information: NARCO blog
(サンバタウンでもご予約を承ります)


うーん、今回の物販どうすっかなー。

あほぢから

2010-07-14 16:36:18 | CD

今日は久々に書きがいのあるCDに出会えました。

日本が誇るパーカッショニスト、ピュアな野獣こと福和誠司の記念すべきファーストソロアルバム。
その名ももしもパレード(販売:ハピネスレコード)。

誠司さんは店主も昨年のLeo Minaxジャパンツアー・東京公演にてゲスト出演をお願いしたこともあって馴染み深いミュージシャンなのですが、その天然キャラはレオも大のお気に入り。
あれはレオがステージ上で次の曲について説明していた時のやり取り、
  レオ 「Entendeu, Seiji?」
  誠司 「あッ、ハイ、わかります」
  レオ 「Bom」
  (一同大爆笑)

は観た人ならば誰しも忘れない伝説の光景。自然児には言語の壁すら存在しません。楽しい思い出です。


(2009年7月、プラッサ・オンゼにてレオ・ミナックスと)

「普段の演奏活動の中で、実際に演奏している時間よりも移動したりセッティングしている時間の方が私の場合豊富にあるのですが、そんな中例えば車の運転中に『もしもこんな音楽があったら』『もしもこんなパレードがあったら』『もしもこんな部族がいたら』などと空想して一人でにやにやしている事がたまにあります。
その『もしも』を形にしてみたいと考えるようになり、それをベースのPちゃんに話したところ『おもしろそうだから是非やりましょう』と言ってくれたので今回この<<もしもパレード>>を私とPちゃんで製作し発表するに至りました。」


という本人のライナー冒頭紹介文からもわかるように、天然な世界がじわりにじみ出ています。
(その後にも続く本人による抱腹絶倒の曲解説は是非CDをお買い上げの上お楽しみいただきたい!!)

いやあ、国内ミュージシャンでこれほどまでにツボにはまったアホぢから音源は、2005年にギタリスト・Keiが出した「LOST PEOPLE, LOST MUSIC」以来ですわ。
とてもワタシには「もしも『いち、に、いち、に』ではなく三拍子でタイコを叩きながら音楽的に走れたら」というイメージは浮かび上がったりなどしません。
心に愛を、身体に情熱を、脳ミソにアホがめいっぱい詰まった福和誠司その人にしかできないスーパーコンセプトアルバム、理屈抜きで聴くべし!!

あまりに面白かったので、店主、誠司さんに即メールを送りました。

「誠司さま/おはようございます、サンバタウンの上沖です。
 CD昨日届きました!聴きました!抱腹絶倒でした!
 最高です。ブログで記事にさせてもらってもいいですか。
 またよろしくお願いします!」

ほどなく返信が返ってきました。

「ありがとうございます。blogの件大丈夫です。昨日タクシーの運転手が1枚買ってくれました。
 運転席の後ろにチラシも置かせていただきました。誠司」

ノボス・ナニワーノスのキャッチフレーズを拝借させていただくならば、このような「愛・アホ・情熱」に満ちたミュージシャンを、サンバタウンは心から応援しています。


(収録曲を聴けばジャケ裏左下隅『あっ、あっ』の謎が明らかに・・・!)

100年の歩み

2010-07-12 18:00:00 | 弦楽器

久々にブラジリアンギターの話になります。

サンバタウンが事実上の日本総輸入元となっているブラジルの老舗ギターメーカー・Di Giorgio(以下DG)社が、2008年で創業100周年目を迎えられました(おごそかにパチパチ)。
そこでDG社は記念事業として、100台限定生産のトップシリーズにあたるヴィオローン(以下ヴィオラゥン)の製作販売、そして原則その限定モデルのオーナーにだけ手渡される「Violão Di Giorgio - Os Primeiros Cem Anos(Di Giorgioギター はじめの100年)」という超豪華本を発刊したそうです。

昨年その情報に触れながらも、いつものように「ふーん」という感じで他人事のように捉えていたサンバタウン店主でしたが、先日の正午前(ブラジルだと真夜中だね)に、なんとDG社の三代目社長・ヘイナウドJr.からいきなり「ゼジーニョと話したいのだが・・・」と国際電話がかかってきまして、いやあ、ワタシびっくらこきましたですよ。

用件は何かというと、上述の100周年記念限定モデル"Cent`Anni(チェント・アンニ)"のプロモーション。チェント・アンニとはイタリア語で100年を意味します。
そう、創業者ロメオ・ディ・ジョルジオはイタリアからの移民(ロメオの父と幼少時代に渡伯)だったんですね。

「それと本来は、このCent`Anniをお買い上げいただいたオーナーにだけ進呈するこの本を、君に贈りたい。そして我が社の100年の歴史を日本のお客さん達に是非伝えてほしい」

「あ、はあ、そうですか。わかりました。ありがとうございます三代目」

という感じのやり取りを経て送ってもらったこの100周年記念本。
封を開けてぶっとびました。
監修がミリアン・タウブキンじゃありませんか奥さん!(誰が奥さんや)

ミリアン・タウブキンといえば、ブラジル音楽、とりわけブラジル楽器フェチらが入荷時に先を争って買い求め、常に瞬時で品切れとなるあのマニアック書籍&DVDシリーズ「Violões do Brasil」「Sanfona do Brasil」「Violeiros do Brasil」を編纂した才女。
そう聞けばムムと食指の動く方も日本中で10人くらいはいらっしゃるんではないかと思います。少なっ!
そのミリアン女史のもとで刊行された190ページにわたるこの豪華本、ショボかろうはずがありません。
素晴らしすぎます。

まずは特別にページ抜粋でご紹介をば。


(この重厚な感覚に溢れた楽器の写真こそまさにミリアン女史の真骨頂です)


(限定モデル"Cent`Anni"のお買い上げ客だけに添えられる冒頭ページのオーナー証書見本。
 ワタシはオーナーではないので当然名前は入ってません。これあくまでサンプルコピーね)


("Ao nosso amigo e parceiro, Zezinho com um forte abraço Reinaldo 07/2010"と書かれた三代目社長ヘイナウドJr.の署名)


(見よこの錚々たるMPB界の巨人達の御尊顔を。セルメンはおいといてホジーニャ・ヂ・ヴァレンサ、ジョルジ・ベン、ペリー・ヒベイロ、ヴィニシウス、バーデン、そしてドリヴァル・カイミ翁!これがDi Giorgioの歴史なのだ)


(日本でも局地的に熱烈な信奉者のいるゼー・メネーゼス翁も未だにDGヴィンテージの愛用者であります)


(ギター製作工程。左はMASTER、右はバインディング仕上げの様子)


(こういった往年の名品の写真もふんだんに紹介されております。マニア大喜び)


(弦楽器フェチよりもむしろ職人さんの血が騒ぎそうな各章のトップページ。美しすぎる写真)

圧巻の構成とともに、Di Giorgio社創業100年の歴史が鮮やかに語られておりますです。
もちろん言うまでもなくジョアン・ジルベルトやバーデン・パウエルにまつわるエピソードも収められています。
非売品なのが本当に残念です(←すごくイヤな性格の店主)。

では肝心の100周年記念限定生産モデルのチェント・アンニは果たしていかなるものかというと、

・トップ:セレクテッドカナディアンスプルース単板
・サイド&バック:ブラックハカランダ(合板とヘイナウド社長は電話口で言っておりましたが)
・指板:セレクテッドエボニー
・ペグ:18金モノ(メーカー名未確認)
・ライン工程から完全独立、三代目ヘイナウドも製作に携わったルチエール仕立て
・販売価格:推定55~60万円


というくらいの情報くらいしか手元に入ってきておりません。
ましてや現物も確認できてない状態ですので、サンバタウンとしてもおいそれとは怖くて輸入などできねえっす。
というわけで、今秋にもまたブラジル出張行ってまいりますので、そん時にDG社を訪問して実物を手にとってから判断してこようかと思うちょります。
そん時にはもう売り切れてたらごめんね、ガハハ!(破顔一笑)

「なんか急に欲しくなってきたぞ、それまで待てない!」と何かに衝き動かされやすい方、最近宝くじに当たった方とか、
こっそりいかがでしょうか?

しかし、それにしても、100年。
サンバタウンなんか今年でようやっと7年でっせ。
仮に100年続けるにはこれをあと14セット繰り返さんといかん(ボーゼン)。
歴史の重みを感じつつ、ブラジルの方角を向いて最敬礼!であります。

憧れのひと

2010-07-08 16:47:52 | DVD

こんにちは、ブルース・ディッキンソンです。前髪はおかっぱです。
嘘です!

さて、今回は久々にDVDの話題。
店主の憧れの女性(と書いて『ひと』と読む。キモっ!)、今は亡きカシア・エレールのアコースティックライヴの映像が最近DVDで発売されました
タイトルは"Os Violões"というだけあって、三人フォーメーションのアコースティックギター編成(時々1名ベース持ち替え)のシンプルな構成となっており、少し前にリリースされてやはり大人気だった"Rock In Rio"のようなガチロックとは全く違ったサウンドアプローチになっています。

だがそれがいい。
ロッカーのアンプラグドってなんでまあこんなにカッコいいんでしょう。
96年にこの編成で国内ツアーを回ったとき、TVだかどっかのホールだかで収録したスタジオライヴのようですが、カシアのCD"Ao Vivo"が好きな方、まさにレーアーです。ゴイスーです。是非チェックを!

こんな三人衆が駅前でパフォーマンスやってたりしたら、ワタシゃ自分の用事も忘れて最後まで聴き入っちゃうけどね。
レジオーン・ウルバナの名曲「7月1日」なんて、いつか自分でもやってみたいです。

今週、のりちゃん

2010-07-07 16:31:53 | ライヴ

こんにちは、日本郵政です。嘘です!
しかし久々にネットオークション使って落札した商品を送ってもらってるところなんですけど、なんでまたよりによって遅配騒動真っ只中のゆうパック。まあ急いでないから全然困ってませんが、それにしてもまあ。

何度か書きました通り、ワタクシ、サンバタウン始める直前は名古屋の物流企業に勤めており、某ドラッグストアの物流センター新規立ち上げの仕事に一度立ち会ったことがありましたが、まさにそこは修羅場。阿鼻叫喚のパニックストームです。
もちろん日本郵政の今回の件はそんなもんとは比べようがないくらい、そら恐ろしいことになっていることとお察し致します。察するだけで悪いけど。

さて。

気がつけばもう7月。昨年の7月といえば、サンバタウンがレオ・ミナックスを招聘して全国ツアーをして回った時期であります。あれから1年。長いような、短いような。

そしてレオ・ミナックスといえばこの人を忘れていただいては困ります。
ボサノヴァシンガーソングライターの山本のりこさん(以下のりちゃん)。
彼女こそがワタシにレオの存在を知らせてくれた、いわばコトの起こりの人。彼女が久しぶりに名古屋にやって来ます。
会場はもちろん、のりちゃんのホームグラウンドともいえるCafé Dufiであります。

7/10(Sat) @Café Dufi
20:00-start 2stages
山本のりこ(vo, g) ソロ
アクセス: 地下鉄東山線 千種駅下車 徒歩7分
Tel: 052-263-6511 名古屋市中区新栄3-17-1
Music Charge: 前売¥2,000/当日¥2,500



(プラッサ・オンゼ初日終演後、のりちゃんとレオ談笑するの巻)

去年のDufiでも、レオとのりちゃんの素晴らしい共演を名古屋の皆さんに是非ご覧いただきたかったなあ・・・。
いや、言うまい!

肩身の狭い思いでブラジルメタルTシャツ

2010-07-06 20:16:57 | Brasil Metal Union

こんにちは、ファルカゥンです。といってもO Rappaの方です。
嘘です!

さて、BMU(Brasil Metal Union)系のお客さまにしか理解できないネタになって恐縮ですが、我が友人にしてビジネスパートナーでもあるカリスマロックギタリスト、キコ・ルーレイロ氏の所属するバンド・ANGRA(アングラ)がようやく4年ぶりのアルバムリリースと相成りました(8/11発売)。
タイトルは"AQUA"。てて。なんかやけにあっさりした感じですが。
本作の中には、Maquinadoなどサンパウロを拠点とする北東部ロック系アーティストのアルバムによく名前がクレジットされているパーカッショニスト、Gustavo da Luaビリンバウやらいろんな楽器を使ってて、ブラジルっぽいリズムを注入してくれていますので、個人的にはそのへんも聴きどころとして期待しております。ていうか調べたらこいつ元シェイキ・トザードのメンバーじゃないですか!しかも現ナサゥン・ズンビ所属。うひー。失礼しました!他にもOtto, Bonsucesso Samba Clube, Mamelo Sound System, 3 na Massaらのアルバムに参加と、まあすごいすごい。おっと、このへんメタル系の方だと逆にチンプンカンプンですね。

話をANGRAに戻しまして。
それに絡んでか絡んでないのかよくわかりませんが、今年の国内最大級のヘヴィメタルの祭典、Loud Parkにも今年ANGRAが参戦することが決定したそうです。しかし会場は神戸&埼玉。ううむ。

というわけで、タイミングよくANGRAのオフィシャルTシャツ(ちゃんとライセンス取ってるやつだぜ)が入荷しましたので、せっかくの機会ですから告知させていただく次第です。
特にメタルTシャツのレディスものは国内では入手がけっこう難しいのですが、サンバタウンは得意中の得意です。ANGRAファンのお嬢様方、是非に
しかし先日hinolismoのTシャツを激賞しながら紹介させていただいておきながら、間髪入れずにブラジル輸入Tシャツの話題をアップする頓珍漢な店主をどうか笑って許して。


(画像をクリックすると通販ページに移動するじょ)

そうそう、メタルではないんですが、ホッキ・ブラジレイロ野郎のために、ハウル・セイシャスTシャツもちょびっと仕入れてみました(メンズのみ)。女の子にはO RappaとD2ちびT(レッドorブルー)。カッコいいっすよ。ご興味がある方は是非チェックしてみて下さいまし。ましまし。



今月のDufi

2010-07-05 15:46:31 | CD

地元ネタで恐縮です。

Café Dufi 7月のCDローテーションを先週末に実施してまいりました。
入れ替え作業中に折りしもちょうどW杯のブラジル×オランダ戦が始まってしまいましたが、オーナーの水野さん、気を利かせてくれたのか店の壁のスクリーンにわざわざ試合を映し出して下さいました。
したらば、もう点入っちゃってるし!うおおホビーニョ~~~。
ほどなくして作業も終わり、こりゃ家に帰ったらちょうどハーフタイムで前半のダイジェストを観られて、あとは後半戦をこの調子で心ゆくまで堪能できるぜ。くうーッ、今夜も美味いビールが飲めそうだあ!

・・・てな感じで家路につき、帰宅後テレビにかじりついておりましたですよワタシは。
一体何だったんでしょねアレ。
ホント冗談抜きで、国帰ったらボロクソですよ、セレソン。
もうドゥンガ、いいからそのまま成田直行、そのまま亡命して日本代表監督就任。
そんなシナリオを思い描いた知人友人がワタシの周りにわんさかおります。
セレソンの連中もこの際全員Jリーグ入り(←移籍金違約金はどうする)。で、カカー帰化。帰化カカー(意味不明)。
日本サッカー界のレベル底上げは我らがセレソンが急ピッチで進めてくれるでしょう。
嘘です!

まあ、そんなわけで7月のDufiブラジル音楽CDラインナップは以下の通り。

Euterpe/ Batida brasileira
Fernando Salem/ Rugas na pele do samba
Jorge Vercilo/ D.N.A.
MAKO/ Algumas cores
Mariana Baltar/ Mariana Baltar
Monobloco/ 10
Rodrigo Maranhão/ Passageiro
Sérgio Santos/ Litoral e interior
Zé Paulo Becker/ Para tudo ficar bem


ひとつよろしく!

アナログレコードを聴こう

2010-07-02 14:03:02 | Brasil Metal Union

えー、先日たまたま時間ができたので、早めの時間帯から久しぶりに大須へ出かけ、名古屋モーニング(小倉トーストだったぜ)を楽しんだあと、中古レコード屋さんを回ってきました。

といいますのも3月にブラジル出張に行った際、サンパウロのロックギャラリーで出会った全身刺青のメタレイロ、ファビアーノ君からのたっての願い。
「俺、メタルやハードロックのアナログレコードが好きで集めてるんだけど、ブラジルにはそんなのどこにも売ってなくて、ホントに入手困難なんだ。日本でもし手に入るようなら、是非集めてもらえないか」と、会った際に必死の形相で懇願されました次第。

ニーズというものは、意外なところに意外な形で転がっているものです。
日本ではアナログ市場というものはDJシーンで重宝されてる以外はさっぱりなのにねえ。
ジャズやソウル、ヒップホップなんかはまだしも、よりによってヘビメタ(笑)。

それはさておき、初対面ながらもイイ年して「俺ラウドネスとかX Japanがめっちゃめちゃ好きでさあ、俺がどんだけ好きかたぶん想像もつかんだろうけど。でもブラジルでは全然手に入らんないんだよ」とボヤくファビアーノをかなり店主は気に入ってしまいまして、うまいことに店主の青春時代はもっぱらヘヴィメタル/ハードロックを中心に回っていたので、昔取った杵柄とばかりに只今いろいろ中古レコード市場を彼に代わって物色中。
時間がないのでブラジル音楽のLPをチェックするまでに至らないのが悲しい限りですが。

いやあ、それでも大須の「グレイテスト・ヒッツ」さんで極上のAC/DCモノを多数調達できて、なかなかの戦果をあげることができました。あと数回か回ればファビアーノも大喜びのアイテムが揃えられそうです。あとはこれらを9月に直接お土産(ていうか物々交換なんだけどネ)として持っていくだけ。ウム。

しかしレコード屋さんにいる間、
「うひゃー315円。こんな値段で手に入ってラッキー」
という、なんか得したような気分と、
「ここまで値段下げないと、リスナーには買って聴いてもらえないのか・・・」
という、なんか寂しいような気分がないまぜになって、店主、ちょっとフクザツな心持ちで買い物しておりました。これってアナログ盤だけじゃなくて、CD市場でも似たようなもんですね。
音楽というものの価値・対価って何だろうと考えさせられた一日でした。

それでも買ってきたLPをサウンドチェックと称して、自宅のレコードプレーヤーで再生。
どれも素晴らしい盤質で大満足でした。
ドンシャリの抑えられた、耳が疲れない音質はやはりアナログならではの魅力です。

しかし悲しいかな、今のドタバタ店主には、A面B面を心静かに引っくり返しながら、ゆっくりと鑑賞する時間的ゆとりがなくなっていることに気がつきました。
AC/DCの最大のヒット作"For Those About To Rock"を聴きつつ、少年時代の記憶も眩しい"Let's Get It Up"や"Evil Walks"などの名曲を懐かしんでいる間にも、携帯は鳴るわ、メール受信のお知らせ音はあるわ、しかもすぐ返事せんといかん内容のメールだったりするわ、鬱陶しいセールスがドアホンをピンポンするわ、通販商品出荷時間のギリギリ直前になって大至急のオーダーが入ってきたりするわで、まあちょっと油断したら片面終わってて、落ち着いて聴くどころじゃない。

これって時代の流れにアナログメディアの再生システムがついて行けなくなっちゃったってこと?
いいえ、そうではありません。
人間の生活がもう自分達でもコントロール不能なくらいに、ハイテクによってもたらされた更なる多忙に慣れきってしまったということだと思うんですよ。

出来ることなら、LPレコードを袋から取り出して、

30cm正方形ジャケットの見開きアートワークをじっくり鑑賞したり、

針を盤に落とした時のプチプチノイズなんかも味わったり、

アナログ時代だったればこそ存在した「A-1、A面ラスト、B-1、B面ラスト」に必ずと言ってよいほど配されていた名曲を堪能したり、

少しの時間が出来たら「じゃあ今日はこのアルバムのA面だけちょこっと」と、自分の裁量で好きなものを選んだり、

そういう「ゆとり」あってこその音楽生活に戻ってみたいなと思うことがよくあります。
とか言いながら聴いてる音源もろヘビメタなんですけどね(笑)。ジャズとかならカッコいいのだが。

ちょっと当分の間、こう何て言うんでしょうか、「心豊かに」ってのをテーマにして生活してみようと思います。