ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

移ろいゆく恋心

2010-08-30 13:32:19 | CD

ああ、サーちゃん・・・。
君の歌声に包まれながらそのまま海の底に沈んでしまってもいいですか。

2007年は「ああ、モンちゃん・・・」と呻き。←注:マリーザ・モンチ
2010年春には「ああ、ボンちゃん・・・」と身悶えし。←注:アレクシア・ボンテンポ
いやあすみません、恋多きオトコでして。ははは。

のっけから失礼致しました。夏の終わりのサウダーヂ病に悩まされ続けのサンバタウン店主ゼジですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
そんな腑抜けたワタシのハートをガツーンと、シャキーンと目覚めさせてくれる期待のアルバムがようやく届きました。

サンバタウン店主が勝手に「サーちゃん」と幼馴染みのように呼んでいるリオの歌姫、ホベルタ・サー。アルバムリリースのたび国内ブラジル音楽ファンを熱狂させてまいりましたが、今回到着した新作がまた凄まじい。

バックにはブラジル最強弦楽器ユニットの呼び声高い、あのトリオ・マデイラ・ブラジル。そして本作のテーマはバイーアが誇る作曲家ホッキ・フェヘイラ集ときた日には、ショーロ/サンバ系アコースティックファンがもはや黙っておりません。

サポートパーカッションにはSamba de Fatoの活動で現在売り出し中のパウリーノ・ヂアス、そしてネイ・マトグロッソのカルトーラ集でセウシーニョと並んで打楽器班を務めていたゼロが担当しており、サウンドは磐石。ていうかカンペキ。これ以上何を求めろっていうんだ?!

前作「Que belo estranho dia para se ter alegria」よりもナチュラルで、前々作「Braseiro」よりも情熱的。ギターとバンドリンの煌くアコースティックサウンドは、まさにバイーアの海岸を優しくそして爽やかに流れる風のよう。
サンバタウンが全身全霊をかけてオススメする大傑作盤です。

現時点で既に店主の「2010年俺ブラジルディスク大賞」堂々の暫定王者ポジションを獲得。
初回入荷分はどこのショップもほぼ予約がついている状況で、早くも次回入荷分のバックオーダーまで殺到しているとか。
大ヒット間違いなしの好盤ですのでしばらく流通も活況となるかと思いますが、突如としていつ売り切れとなるやもわかりません(輸入盤の場合大体3ヶ月~半年後にはとうにアウトという例多し)。皆さんもなるべくお早めに、是非。

ゼはゼでも

2010-08-24 20:25:45 | ライヴ

店主が尊敬してやまないブラジル吟遊詩人、ジョゼ・ピニェイロさんのライヴが久々に名古屋圏で開催されます。

ファッションやトレンドとしてのシャレオツ系ブラジル音楽ではなく、ブラジルという国の原風景を描き出すような懐の深いブラジル音楽をお求めの方にオススメします。
このジョゼと彼のバックバンド「BOTO」とのカップリングで演奏された今池・得三でのショウはワタシの中で屈指のライヴとして記憶されています。皆さんも是非。

●ジョゼ・ピニェイロ ブラジル音楽紀行ツアー@サルバドール
開催日 10/09/24(金)
料金 2,500円(飲食別,入替なし)
開場 18:00
開演 19:00~ 20:30~
場所 Salvador サルバドール
   名古屋市瑞穂区八勝通り3-20
   TEL/FAX:052-833-9633
    http://salvadornagoya.jp/
席数 30席限定(要予約)
ご予約 052-833-9633(サルバドール)

●ジョゼ・ピニェイロ ブラジル音楽紀行ツアー@Avanti
開催日 10/09/25(土)
料金 3,000円(別途飲み物代500円)
開演 18:30~(Sapato Novo)
   19:00~(ジョゼ・ピニェイロ)
場所 Avanti アヴァンティ
   豊橋市大岩町字久保田2 ヤマナカ二川フランテ西
   TEL:0532-65-8166(グレイス企画・豆野)
      または 080-3668-4071(平松)

名古屋で久々のパンデイロワークショップ

2010-08-19 17:04:40 | イベント

こんにちは、ピーター・マーフィーです。嘘です!
すみません、はっきり申し上げていいですか。
夏休みボケです。ごめんなさい。

さて。
久々のぜじろぐ記事再開ですが、これまた久しぶりに名古屋でけーちゃんこと長岡敬二郎さんのパンデイロワークショップが開催されます。告知ということで、パンデイロ上達に余念のない皆様、ひとつよろしく!

長岡敬二郎パンデイロワークショップ
9/26(SUN)13:00~14:30
at BL STUDIO 若宮
〒460-0008
名古屋市中区栄三丁目35-5
TEL:052-253-8655 FAX:052-253-8611
地下鉄名城線「矢場町」下車 徒歩10分
(名古屋高速若宮出口から車で3分)
参加費 ¥3,500
参加ご希望の方は
ワークショップ担当:葉山 sabo-sabia@i.softbank.jp まで
お名前/ご住所/連絡先☎/参加人数を明記の上お申し込み下さい。
沢山のご参加お待ちしております!!


・・・と、ご覧の通り今回のワークショップ、実はサンバタウン主催ではありません。
ですのでくれぐれも弊店の方にご予約のお申し込みをされないよう、よろしくお願い申し上げます、ハイ。
とは申しましても、事務局がどなたになろうとも、けーちゃんのワークショップであることに変わりはありませんので、ご興味のある方はお気兼ねなくご参加下さい。

夏季休業のお知らせ

2010-08-10 10:17:01 | 連絡事項

直前のご連絡で大変恐縮ですが・・・。

8/12(木)~8/15(日)の間、サンバタウンは夏期休暇をいただきます。
8/11(水)の午後から8/15(日)の間にいただきました通販ご注文につきましては、商品出荷が8/16(月)以降になりますことを予めご了解下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。



※画像は休暇中の店主の行動予定とは何ら関係ありません。って毎年恒例の文章になりつつありますね、このパターン。



Tarregaちゃんの使い道

2010-08-04 15:14:57 | 弦楽器

お、お久しぶりです、サンバタウン店主です。えへへ。
いやあ、サボりにサボったり、ぜじろぐ2週間のブランク。すみませんッ。
毎年こどもたちの夏休みシーズンになると、店主、どういうわけだかメンタル面でかーなーりダウナー傾向になってしまうことがここ数年の研究機関の調査で明らかになってまいりました。

(財)日本精神医学研究所が今年6月に発表した資料によると、在宅ベースの自営業者で、自宅に義務教育過程までの子供がいるケースにおいては、ほぼ70%以上の事業主が当年の夏休み期間のうちに軽度のうつ病もしくはパニック症候群を発症するという驚くべき数字が示されていたのです。
大嘘です!
そんなことぐらいで精神病んどったら日本全体がとっくの昔に病みきっとります。

まあ、店主自身、たぶんこれは「帰省願望」といいますか、一種の帰巣本能がそうさせるんではないかと勝手に結論づけています。しかも今年はワタシの実家・松山でですね、沖縄が生んだサウダーヂ・ヴォイス、比屋定篤子さんのライヴが14日(土)に入っておるわけでございますよ。もっと言うと、超内輪ネタで恐縮ながら、同日に中学時代の同窓会もセットされており、まあどのみち帰省したとて二者択一のジレンマにさいなまれるわけなんですけど。今回は都合によりそのどちらも叶わぬかと思うと、毎年恒例の「蒼ざめた八月」が余計に辛く感じられる今日この頃。
かといって、万難を排し捨て身の覚悟で松山へ帰ったら帰ったで、今度はサウダーヂ過剰摂取により甚だ心が掻きむしられ、名古屋に戻ってからもしばらくは脱け殻状態が続くという、店主どんだけヤワなんだよ、と笑われそうな体たらく。
ハイ、ただのノスタルジアなんでございます。おれ一体どうしたいんかな?(笑)

しかしそういうココロネの部分における要因がいったん掴めれば、対処の仕方も見えてこようというもの。
そんなわけでよーやくのぜじろぐ復帰でございます。大変失礼致しました。

さて。
最近ぜじろぐ記事で頻繁に顔を出しているDi Giorgioのヴィオラゥンちゃんですが、9月アタマにまた入荷するよう手筈を整えました。オーダーアイテムは
MASTER
AUTHOR3
TALENTIII
CLASSICO38 SETE CORDAS
ESTUDANTE18

以上5アイテム、計8台でございます。
現在も在庫ストックのあるTARREGAちゃんにCLASSICO38TMを合わせると、かなりのラインナップをカバーすることになります。

さて、上述のTARREGAちゃんについて。
これはジョアン・ジルベルトじいちゃんの愛器レプリカモデルとしてつとに有名な機種でありますが、実は裏技として、こういう使い道もあります。
それは、レニーニのような音、そしてプレイスタイルを目指している方。
つまりワタシのよーな人でございます。

レニーニについて印象的なギターサウンドといえば、何と言っても1993年(だったっけ?)の超名盤、Olho de Peixe(魚眼)で聴かれる、あのパーカッシヴにしてどこかくぐもった陰のある音色。
そう、我が兄貴レニーニ、このアルバムの録音には彼自身の愛器でもあるTARREGAブラックヘッドを使用しているのです。


(証拠写真。ってレニーニのお顔が見えないんですけど)


(証拠写真2。『具合が悪ければ 治せ/真実なら 誓え』)

既に伝説となって久しい97年のレニーニ&スザーノとしての来日時、YAMAHA APX10Nのエレガットを彼は使用しており、それを強く記憶されている年季の入ったファンも多いかと思いますが、あれが真のレニーニサウンドではありません。彼の音、それは何を隠そうこのTARREGA。これ真実。
TARREGAちゃんとAPX10N、その両方を所有したことのある店主が実際に「魚の目」、もとい「魚眼」のレパートリーを弾いてみて言うのですから間違いございません。


('97年、若気の至り。ベースがDJ El Gordoの大学同期、ドラムはおーたまるの弟御。よう見たら凄いメンバーやな)

あのオーバルサウンドホールのTARREGAちゃんを抱き、名曲の数々「Acredite ou não(君が信じなくても)」「O último pôr do sol(最後の日没)」「Miragem do porto(港の蜃気楼)」「O que é bonito(美しいものとは)」「Mais além(遼遠なるもの)」どれを弾いても、このヘタっぴのワタシが弾いても、レニーニの音がします。
ちなみにレニーニは常に深爪状態にしており、指の腹で引っ掛けるようにして弾き、ダウンピッキングの時はフラメンコでいうラスゲアード気味の弾き方をしておりますので、通常の爪弾きとは全く異なる演奏法であることを強調しておきます。

TARREGAちゃんのエラガットバージョン、じゃない、エラガットって何よ。エレガットバージョンのTALENTIIIで弾いてもかなり近いニュアンスの音が得られますので、ライヴとかでアクティヴにパフォーマンスしたい方(というのが日本でどれだけいらっしゃるか全く見当もつきませんが・・・)にはうってつけのキス、じゃなくて機種といえます。いかんなあ、最近アイソレーションタイプのキーボードに替えたんですが、タイプミスだらけでワタシとは相性最悪のようです。買い直そう・・・。

そんなわけでそのTARREGAちゃん、クラシカルペグ仕様/デフォルト仕様が1台ずつ、日本に来てから半年ちょっと経過し、ネックの具合もきっちり安定してまいりました。
このへんでおひとつ、いかがでしょうか?(※TALENTIIIは9月入荷までお待ち下さいませ)
ボサノヴァギター愛好家・ジョアンファンのみならず、いっちょ隠れレニーニファンの顧客層にもアピールせねばと思いつつ、店主個人の趣味丸出しで記事を起こしてみました。


('98年レニスザ二度目の来日時、プラッサオンゼにて。青臭いツラした店主を笑って許して)

死ぬまでにいっぺん「魚の目」完コピライヴやりたいなあ。