ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

歌う店主

2006-04-28 15:03:16 | ライヴ

というわけで手前味噌ながらライヴの告知をば。

5/28(日)、名古屋・今池の得三(Tokuzo)にて、ピカリズモ(from大阪)をメインアクトに、店主の所属する中日本フォホー団も出演させていただくことになりました。得三はもちろん、名古屋でも珍しいブラジル音楽系バンドだけで固められた一夜ですので、クセのある(笑)ブラジル音楽がお好きな方は必見ですぞ。「ボサノヴァしか聴いたことなくって」という方もイチかバチかのノリで是非ご覧下さい。何か目の前の世界がパァッと開けるかもしれません(←口から出まかせ)。

特に「男前サウンド」の異名をとるナニワのねーちゃん軍団・ピカリズモの演奏はなんせ名古屋初ですから初モノ好きにもいいですね(何がだ?)。演奏にムラっ気のある中フォ団も大阪から東京から助っ人メンバーをお呼びして賑やかにやらせていただきます。「やらさしていただきます」とか言ってる人いませんか。ダメですよそんな日本語使ってちゃ。

ピカリズモのサイトはこちら
会場である得三のサイトはこちらでございます

開場18:00、開演19:00。ちなみにこの日サンバタウンは臨時休業です。すみません。
前売2,300円、当日2,800円。前売券はサンバタウンでも発売中です。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

身悶えするワタシ。

2006-04-26 18:03:11 | CD

前トピック「マリーザ・モンチ新作を斬る!」でフヌケなところを露呈してしまった感のある店主ですが、モンちゃん新譜を始め今日入荷した商品を捌きながら「これでしばらくこの2枚を超えるアルバムは出てこないだろうなー」と思っていたところ、それからわずか30分後にしてその考えをフッ飛ばす1枚が登場。女性アーティストMônica FeijóのSambasalaという作品です。

サンバでショーロでほんのり北東部の香り。そうでした。これが、これこそが今の店主の秒殺ゾーン。やられました。今日もヒマな店の中でひとりのた打ち回りました。サンバが好きでショーロが好きで北東部もイケるアナタ、是非試聴にいらして下さい。一緒に店で七転八倒しましょう。ついでにショヴィシュヴァ関係者の皆さんも靱公園あたりでのた打ち回って下さい。いや~それにしてもバックのカヴァコたまらん。ていうか演奏全部。いや極楽極楽・・・げえっ、ムンド・リヴリS/AのSamba do misterioなんかやってるっ!

そうでした、ワタシ、ブラジリアンロックも得意中の得意なんです。こりゃ最強だあ。

マリーザ・モンチ新作を斬る!

2006-04-26 16:53:56 | CD

待望のモンちゃんことマリーザ・モンチの同時発表の新作2タイトルが到着しました!国内盤の発売は5/17に決定しているのを横目に、こちらは身を切る思いでブラジル盤をテスト入荷した次第ですが、さて中身やいかに。


・・・き、斬れない。

モンちゃん・・・。やはりブラジル音楽ファンの誰にとっても永遠の歌姫です。
歌は言うまでもなく完璧で、曲も書くはプロデュースもするは、おまけにルックスはいい性格はいい(会うたんかい)、非の打ちどころがないとは正にこの事。アルバムの内容はここであれこれ述べるのも野暮なので書きません。書く必要ねえッス。

それよりも現地ブラジルですら通常CD価格より10レアルも高い価格設定にしやがって、しかもどこかの日本のレコード会社みたいに2枚同時発売という小癪な手段に出たブラジルE*Iをとことん斬って斬って斬りまくりたい気持ちです。おかげで輸入盤販売業者は1枚で2枚組並の値段をつけざるを得ません。そんなん誰が買うっちゅうの(いや、買う人は買うと思うけどね)。国内盤が2,500円でリリースされるというのも気に入りません。プンスカ。いま店主がカラオケボックスに行ったとして、またその曲が用意されていたとすれば、間違いなくセックス・ピストルズの「拝啓E*I殿」をがなりたてることでしょう。曲間で「てめえらの目障りなCCCDマークのついたCDのおかげでウチの試聴マシンの調子が悪くなっちまったじゃねえかバカヤロー」とか血が出るくらい叫ぶかもしれません。でもあまりやいのやいの言うとどこかから「あまりそういうことは表立って言わない方がいいよ」とかたしなめられかねないのでこのへんにしときましょう。プシュー(ガスを抜く音)。

いいのです。輸入盤であろうと国内盤であろうと、モンちゃんのこの完全無欠の2枚でもって日本のリスナーにもっとブラジル音楽が浸透しさえすれば。そこからがサンバタウンの仕事です(完全に負け惜しみ)。ああ、モンちゃん・・・。

わたしはここにいます。

2006-04-21 00:49:03 | CD

サンバタウンの地元の常連客さんの嗜好はどういうわけか圧倒的にギターものが多いです。類は友を呼ぶのでしょうか。

それはともかく、ウチのCDの売れ行きは相変わらずさっぱりです。原因は言うまでもなく店主のプロモーション不足と、あと挙げ始めたらキリがなくて自己嫌悪に陥ってしまいそうなのでこのへんにしときますが、とにかくまあDVDも含めこの1000タイトル近いラインナップはここ名古屋にあって宝の持ち腐れ状態になっていく感があり、店主ひそかに危機感を抱いております(遅い?)。本来でしたら通販サイトにばんばんアップすれば全国のお客さんにも訴求できるでしょうに、残念ながら約1000タイトルの商品アップロードを独りでやるというのはかなり難行苦行なわけですね。現在あえてそれをやろうとしてますけど。いつになるかはわかりませんが、請うご期待。

というわけで、サンバタウンのCD什器に半ば埃をかぶった状態で堪え難きを堪え、忍び難きを忍んでいる可愛いCD達を紹介します。まず左上:ヌーヴェル・キュイジーヌ。サンパウロ発ヘンテコリン屈折サンバ調グループ。右上:エドゥアルド・グヂンの1st。この殺伐とした世の中、貴方の中で張り詰めていたものが一気に解けてホロリ涙する癒し系極上都会派サンバ。左下:アナマリア&マウリシオの1st。ポップコーラスデュオかくあるべしといわんばかりの怒涛の傑作。エルメートも参加した2ndは既に廃盤。アウ。右下:パウリーニョ・ノゲイラによるブラジル歴代名ギタリストの作品集。構成、熟成感、哀愁度のどれをとっても文句なし。とまあサンバタウンにはこんなんが悲しくも日の目を浴びずに寝かせられております。そのうち発酵しちゃうゾ。

名古屋以外にお住まいの方で血眼になってこれらをお探しの方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。通販アップまで待てない、という方はお気軽にメールにてお問い合わせ下さい。文頭あいさつもなし、名も名乗らずいきなり質問だけしてくるといったクソ無礼なケースでない限り、店主いつもの営業スマイルをメールテキストに込めて応対させていただきますでございます(ニコッ)。

悔い改めよ!CDジャケ

2006-04-18 19:18:20 | CD

とチクタクマンは言ったかどうかわかりませんが(またしても意味不明な発言)、今回もCDジャケネタをいじくってみたいと思います。
「大阪を悔い改めよ!」とはノボス・ナニワーノスのキメ台詞ですが、店主もよくそれにあやかって「名古屋を悔い改めよ!」とか調子こいて言ったりします。しかしそれは単にマニアな音源が地元では売れていないことを責任転嫁しているだけであることを店主は自分自身でよくわかっています。己を知る、ということはやはり大事で・・・書いててなんだか泣けてきました。クスン。マーイ。

さて。
そういうわけで今日ワリとあっさり入荷してきたホメロ・ルバンボ(ギター)とマウロ・セニージ(フルート&サックス)のインストデュオアルバム"Paraty"、の、ジャケをご紹介しましょう。

どうですこのヒドさ。97年のNY録音だそうですが、いかにもレコーディングの合間におのぼりさんなマウロをNY在住のホメロが観光案内している最中にテキトーに記念写真を撮ったやつがテキトーにそのまま採用されたって感じのジャケ写ですね。構図の左右バランスもイケてません。ましてやただでさえコワモテの二人が二人ともグラサンなんて許しがたい暴挙です。ホメロは太ったジョージ・マイケルみたいだし、マウロに至っては服装といい生え際といいほとんどキース・リチャーズなみのロクデナシな風貌に二の句が継げません。ジャケの中を見てもクレジットのフォントとか、はっきり言いますね、こんなもん店主でも自前でその日のうちに作れそうな出来栄えです。NY風の洒落たデザインとかできんかったんかいと思えども、よく見りゃこれブラジル盤。うーむ。微妙。

こんなんがウチの棚に並んでても普通の人はまず試聴してみたいという気にはならないでしょうね。よほどのホメロバカでない限り。しかし店主の身内には意外にそのテの方々、即ちホメロバカが多く存在してますので助かります。たぶん誰かが引き取ってくれるでしょう。ありがたや。

無論、音はもう今さら書くのもアホらしいほど素晴らしいです。それだけにダメダメなジャケに包まれたブラジルのミュージシャン達の素晴らしくて素晴らしくて素晴らしい作品を見る度に「それでいいのか?!」と思わずツッコミを入れたくなる、でも打開策は特に提示しない(できるわけがない)、そんな無責任一代男な店主であります。

あ、申し遅れましたがこのCD、こちらで試聴できますべ!(Media Player)
※メニューのDiscografia(Discography)をクリックするとこのジャケが出てきます(笑)。

春の源之新フェア開催中

2006-04-16 17:23:56 | 打楽器

春です。春といえば我らがパーカッショニスト・安井源之新(意味不明)。
店主、この度ゲンノシンさんを無理矢理口説いて彼のUSED愛器(中には未使用モノもあり)をラッチーしてきました。マニア垂涎のアイテムが勢ぞろいです。

まずは日本におそらく2セット、つまり現在当店内にしか存在しないであろう写真の「ゲン・ドラム」。源之新さんがGOPE社に特注で作らせた画期的なパーカッションです。
まず真ん中のホワイトヘッドのタイコ。リムレス深胴スネアとでもいうべき設計で、スナッピーを外せばチンバウのような音が、スナッピーをONにすればカイシャの音が出ます。また両端のタイコはチューニングを変えてスルドの1・2の音を出すことが可能です。圧巻はこのゲン・ドラム、素手でもスティック(またはバケッタ)でも演奏することができるという点。それぞれフロアタムに付いているようなスタンドで固定しますが、座奏で抜群のパフォーマンスを発揮します。ブラジル音楽系のパーカッショニスト/ドラマーにはうってつけの楽器といえるでしょう。写真のようにシンバルもセットし、他の小物打楽器と組み合わせれば最強です。ちなみにこのゲン・ドラムは上述の3台セット(スタンド&ソフトケース付、シンバルはついてません)で79,000円。もうひとセットはバラで提供しております。

その他特注極上脚付きスルド(18"&20")、目利きされたフルサイズタンタンや最高の使い勝手の10"コチンバなど面白楽器が目白押しです。また彼のパンデイロコレクションからも数台引っ張ってきております。あれ、なんだこりゃ。Pombos da Paz・・・マルコス・スザーノの当時のスペアパンデイロじゃありませんか。凄いのが混じってますね。

というわけで春の源之新フェア、特に告知もなく通販のアップもさっぱり進まず、勝手にサンバタウンでスタートしております(そういうのをフェアと呼んでいいものかどうか)。お近くにお住まいの方は是非現物をご覧にいらして下さい。

あの音がふたたび。

2006-04-12 19:23:48 | CD

皆さんはマリオ・ジル(Mario Gil)というアーティストをご存知ですか?
サンパウロの人で、日本ではほとんど無名ですが、店主はこの人の音楽が心の底から大好きです。
ほとんど弾き語りで、後ろに微かなパーカッションが入る程度の静かな音楽です。
声の質でいうと、ドリ・カイミとヘナート・ブラスの中間、といった感じの温かみのある歌を聴かせてくれます。またギターの音色はこの人ならではの独特の響きとサステインがあり、店主はその魅力に取りつかれています。

そのマリオ、98年にContos do marという傑作を発表しました(店主は2003年に初めて耳にしています)が、この素晴らしく美しい作品はすぐに廃盤となり、またそれ以来マリオの新作は出ていないようです。サンバタウンではかつてこのContos do marを2枚だけ入荷しましたが、耳の肥えた馴染み客2人(いずれもCafe Dufiさん関係)にさっさと持って行かれて、あとはいくら取り寄せをかけてもブラジルからの返事はなしのつぶて。店にはそのサンプルCD-Rだけが1枚、さびしく棚に収まっています。

そんなこんなでマリオの話も聞かなくなって久しい今日この頃、コンスエロ・ヂ・パウラという女性アーティストの旧譜再発盤が2タイトル入荷してきました。写真はそのうち新しい方で、2004年作のDança das rosasというCDです。
この人もまた素晴らしいミュージシャンで、店主は彼女の作品が一気に2枚も試聴できるかと思うと嬉しくて地に足が着かぬ思いでした。

そして再生すると、芯の通ったコンスエロの声の後ろから、懐かしいあのギターの音が・・・。
ハッとするが早いか、ジャケットの中に記されているであろうクレジットを探しました。

あった。
violão e violao de doze cordas, vocal : Mario Gil と。
思わず涙が出そうになるのをこらえて、深くため息をつきます。
そしてもうひとつのアルバム、Tambor e florにも彼は参加していました。
サンバタウンを始めて以来、ずっと無意識のうちに追いかけていた音。
こんなところで、ようやく見つけた。

店主が今いちばん来日してほしいと願っているのがこの2人で、もし叶うならばなんとしてもデュオで来てくれないかなと勝手な願望を抱いております。幸いマリオは今年に入ってからもサンパウロのSESC等でライヴをやっているようで、現在も活動を続けていることがわかって嬉しい限りです。

ところでこのマリオのContos do mar、彼のサイトを調べているとなにやらTratoreから再発になっているような気配が。むむむ。これは絶対に捨ておけません。取り寄せを頑張ってみたいと思います。またコンスエロ・ヂ・パウラのCDは3枚いずれも好盤ですので、「アコースティックで美しいブラジル音楽」をお求めの方は是非一度耳にしてほしいと思います。

雨の日はサンバタウンへ

2006-04-11 19:38:42 | 連絡事項

名古屋は今日も雨です。
せっかくの桜の時期なのにお天気も無粋なことをなさるもんでございます。もう花もほとんど散ってしまいましたね。店主はもはや花見とは無縁の生活を送るようになって久しいもんですからさしたる影響はありませんが、ていうか西日本の方は大丈夫ですか?実家の愛媛はふだん水害とは縁の薄い地域ですが、今どうなってるんでしょう。

さて、そういう雨模様の名古屋・いりなか、当然ながら来店客は友人1名ときれいなおねえさんが1名、まあほとんどゼロといって良いですね。いつも通販の出荷でお世話になっているヤマト運輸のサービスドライバーさんは「雨は鬱陶しいけど届け先の在宅率は高いんだよねえ」とか言ってましたが、店舗営業という観点からは悲しい限りです。

そんなわけで、サンバタウンは雨の日はコーヒーが無料です。何杯でもOK。とはいえエスプレッソにも等しいブラジルのカフェジーニョですからおかわりもキツいとは思いますが、なんにせよ雨の日・風の日・雪の日・雷の日はコーヒーサービスデーなのです。いつからかって?今日からです。今ワタシがそう決めました。更には毎週木曜、天候に関わらずレディースデーと名打ってこちらもコーヒー無料。この曜日はあの「ヤマンドゥにお持ち帰りされそうになった(かもしれない)」というプチ伝説を残した週イチ店員わっきっき(♀)が出勤しておりますので、女性も安心(何が安心なのだ?)しておしゃべりなどしつつ長居できます。これも今そう決めました。経営はスピードが命なのです(←ちょっとカン違いしてる)。

雨に限らず悪天候の日は外を歩いててもあまり楽しいものではありません。休日に至ってはお部屋でついつい無駄に時間を潰してしまった、なんてこともあるでしょう。そんな時にこそサンバタウンへどうぞ。きっと店主がヒマそうにしています。そこで外の荒れた天気をよそに、コーヒーなど飲みながらテーブルでごゆっくりとブラジル音楽の試聴などお楽しみ下さい。

おや、明日以降も曇天ですね・・・。そんなわけで皆様のご来店をお待ちしております(笑)。

石垣島に行こう

2006-04-09 17:29:28 | 日記

特に店主が近々石垣島に出かけるというわけではありません。単に行きたいなあ、と。
ワタクシここんとこさっぱり太陽の光を浴びておりません。夜行性の生活習慣では決してないのですが、ひとり店番をしていると外の空気を吸うのもままなりません。おまけにウチ明かり取りの窓とか付いてませんし。たまには皮膚ガンにならない程度に太陽光線を思い切り身体に照射させてみたいものです。
それにしても石垣島には一度だけ出かけましたが、いやあ、当然ながら素晴らしかったですね。次に行けるのはいつになることでしょう。

さて。
そんな店主の憧れる石垣島に、こんな店が誕生しているのを皆さんご存知でしょうか?
その名も「Papa Bigode(パパ・ビゴーヂ)」。オーナーの村上さん(通称チーパパ)はその昔(昔ちゅうほどでもないか)名古屋のサンバチームUnidos do UrbanaのVelha Guardaだった方ですが、何を思ってか突然それまでの生活を全てリセットし、彼は石垣に移住しました。そしてこの店を昨秋オープンさせたのであります。

チーパパは当時からとても趣味の良い方で、そのセンスを活かしてか店構えもさりげなくオシャレで綺麗。カシャッサ類はVelho Barreiroはもちろん、YpiocaもNega Fulôも置いてます。メニューはコテコテのブラジリアンフードで固めきってはおらず、ほどよく日本の創作料理を織り交ぜているあたりに絶妙なバランスを感じます。と見てもないのに偉そうに語る店主。店内にはサンバタウン支給の(笑)、吟味に吟味を加えし極上のブラジル音楽が絶えず流れ、100インチスクリーンにはDVD等のライヴ映像がどどーんと、ばばーんと映ります。「アルシオーネのライヴDVDがまたハマるんだわー」とはチーパパの弁ですが、怪獣アルシオーネのアップを100インチで見たいとは正直思いません。そして至るところにサンバ楽器が。ヴィオラゥンやカヴァキーニョもあります。カヴァ子もサンバタウン支給(笑)。パゴーヂセットは一通り揃えて島に送った記憶があります。またここではお約束通りブラジル音楽系アーティストによるライヴも定期的に行われています。確か今月末は関東からITA e KAZÚが来る(ていうか行く)はずです。腕利きミュージシャン達はライヴブッキング要チェックですぞ!

店主は一度日本中のブラジル音楽ファンを募って、石垣島ツアーを組んでみたいと思っています。2泊3日くらいで酒池肉林、いや肉はないか、まあとにかく遊んで泳いで寝転んで飲んで食って歌って踊って叩いて弾いて騒いでどんちゃんどんちゃんわはははは的パラダイス銀河な旅行を夢見ておるわけであります。もちろん宴の場はPapa Bigodeです。パゴーヂあり、ホーダ・ヂ・ショーロあり、島の方々も一緒になって、音楽があることの幸福と平和をいやっちゅうほど堪能したいものです。

そんなわけで、ブラジル音楽ファンを自負する貴方、石垣島にお出かけの際はぜひともPapa Bigodeにお立ち寄り下さいませ。以上、ぜじろぐを濫用しての大々的宣伝でした。ちなみに広告代は出ていません(笑)。


リオ最強(自称)のカヴァキーニョ到着

2006-04-05 19:08:51 | 弦楽器

おお、ぜじろぐカテゴリでようやく「楽器」の話題が満を持して(持してたの?)登場です。今回はカヴァキーニョ(以下カヴァコ)の話を。

よく「どこのカヴァコが良いか(好きか)?」という話題になった際、サンパウロ派とリオ派に分かれます。サンパウロですと店主の知っている限りでは、
・JB(João Batista)
・Carlinhos ※06/10訂正:工房はミナス、代理店はサンパウロというのが正解でした
・Ariass
・Manoel Andrade
・MATER
といったところで、中でも上から三つ目までは日本でもポピュラーです。特にJBについてはその音と仕上がりの素晴らしさ(但し値段もメチャ高)でファン垂涎の名器といえましょう。ちなみにRozini, Del Vecchio, Gianniniの3社はいわゆるメーカー品です(もっとも最上級機種あたりですと専任の職人さんが造ったりしてます)。

しかしながら、やはり皆が憧れるのは本場(何がどう本場なのかよくわかりませんが)リオの職人さんの手による弦楽器でしょう。特に日本においてDo Soutoの名声は揺るぎないものになっています。これは特に70年代から80年代の前半にかけての製品が経年変化も併せて極上の音を出す名器と言われているからではないでしょうか。店主も少し前に何かのオークションで、このDo Soutoの70年代モノが日本円にして約15万円という値段(ブラジルでですよ!)をつけられていたのを見てびっくらこいた記憶があります。ここ毎年来日してくれている5 no choroのカヴァコ奏者、ルシアーナ・ハベーロの愛器が正にこれ。70何年モノだったかせっかく聞いたのに忘れてしまいました。彼女曰く「これはぜったい誰にも譲らない」と言ってたのが印象的です。Naaaaaão, とかゆってましたもんね。この他にも、Jo Nunes, Barrosといった職人さんがいたりしますが、これらのオーナーさんはまだ日本で見かけるのは稀です。

そんな中、5 no choroのルシアーナやマウリシオ・カヒーリョ(7弦)らが「リオで今いちばん良い職人さんはどこ?」という店主の質問に対し、口を揃えて答えたのが

「Rogério Santos!」

とのことでした。ホジェーリオ・サントス。職人さんの名前はRogério dos Santosですが、ブランド名はRogério Santosといいます。さて、本日この職人さんの手による楽器が2台入荷して参りました。メイプルとハカ(モゴモゴ)胴のものです。

2006年製、出来たてのホヤホヤなので音はまだまだ硬そうですが、それでも音のデカさが違う、粘りが違う、甘さが違う。JBに比べると細部の仕上げが粗いのがご愛嬌ですが、良い味出してます。特徴はネックがやや薄く、Carlinhosに代表される三角型ネックとは対照的です。このへんは好みが分かれるところでしょう。マニアな話になりますがYAMAHAのエレガットAPXシリーズをご存知の方なら「ああ、あのネック形状か」とご理解いただけるでしょう。あの薄さです。また同型器を比べて見ると、使用木材だけでこうも音が違うのかと驚かざるをえません。店主は最初「ハカ(むにゃむにゃ)が甘め、メイプルが明るめ」の音だと思い込んでいたのです。昔フェンダー社のエレキギターのネックでローズウッドとメイプルを使用しているのを見た影響が強いようです。JBはいざ知らず、Rogério Santosに関しては全く逆でした。ハカ(ゲップ)の音が「いきなりベアナックルでストレートパンチを浴びたようなインパクト」とすると、メイプルは「いつの間にかマットに気持ちよく倒れていた」といった感じの音なわけです。すみません、全然言っている意味わかりませんね。つまり、前者がスパーン!ガツーン!といったアタッキーでパワー剥き出しの音なのに対し、後者は輪郭がフワッと柔らかくもいつの間にかスッと立ち上がってくれる音のように(ワタシには)感じられました。ともあれこのへんは個人の感覚によるところが極めて大きいので、実際に手にとってお試しいただければと思っております。

それにしてもみんなどうしてリオの楽器に惹かれるのでしょう。音でしょうか?仕上がり等の風合いでしょうか?サンパウロが大都会・東京だとすると、リオはまさに大阪。カリオカ訛りもある意味関西弁に近いものがあります。まあ関東風お雑煮か関西風お雑煮のどっちが好きか、みたいな議論と似ているかもしれません。しかし要は本人のお好み次第。音の相性、実際に持って弾いてみた時の「おお、これは・・・」という出会いの予感。そういったところで予算と相談しながらチョイスしていただくのがやはりベストなのではないでしょうか。

そんなわけでサンバタウンは日本で唯一の「ブラジルの職人さんが造った楽器の弾き比べができる店」を目指して今後も頑張って参ります。遠方からのお客様は何かの折に無理にでも用事を作って是非お越し下さいませ(名古屋はカヴァコ/バンドリン/7弦ギター人口が極端に少ないもので・・・)。

Rogerio Caetano新作を斬る!

2006-04-01 16:30:33 | CD

さて、申し遅れましたがサンバタウンは本日より事業内容を変更しました。
詳しくは弊店サイトをご覧下さいませ。
気分一新、これまで以上に頑張りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて(笑)。
ヤマンドゥとはまた違った強烈な個性を振りまく新進気鋭の7弦ギタリスト、ホジェーリオ・カエターノの新譜がようやく到着しました。今の名古屋(っちゅうか当店の常連客たちの嗜好)にピタリとハマる快作です。毎回ぜじろぐにアップというところまではいきませんが、今回はこのアルバムの中身を、参加ミュージシャンを中心に解きほぐしてみましょう。どんな作風かをイメージしていただければ幸いでございます。

まず1曲目。
Rogério Caetano - sete cordas
Claudio Jorge - violão
Mauro Diniz - cavaquinho
Amoy Ribas - pandeiro
Marcelinho Moreira - repique de mão/ tan-tan
ここで「おお、イカすサンバ調・・・」と胸がときめいた方はかなりの通。クラウヂオ・ジョルジは確かヴィラ・イザベル畑の人。良い曲書きます。マウロ・ヂニスはご存知モナルコの息子。ちなみにマウロの娘Juliana Dinizのデビュー盤、これは素晴らしいのでモーホ系サンバファンは是非ご一聴下さい。モナルコの合いの手一発で昇天できます。マルセリーニョ・モレイラはパゴーヂ界では要注目のパーカッショニスト。ヘピマン叩かせればウビラニーも顔色を失くします。余談ながらこの人、ウチで入荷しても入荷しても瞬時に売り切れる破竹の勢いのArranco de Varsóbia "Na cadência do samba"というCD(フリーペーパーMPB097号でも店主がコメントを書かせていただいてます)で最高にグルーヴィなパーカッションをキメてくれています。というわけでこの青年、ただの高速ショーロマシンというわけではなさそうだということが予感できます。でも再生したら物凄かったです、7弦のランニング(苦笑)。

さて、お次は2曲目。作曲はマウリシオ・カヒーリョですね。
Rogério Caetano - sete cordas
Mauricio Carrilho - sete cordas
Luciana Rabello - cavaquinho
Celsinho Silva - pandeiro
Pedro Paes - clarinete
Rui Alvin - clarone
Marcelo Bernardes - flauta
このあたりはもうおわかりですね。お馴染みのアカリ軍団がバックを固めている、さあ答えは、どうでしょう?(児玉清風)
「・・・保守派、ショーロ?」
その通り!
更にはRui Alvinはテレーザ・クリスチーナのバックで流麗なクラ吹いている人です。ポイントが加算されました。Marcelo Bernardesはワタシの記憶が確かならばっ(鹿賀丈史風)、よくリオのショウで熊本尚美さんの隣でピッコロ吹いてる巨体の兄ちゃんだったような気がします(注:完全な間違いであることが後日判明)。バリバリのトラディショナルショーロがかえって骨太な印象を受けましたね。お見事!(再び児玉清風)

3曲目はなんと!世界のヤマちゃんこと、あのヤマンドゥ・コスタと7弦デュオです。クレジット見た瞬間から笑いが吹きこぼれそうです。これはさすがに二人で爆走カーチェイスならぬギターチェイスを繰り広げると収拾がつかなくなってしまうのでこのようにぐっとスローに絡む曲を敢えて録音したのかもしれません。でもいっそのことハチャメチャなコンビプレーも聴いてみたいものです。

6曲目に飛んでみましょう。ははあ、これは凄そうですね。
Rogério Caetano - sete cordas
Marco Pereira - violão
Amoy Ribas - pandeiro
Marcelinho Moreira - repique de mão/ tan-tan
マルコ・ペレイラといえば「飛んで火に入る夏の虫」状態のお客様がウチには10名以上いらっしゃいます。これはどうでしょう。おお、軽快なテンポながらまるでギンガのような微妙なバランスのメロディがマニア心をくすぐります。マルコ・ペレイラのプレイは一聴してそれと気付くほどきらびやかな存在感を放っています。

それから10曲目。
Rogério Caetano - sete cordas
Fernando César - violão
Alencar - violão
Zé da Velha - trombone
Silverio Pontes - trompete
Pedro Vasconcellos - cavaquinho
Valerinho - pandeiro
Leander Motta - percussão
もうゼー・ダ・ヴェーリャ&シルヴェリオ・ポンテスがコンビでトロンボーン&トランペットを担当するとなると、はい、お約束のガフィエイラ的サロンミュージック的ゴージャスショーロの出来上がり。こういうのが1曲入るともうグッと内容に「濃さ」が高まってたまりませんね。最近店主この二人ホントに好きです。

あとは至るところにHamilton de Holanda(10弦バンドリン)の名が。今や現代ブラジルインストミュージックにおいて彼を知らないというのははっきり言ってモグリ。このアミルトンとホジェーリオはTrio Brasilia Brasilというトリオの頃からの盟友。息もぴったり。ていうかなんでそんなスピードでシンクロするのか不思議。もっと言うと不気味。超絶という形容が彼の前ではむしろ陳腐すぎます。

ちなみに上記クレジットの中で名前を挙げなかった人達が誰なのかは恥ずかしながら存じません。きっと熊本尚美さんだったらリオであちこちのホーダ・ヂ・ショーロとかの場を通じて皆とお知り合いなんだろうなあ。いいなあ。羨ましがってどうします。それはさておき、サンバタウンではいつもこのように店主が入荷商品について演奏陣やプロデューサー、本人コメントや献辞とかを確認し、どのような作風か、どんなお客さんにぴったりかを整理して(実際は整理してないんだけどね)来店客にご案内するようにしています。コンサルティング営業っちゅうやつですね。手間がかかる作業ですがとても勉強になりますし、見事お客さんを撃沈させた時は大変に嬉しいものです。と言うワリには店頭陳列盤にはほとんどオススメPOPとか挿してません。こりゃ本末転倒ですね。反省します。