ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

時にはブラジリアンロックを

2009-11-26 19:23:01 | DVD

こんにちは、プリンスです。書いてすぐさま恥ずかしくなりましたが、嘘です!

昨夜はワタシの所属するマニアックMPBバンド、Sapato Novoの練習に行ってまいりました。
とある事情でFolhas secas(枯葉)というあまりに有名なサンバの名曲を演奏することになったのですが、今やブラジルでFolhas secasといえばむしろこちらの方が有名なんではないだろうかと、ふと思ってしまいました。

その名もマスカーヴォ(Maskavo)。マスカーヴォ・ルーツ改めマスカーヴォ。芸能人やアーティストがいろいろ改名をするのってブラジルも日本もあんま変わらんですね。
それはそうとこのマスカーヴォ、デビュー当時はやたらやんちゃなポップバンドだったはずなのに、いつの間にやらこんな大物感漂うグループになっちゃってまあ。アクースチコのライヴなんかキメちゃってます。

でもカッコいいですね。実にメロディアスですね。
店主、こう見えてもチタンスとかシダーヂ・ネグラとかオ・ハッパとかチャーリー・ブラウンJr.とか、ロック系のバンドのアクースチコライヴDVDって実はめッちゃくちゃ好きなンですよ。
いやもう日本のジャリタレなんぞに比べると、音楽性とか演奏能力というものにおける初期性能がハナから相手になりませんね。
案の定サンバタウンでは売れ残ったまんまですが、こういうのがサッと売れるくらい、彼らのファンが付いてほしいものであります。


(でもこんなジャケではそりゃ売れるモンも売れっこねえわなあ)

急にこんなネタを思いついたのは、たぶん先日の東京詣での時にAparecidaさんにおじゃましたからではないかと(笑)。

オラ東京帰りだべ

2009-11-24 14:42:20 | 日記

厳密には川崎帰りなのですが、こんにちは、三日間でたまった仕事を片付けるべくヒイヒイいっているサンバタウン店主・ゼジです。
というわけで、東京(22日)・川崎(23日)と出かけてまいりました。

東京は回りも回ったり、実に6軒。
マルメラアダ(早稲田)→大洋レコード(神楽坂)→Aparecida(西荻窪)→Alvorada(吉祥寺)と東西線・中央線沿線をバンデイランチのごとく西へ西へと分け入り、返す刀で渋谷へUターン(←『すみません、井の頭線ってJRですか、それとも地下鉄ですか』と交番で尋ねたやつ)、Blen blen blenそして最後にbarquinhoと、ほとんど営業マンの年末挨拶と変わらないような時間配分で、見事目標達成。
チェックインした渋谷のホテルを16:00に飛び出して、夜中の1:00(門限1時ってどんなホテルだよまったく)まで徘徊してましたから、移動時間を含めても一箇所につきわずか90分の持ち時間。各店の皆さんお世話になりました。むぃんとにおぶりがどうございます。
Blen以外はどこも初めておじゃまするところだったので(移転後のマルメさんにもまだ行ってなかったのだ)、ホントに有意義な一日でした。

※補足:ワタシのようなおのぼりさんの場合、上記行程にラティーナ(恵比寿)、中南米音楽(阿佐ヶ谷)等を日中のプランに組み込むことで、ブラジル音楽巡礼・神のコースにより近づくことができます。吉祥寺まで足を伸ばせない場合は、プラッサ・オンゼ(青山)でライヴ&腹ごしらえなどいかがでしょうか。

翌日は川崎に移動。妹夫婦の家で日中のんびり過ごし、夕方に友人の結婚パーティに出席。
新郎新婦(とりわけ新郎)のお人柄が伝わってくる、とても心温まる宴でした。
その場に居合わせられてよかったです。
ひでさん、みっちゃん、おめでとうございます。末永くお幸せに。
そしてこれからもよろしく。

帰りは新幹線の自由席・指定席ともに満席のため(考えてみれば三連休最終日だもんなあ)、久しぶりに客室間の地べたに座り込んで名古屋まで帰りました。でもまあ、のぞみなら新横浜からだと1時間強で着くわけですから、読書したり居眠りしたりで結構あっという間でした。

それにしても、さすがに今日は疲れがどっと出てきてます・・・。

オラ東京さ行くだの巻

2009-11-22 10:02:44 | 日記

こんにちは、いなかっぺ大将です!まんざら嘘でもありません!

明日は友人の結婚式に出席するため、川崎のほうに出没するだす。
少し前に川崎在住の妹の出産もあり、姪の顔を見に行くうえでもタイミングよし。
慶事続きで喜ばしい限りだす。
ちなみにニャンコ先生は一緒じゃねえだす。

せっかくなので本日からトーキョーに前乗りして、これまで伺えなかったところを中心におじゃましてみようと思います。
今年のレオ・ミナックスツアー以来、ワタシにとって東京は裏切りの街ではなくなりましたので、いつもよりやや気分が高揚しております。

さて、どこまで回れるだろーか。

あはははは

2009-11-19 15:34:57 | CD

ボックスだよボックス!(げらげら)
いやあ、第4集までリリースされてたんですねえ。
あ、ご挨拶が遅れました。こんにちは、ブライアン・エプスタインです。嘘です!

さて、正統派ショーロファンからはすこぶる評判の悪いこのシリーズ、その名もBeatles 'n' Choro。内容がわかるすぎるほどわかるタイトルです。

然れども、筋金入りのビートルズファンで、且つこれからショーロに入っていこうという(あるいはそこまで入り込むつもりはない)方にとっては大変とっつきやすい作品であることは全面的に保証致します。杁中店舗時代にも、特にブラジル音楽ファンというわけではないけれど、ウクレレやギターを中心にいろんなポピュラー音楽を演奏するバンドをやってるお客さん(説明ややこしいな)が「何か参考になりそうなCDとかないですかねー」となにげなく訊いてこられたことがありました。

そこでコレ。
バカウケでした。

ソリストはカルロス・マルタ(フルート&サックス)、アミルトン・ヂ・オランダ(バンドリン)、エンヒーキ・カゼス(カヴァキーニョ)、マルセロ・ゴンサルヴェス(7弦ギター)、パウロ・セルジオ・サントス(クラリネット)、ヒルド(以下省略)というもンのすげえメンツ揃い。演奏のクオリティにかけてはもう間違いのない中身になっております。好みは別として(笑)。ちなみに全編インストです。


(こんな曲のラインナップですらい)

邪道と呼ぶ人は呼ばれよ。こういう路線からショーロファンの裾野を増やしていくという戦略、大いにアリだと思います。釣りでいうところのコマセとしては最上の部類に入る作品でしょう。もっとも年柄年中こんなんばっかし演奏させられちゃショラゥン(ショーロ奏者)としてはキツいものがありますが・・・。

しかしこのシリーズだけじゃなくて、例えば
Beatles 'n' Forro
というのや、あるいは
Stones 'n' Choro
とか、
Zeppelin 'n' Choro
とか(語呂悪いな)、
Guns 'n' Choro
とか出ないもんかねー(出ねえって)。

1セット限りの入荷ですので、探しておられた方はお早めにどーぞ

これがまた凄いんだな

2009-11-18 20:26:57 | CD

まずはこの映像をご覧下さい。

声だけ聴いてマリア・ヒタかと思っちゃったよ。

サンパウロを代表する女流作詞家、クリスチーナ・サライヴァ。
彼女の書いた詞にはとびきりのソングライターが曲を献じ、とびきりのプレイヤーが集い、それをとびきりの音楽へと具現化させます。
今回は新作Terra brasileiraで、マヌエラ・カヴァラーロというほとんど無名のシンガーがクリスチーナ作品を見事に歌い上げています。完全にノーマークでした。素晴らしい歌手です。

どこまで凄いんだ、ブラジル。
極上のMPBとはこういうことをいうのだ。なんちて。

スザーノ全開作品

2009-11-17 20:44:35 | CD

こんにちは、あぶさんです。ブフォ。と威勢よく酒を吹いておきながらこういうのも何ですけど、嘘です!なんだかここんとこムチャクチャになってきています。

さて。
いきなりですがマルコス・スザーノの話題です。
今年9月にヴィトル・ハミルとカチア・ベーを連れてイカしたショウを披露してくれたスザーノでしたが、そのスザーノのファンの中にはこんなことを考えている人もいるハズ。

「・・・なーんか最近のスザーノっていろいろやってるワリにはパンデイロあんまし叩いてくんねえよな。アルバムのパンデイロの音も昔に比べて、生々しくないっちゅうか、なんかこう、もっとこう。
 あ~あ、ベンジャミン・タウブキンの昔のソロアルバム、あれ何てったっけ、『大地と空間』?みたいなさ、ああいうモダンショーロみたいな感じのインスト音楽でパンデイロとかわかりやすーく叩きまくってくれてる音源とかねえもんかなあ・・・」

はい。
これがそうです

ブラジルの林正樹ことパウロ・ブラガ(ピアノ)、カルロス・マルタとしょっちゅうつるんでいる、つまりスザーノとはピフィ・ムデルノつながりのアンドレア・エルネスト(フルート)と組んだトリオ編成のプロジェクト、その名もTrio 3-63!って一体どう読むんだよ、トリオトレストラッソセセンタイトレスかよ?読めねえよ!

まあつまりは、そういうアルバムです(どういう?)。
収録された曲がショーロ、シャシャード、カポエイラ、ルンドゥ、カボクリーニョ等、それぞれ固有のブラジル伝統リズムで成り立っており、そんなのがてんこ盛り。聴いているうちにブラジルのあらゆるリズムにいつの間にか対応できるようになっているという特典つき(保証はしませんが)。攻める前衛ショーロ。隠れた傑作です。

・・・と書いたところで念のため全曲聴き直してみたら、スザーノがパンデイロを演奏してる割合って、全10曲中3曲だけだったわ、ハハハ!だからゴメン、上の文、ナシね!
でもめちゃめちゃカッコいいアルバムですよ。タウブキン関連のファンの方は聴いて損はありませんぞ。
こちらで1曲試聴できます(3-63 Capoeiraのみ)。

日本酒がとまらない

2009-11-16 17:44:33 | 純米酒

こんにちは、元気良すぎて本日二つめの記事を起こすニール・ヤングです。
「ジャンキーは皆/落ちゆく夕陽のよう」と名曲"The needle and the damage done"でも歌われていますが、ワタシのジャンキー一歩手前の日本酒かぶれには自分でもほとほと呆れ返っております。
おっと言い忘れました、ニール・ヤングというのは、嘘です!(わかってるっての)
でも日本酒かぶれはホントです!

ワタシが今ムチューになっている山形のお酒。
先日など「正酒屋 六根浄」さんから一升瓶を四本オーダーしてしまいました。半ダース注文はもう目の前です。それどころかとうとう沖縄から、ブラジル音楽業界人御用達と囁かれる究極のサプリメント「酒豪伝説」まで取り寄せてしまいました。もう完全にイカれています。



写真左・・・楯野川 中取り純米 美山錦
 ドライ・クリアー・リッチと言われる通り、ただの辛口酒ではありません。口に含んだ瞬間の、ゆらりと川面を遊ぶ尺ヤマメの魚影を想起させる魅惑的な甘味、清冽な渓流を流れる清水のようなノドごし。
 数年前に、かつてプラッサ・オンゼ岐阜で、今は亡きマスター・よっちゃんに当時幻の酒と謳われた「○四○」を、「まあまあええから飲め飲め」とコップにどばどばついで飲ませてもらった時の、あの正に清水のように感じた舌の記憶とダブりました。その「十○○」は、今や香り先行型フルーティ路線まっしぐら。当時に戻ってもう一度あの「○○代」を飲み直せたらなあと思います。

写真中・・・山形正宗 純米吟醸 雄町
 六根浄店主の熊谷さんは「全盛期の井上康生の内股だ!!」と激賞されましたが、この日本酒初心者のワタシですら飲んで唸りました(背景は銀河系でよろしくお願いします)。
 試合開始前の井上康生選手の柔和な表情のようなひと口目の甘味。組んだ瞬間、相手の表情が一変するような凄みある味の広がり。
 そしてあっという間に投げられ。
 後口のぐうっと切れていくさまは、まるで開始線に戻って一礼する、武道の礼節さえ感じさせます。
 「雄町は野性的な味」といろんなところで書かれているのを先入観でもって見ていましたが、そんなイメージは見事に吹っ飛ばされました。いやとにかく旨い!

写真右・・・純米酒 六根浄
 ワタシが勝手に「レギュラー六根浄」と呼んでいる、日々の友。
 甘味・酸味・辛味・苦味・渋味の五つ(『旨味』というのも加えれば六つ)の味覚要素を分布グラフにするとしたら、この六根浄はオール3か3.5というくらい、見事に均整の取れた味のセッティング。突出したところがない。ていうか味のわからぬワタシなど最初は「あれ・・・こんなもん?」と拍子抜けするくらい特徴のない酒に思えたものです。
 ワタシも当初騙されかけたように、苦味渋味を抑えて甘味や香りを強調した方が今の日本酒市場ではきっと売れるのだろうなと思います。ですが六根浄はその一般ウケしない味の要素をもあえてしっかり乗せてきていることで、平凡な第一印象のあとで「ちょっと待て・・・もうひと口」と、なぜか飲み飽きしない魅力をだんだんと感じさせてくれます。ワタシなどは食事中はもっぱらコレ。
 「本当においしいものは、はじめはそれほどでもない」という極意のようなものを教えてくれます。
 もとは食用米である「はえぬき」を使っているというあたりも、この米でここまでの酒が造れるのだ、という飄々とした心意気を感じます。
 この「レギュラー六根浄」に加え、赤文字ラベルの「プレミアム六根浄」という、山田錦三年熟成のバージョンもありますが、これも凄かったです。「燗化けする」と聞かされていましたが、冷やでいただくと「何の用だ、帰れ」とばかりに無愛想でいかついどこかの門番のような味わいの硬派酒だったのが、まさしく燗をつけた途端になで肩の女性的な味わいに変化するのは何故?!これぞセクシー六根浄。

良い日本酒、といいますか本物の純米酒は本当に素晴らしいです。まず悪酔いしません。ヘンな酒を飲んだ時のぐわッとくる酔いの回りみたいなものがなく、ほんのりじんわりと心地良くなっていきます(もっとも飲み方にもよるけどね)。ただ旨すぎて何合もやっちゃうのが困りもの。それでも食事どきに一献(一献どころじゃねえけどな)、就寝前にも上の三種類からチョイスした一杯を吟味しながら一人でいろいろ思索を巡らすのは、何物にも代えがたい貴重なひとときです。と書くとカッコはいいのですが、薄明かりのキッチンで立ち飲みという姿が生活臭豊かではあります。
 酒の味を極めし我が大先輩からはよく「いろんなん飲んでいっぱい試してったらええで」と(←一発で誰だかわかるよね)アドバイスをいただきますが、あまりのクオリティの高さにどうやらしばらくは山形酒から離れられそうにありません。もっともワタシ自身その土地と人に惚れた、というのも要因として大きいですが、そういうご縁は大切にしていきたいと思っています。

そんな山形で、おお、中原仁さんのブラジル音楽講座があるんですと!いいなあ、マジでいいなあ。これは盛り上がること必至です。お近くの方は是非ご参加あれ。

話変わって、山形正宗を出している水戸部酒造さんのサイトがいつの間にかリニューアルされてました。とてもいい内容です。この素晴らしいお酒を売っている「正酒屋 六根浄」さんは確か12月16日から蔵入りのため、通販時のコンサルティングをお願いできなくなります。日本酒が一番美味しい季節、また一番消費する年末年始を控え、レッツ・買いだめ!

名古屋近郊の皆さんとも一度我が家で日本酒パーティなど繰り広げたいものです。
さあ、今から晩ゴハン。今夜も飲むぞ!ほどほどに!

2009年サンバタウン的ベストDVD

2009-11-16 14:29:32 | DVD

ウオッス!
と必要以上に元気になったサンバタウン店主ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
先週末は実に久しぶりに二日まるまるお休みを取れまして、長いこと会ってなかった友人カップルとのお食事会あり、半年に一度壊れるプリンタ複合機も買い替え、延び延びになっていた家の雑事もあらかた済ませ、遊んでー遊んでーとせがむ小ゼジの相手も適当にこなし、最終日は昼間っから飲んだくれて「ちびまる子ちゃん」の父ヒロシ状態になったりと、まあ要するにすっかりリフレッシュできたというわけです。今週もまた頑張ります!

と風向きがいつ変わるやもしれぬ店主の調子の良さなどはどうでもいいとして、今回の新着アイテムの中で特に印象に残ったやつをひとつ。

リオではピカ一の若手本格派サンバグループ、カズアリーナのライヴDVD。これが凄い。
他の人は知らず、少なくともワタシにとりましては、オープニングのCanto do trabalhador後半部で炸裂するハモり歌に、わけもわからずぶわと溢れる涙。
ワタシはこういうサンバを聴きたかった!
卓越した演奏能力、マッチョにして完璧なコーラスワーク、バンドリン&7弦ギターの入った編成の渋さ、温故知新の見本のような先人達に対する敬意の払いよう。
ベテランリスナーの方々は、ゲストのホベルト・シルヴァとウィルソン・モレイラが壇上に上がる瞬間、間違いなく涙腺が緩みますのでお覚悟あれ。

あ、ちなみにYouTubeでカズアリーナの動画を調べても、隠し撮りによる録音クオリティの劣悪さに判断を誤りますので、参考にはしないで下さい(笑)。

Cafe Dufi CD販売 11月のラインナップ

2009-11-14 19:21:52 | CD

名古屋Café Dufíで好評をいただいている(といいなあと思う)SAMBATOWNのCD販売コーナー、11月のローテーションが既に入っております。
今回は、ヴィヴモン・ディモンシュの堀内隆志さん監修のCoffee & Musicがなんといっても一番の目玉。そして密かに大ブレイクを狙っているのがリオの曲者フレッヂ・マルチンスのGuanabaraという新作。これはボサノヴァファンなら絶対に聴いておいた方がいい傑作です。ヤバいです。タイトル曲など特にエロいです。どうぞご試聴しまくって下さい!

Giana Viscardi & Michi Ruzitschka/ Coffee & Music
・Adriana Calcanhotto/ Maritmo
・Claudio Faria/ O som do sol
・DJ Dolores/ 1 real
Fred Martins/ Guanabara
・João Gilberto/ João Gilberto (73)
・Regina Souza/ Outonos
・VA/ Pernanbuco cantando para o mundo Vol.2
・VA/ Samba novo


ストーブのある風景そしてナナ・カイミ

2009-11-11 02:47:25 | CD

こんにちは、ピシンギーニャです。
嘘です!

いろいろバタバタしてしまうワリには、仕事の手ごたえとしてあまり前に進んでいない感じがしないでもないのですが(←一体何が言いたいのだ)、おかげさまでいつにも増しておおらかな心持ちで日々を送っております。

この前の日曜日に、念願の石油ストーブを買いました。
(どうでもいいけど、ストーブにしろファンヒーターにしろ、なんで燃料が灯油なのに『石油』って名称なんだろう)
なんでこのご時勢にストーブよ?と言われるかもしれませんが、家電量販店ではこんな感じの木目もどきな色調の石油ストーブだけが飛ぶように売れています。実際に飛んでいるかは保証の限りではありませんが。

なぜか。

それはきっと、みんな疲れているのです。ホッとしたいのです。遠赤外線がもたらす柔らかな暖かさと、赤く焼けたストーブ芯のなんともいえない心和む色合い、蒸気を吹き出すやかんのシンシンという音・・・。
瞬間燃焼、室温自動制御、おやすみタイマー、イオン効果・・・そんな身体も脳ミソも退化してしまいそうなベンリ機能はもう要らない。ぼくらはもっと当たり前の暖の取りかたに立ち返りたいのだと、日本人の潜在意識がそう訴えているのだと思います。
ストーブメーカーも、無機質なダークグレーとかシルバーとかのカラーリングはやめて、木目調・暖炉調のデザインのものをどんどん造ってほしいもんです。ストーブしか使えない高齢者のためだけに仕方なく製造してるっていう姿勢じゃなくて、もっと需要を増やす(取り戻す)気概をもてば、暖房機器市場も相当楽しくなるんではないかと密かに考えているのですが、はてさて、店主の感覚は世間とマッチするのでありましょうか。

と、杁中店舗時代から頑張ってくれていた石油ファンヒーターが遂に不具合を起こし、危うく一酸化炭素中毒しそうになった腹いせからか、やたらムキになってストーブ擁護論をぶち上げるサンバタウン店主ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。道路工事が多くなる季節にさしかかってまいりましたが、カリカリせずに余裕を持ってクルマの運転などしたいものですね。

今日は久しぶりにナナ・カイミの75年盤(例の青ジャケね)を聴き直しておりました。
思ったとおり、ストーブをたいた部屋でこれを聴くとつい心が緩みますね。
ワタシはこの人の歌を聴くと、反射的に「おかあちゃん・・・」とつぶやいてしまいます。そして無性に実家・松山に帰省したくなります。
誰かにナナ・カイミを奨めるような機会があれば、ワタシは何を措いてもこのアルバムを推しますね(そんな機会過去に一回しかなかったけど)。
冒頭曲がいきなり不滅の名曲Ponta de areiaです。ノヴェリのゆるやかに立ち上がるベースとともに、ナナとゲストのミルトン・ナシメントのスキャットが絡む瞬間、これに心動かされない人をワタシは信用しません。ちなみにこの頃のミルトンの声はまさに神。また全面参加のトニーニョ・オルタがヴィオラゥンにエレキにと獅子奮迅の大活躍をしているところも特筆すべきところです。ミナス系の演奏陣によるサンバ調の曲はやたらベタ~ッとしています。だがそこがいい。70年代のあたたかみのあるサウンドがお好きな方に特にオススメですね。



紹介するからには今回ちゃんと入荷させてますよ!お探しだった方は是非。これも間もなく通販アップ予定です。

<追記>
昨日通販アップしたDVD-O mistério do sambaですが、おかげさまで完売致しました。思ったより初動の反応がなく、「ひょっとしてオレ・・・嫌われてる?」とか悩みかけましたが、とりあえず一安心。買いそびれた方、平にご容赦を・・・。

やっと

2009-11-10 01:02:01 | DVD
きた。

夜更けのアップで恐縮です。いつもぜじろぐをご覧下さっている皆様へのアドバンテージ情報でございます。限定3本のみの入荷です。早い者勝ちということでご容赦下さいませ。

あと、目ざといお客さまから「おっ」という反応を早くも頂戴しておりますが、この他サンバタウン通販ではCDおよびDVDのカテゴリにて、過去の名盤がちらほら再入荷しています。今週末にはさらにその補充第2弾、そして新入荷商品もアップします。通販登場タイミングがそれぞれ少しばかりずれてしまいますが、お取り置き&一括配送も承りますのでご相談下さい。

新しい情報に常に敏感であらねばならないと思う一方、後世に残る名作・傑作、名器・名品というものはいつも定番商品として置いている、そんなサンバタウンでありたいとも思っているのですが、なかなか難しいものですね・・・。

日本酒のなかのブラジル

2009-11-06 17:55:55 | 純米酒

こんにちは、ミック・タルボットです。ってお約束通りスタイル・カウンシル方面かよ!
大学時代「あんなの最低や!」とスタイル・カウンシルをこき下ろした先輩がいましたが、それでも最初のフルアルバム「Café bleu」はホントに素敵なアルバムだったと今でも思います。ええと、ワタシ確かブラジル音楽専門店だったような気が・・・。

さて。
最近サンバタウン(ていうかワタシんちな)にて勃興しました、店主の店主による店主のための日本酒復権運動は見事大いなる戦果を収め、もはや日本酒以外のお酒にはさして興味がなくなりつつあります。ビール晩酌時代のスナックつまみから、今やひと鉢の塩ふき昆布が夜のお供。昼間など一杯クイッといきたくなるのをこらえるのに相当の忍耐力を強いられる日々が続いております。それアル中じゃん!
いやそれにしても日本酒をいただき始めてからというもの、毎晩の食卓が本当に充実しています。ありがたや。食材がゴージャスになったわけではありません。むしろ粗食化しています。それでも日本酒によって献立の一品一品がより美味しく感じられ、いろんな献立をアテにして日本酒がまた美味しく感じられる、正に至福のスパイラル、蜜月の時間(『時間』と書いてむりやり『とき』と読ませられるパターン多いですよね)と申し上げてよいでしょう。

そんな日本酒ですが、これはもちろんホンモノを飲んでこその感懐。日本酒のことを何も知らなかった頃など、地元のパック酒を買ってきて飲んだが最後、猛烈な悪酔いに苦しめられておりました。カラダをあっためようと燗をつければ、やたら薬品めいた揮発臭。そういった、何が入ってんのかわからないようなアルコール添加の普通酒・本醸造酒から純米酒の世界へと一歩足を踏み入れた途端、今までとガラリと違った風景が見えてまいります。

まあこんなビギナーさんがアル添の日本酒のことをあまり悪し様に言うのもみっともないし、説得力もありませんが、いつもお世話になっている山形の正酒屋 六根浄さんのブログを読んでびっくり。
日本国内の日本酒に添加されている醸造アルコールのほとんどが、米ではなく廃糖蜜を原料としたアルコールだというのです。これは我らがブラジルの地で走り回っている自動車のアルコール燃料と同じものであります。そして糖蜜といえば、遡ると、そう、元々の姿はサトウキビ。サトウキビといえば、ブラジルが誇る(笑)あのカシャッサ、いいえ、敢えてこう申し上げるのがよろしいでしょう、そう、ピンガの原料なのですよ。

すげえな、アル添の日本酒。
ワタシは純米酒の存在を知るまで、ピンガとポン酒のチャンポンみたいなのをずっと飲まされてたわけだ。そら悪酔いもするわ(笑)。
そこにブラジルの名残を見出して、なんだか嬉しいような、ちっとも嬉しくないような、フクザツな気分です。
まあ、要は自分にとって美味いかどうかだ、という考えもありますが、このチャンポン構図、日本酒醸造の理念として果たしてどうよという感じになってまいります。

ブラジルの美味いカシャッサをつくる蔵も、原料が同じだからって安易に醸造アルコール添加とかしていないことを祈ります。
そういえば、リオでマウリシオ・カヒーリョに飲ませてもらったカシャッサ、やたら石垣の泡盛「白百合」みたいに強烈な味でした。
マウリシオに白百合を贈ったらきっと気に入ってくれるだろうな(はよ送れや)。


(んでコレがそのマウリシオ愛飲のカシャッサ、Matodentroナリね)

そんなわけで、今夜で山形酒のストック(一升瓶×2)がなくなりそうな気配。
今度はどれにしようかな。この日本酒オーダーがすっかり最近のお楽しみになってしまっています。皆さんもホンモノの日本酒を試したくなったら、日本酒コンシェルジュ・正酒屋 六根浄さんにご相談下さい。
本日の六根浄さんのブログトピックは、NYヤンキース・松井選手の話題に触れつつ、ブラジル音楽、それもマリア・ヒタにつなげるという離れ業。おお、弊店の紹介までして下さっています。もったいないお計らいでございます。そんなわけでワタシの方からもエール交換のような記事を起こさせていただきました次第。お互い頑張りましょう。


(前回はこの「山形正宗 純米吟醸 稲造」に圧倒されました。ざる蕎麦と一緒にやりましたが、冗談抜きで最高。熊谷さんすみません、画像拝借しました)

それはそうと、仕事しような、オレ!

商品価値を掘り起こせの巻

2009-11-05 15:27:15 | DVD

こんにちは、気が付いたら一週間もぜじろぐを放置してしまっていたサンバタウン店主、ではなくてポール・ウェラーです。

さて、そのポール・ウェラーですが、11/6(金)で免許更新期限切れになることを思い出し、大慌てで自宅近くの平針運転免許センターに行ってまいりました。おかげさまで何の滞りもなくサクサクと処理はなされ、午前中のうちに解放されましたが、黒のワンボックス&スモークガラス、茶髪&部屋着ジャージ、オバはん、ヤンママをはじめとしたさまざまな民度の人々(←婉曲表現)がおびただしく参集するこの場所は相変わらず好きになれません。それに加え、更新に来た在日ブラジル人たちが立入禁止のはずの試験場コースを横切ってセンターから駐車場へぶらぶら歩いていくのを見てなんだかトホホな気分になりました。
楽しみにしていたセンター前のカレー屋も、前回更新時に食べたときの記憶を疑うほどにおそろしくクオリティが落ちており、いささかガクゼンとしながら帰路につきました。街から美味しいカレー屋さんが消えていくというのは悲しいものですね。それでもワタシは交差点右左折時も指差呼称しながら無事故無違反を続けていくのです。交通事故死者数ナンバーワンの座を四年連続ぶっちぎりでキープしているここ愛知県で。この悪意という名の街で!
いや単にコレが言いたかっただけなんだけどね、The town called maliceっての。常日頃から悪意を感じているわけではありません、念のため。

そんな店主、もとい、ポール・ウェラーのどうでもいいような鬱勃さ加減などはどうでもいいとして(それ日本語か)、そろそろブラジル音楽ネタらしい題材に着手せねばなりません。

そこでコレ

「・・・は?」とか言わないで下さいね。そう、ブラジルの小田和正の異名を持つミナスの重鎮フラヴィオ・ヴェントゥリーニ、の、久々に登場したライヴDVD、Não se apague esta noiteです。意訳すると「今宵このまま」って感じのタイトルでしょうか。

少し前に同郷のロー・ボルジェスが同じく久方ぶりのライヴDVDをリリースしておりましたが、実に作風が似た感じで、この二人けっこうライバル意識燃やしてんじゃないかしらんとお節介な当て推量などしてしまいます。
ですがミュージシャンとしての技量は今や圧倒的にフラヴィオの方が上を行っております。歌、キーボード、ギターに至るまで、年齢相応の芸風の変化こそありますが、これだけ小田和正ばりに衰えを感じさせないのは、きっと自宅スタジオ(たぶん)で地道に練習してるんだろうなあと、これまた余計なお世話に近い想像力をかき立てられるくらいにしっかりした演奏です。説明回りくどいな!

・・・とまあ、ステージでのライヴの模様もなかなかの出来なのですが、見所はむしろスタジオライヴやボーナストラックの映像にあります。
まずいきなりゲスト出演でマルチナーリア。え?って一瞬思いました。これをアンマッチと呼ばずして何と表現すればよいのか。とはいえこれがまたなかなかどうして。メロウなサンババラードを歌わせればピカイチのマルチナーリア、フラヴィオの甘口キーボードとの相性は、まるで先日書いたゴイアバーダとチーズの組み合わせのように抜群です。おっ上手くまとめたね!
しかしなんといっても圧巻はトニーニョ・オルタとアンドレ・メーマリを招いて演奏する永遠の名曲・Nascenteですね。木漏れ陽のようにきらめくトニーニョのギターに、えもいわれぬ神々しさを感じさせるメーマリのピアノの絡みの中から放たれるフラヴィオのホーリィなClareira~♪で昇天完了。
トニーニョがスケルトンギターを使っているのだけが気に入りませんが、スケルトンギターうんぬんについてはまた日を改めて徹底的に書き倒してやろうと思いますので、今日はこのへんで。

ゲストの女性陣もなかなか頑張ってます。宝の持ち腐れ状態となってしまっているミナスの歌姫マリーナ・マシャードは相変わらず凛とした良いパフォーマンスですし、ジジ・ポッシの娘御ルイーザ・ポッシ嬢においては右斜め45度のアングルが滝川クリステルよろしく、なかなかに魅惑的です。ちなみに今回は以前のアレほど寄せ上げしてません。

ともすれば見落としがちなポイント、売り手としてはしっかり商品説明としてお客さんにアピールしていかねばならないと思う今日この頃です。
(↑今まで完全に見落としていたやつ)