こんにちは、エコー&ザ・バニーメンのイアン・マッカロクです。嘘です!
もうこのパターンもええ加減マンネリっぽくなってきた感じがしないでもない気がしたりもしますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて。
レアンドロ・サプカイというお兄ちゃんが最近ブイブイいわせております。
アルリンド・クルスの後ろ盾をうけ、マルセロD2らと組んだちょいワル系ストリートサンバのソロCDを皮切りに、マリア・ヒタの「Samba meu」をプロデュースし、その後は超カッコいいライヴDVDもリリースしたりなんかして、それはまあ瞬く間にブラジル国内外で脚光を浴びちゃって大活躍中の身。最初はいかついファヴェーラあがりのコワモテかと思っておりましたが、なかなかどうして水もしたたるイイ男ぶり。日本でも女性ファンとかこっそりついてそうです。

(ヤツの笑顔に気をつけろ)
で、そのレアンドロ某が、今度はこんなすンばらCアルバムを世に出してしまいました。タイトルは「Leandro Sapucahy cantando Roberto Ribeiro」と、その名の通り往年の名サンバ歌手ホベルト・ヒベイロのヒットナンバーを収めた作品であります。
ホベルト・ヒベイロといえば既に故人ですが、かの名門エスコーラ・ヂ・サンバ、インペリオ・セハーノが輩出した「男前ヴォーカル」が売りの人物。その惚れ惚れするような歌いっぷりは70~80年代のサンバファンを虜にしました。
今回レアンドロはそのホベルト・ヒベイロへのオマージュとして、彼のヴォーカルスタイルを大切にした歌唱法で、往年の名曲を見事に蘇らせました。彼の今までの作風とはガラリと変わった、オールドファン向けの内容であることを強調しておきます。コンテンポラリーサンバに全くといっていいほど食指が動かない、クラシックスタイルのサンバがお好きな方に特にオススメでしょう。ていうか聴かないと損です。
思うに日本のサンバファンは圧倒的にこういった小細工なし・裏山の美学に貫かれた骨太のサンバに弱いような気がします。誤解を恐れずいえば、ブラジル庶民の生活に根ざしたルーツサンバは、日本の演歌のよよ泣き感覚に通ずるものがあり、それが我々の心の琴線を知らず知らずのうちに震わせるのでしょう。
バックの演奏がまたシブい。7弦ギターはカルリーニョス・セッチ・コルダス。ぶりぶりの低音旋律がどサンバ気分をいやが上にも盛り上げ、ネニ・ブラウンら剛腕パーカッショニストらがドスの効いたビートを繰り出します。とどめはサンバ系吹奏楽器奏者としては最高峰のヂルセウ・レイチ。彼のサックス/クラリネット/フルート(三刀流かよ!)は本当に素晴らしいです。泣けます。秋の夜長にサンバ好きの連中と一緒に「くう~ッ」とかいって涙ちょちょ切れモードながらも楽しい時間をお過ごしいただきたいものです。
大阪のカイピリーニャ、名古屋のウルバナ(10/29にあの伝説のバースタイルで新店がオープン!)、東京のプラッサ・オンゼにBlen blen blenそしてアウボラーダ、石垣のパパ・ビゴーヂあたりで流れていてほしい、我々おっちゃんサンバフリークのハートを鷲掴みの逸品をお聴き逃しなく!
【収録曲】
01. Estrela de madureira
02. Acreditar
03. Amar como eu te amei
04. Tempo ê
05. Todo menino é um rei
06. Propagas
07. Isso não são horas
08. Nega do peito
09. Só chora quem ama
10. Triste desventura
11. Vazio (Está faltando alguma coisa em mim)
12. Amor de verdade
13. Ingenuidade
14. Meu drama (Senhora tentação)
そうそう、上述の伴奏者ヂルセウ・レイチのソロで、カシーキ・ヂ・ハモスゆかりの名曲ばかりを収めた「Cacique instrumental」も素晴らしいです。こいつをカラオケがわりに歌うという聴き方が、多少失礼ながらも最高に楽しめます。

(これな)
【収録曲】
01. Lucidez
02. Ainda é tempo para ser feliz
03. Coisa de pele
04. Além da razão
05. Insensato destino
06. Fogo de saudade
07. Lama nas ruas
08. Pra conquistar teu coração
09. Saudade louca
10. Mel na boca
11. Me dá teu amor
12. Conselho
13. Doce refúgio
【主な参加ミュージシャン】
Carlinhos 7 Cordas, Marcio Almeida, Marcio Wanderley, Paulinho da Aba, Gordinho(笑), Hamilton de Holanda, Arlindo Cruz, Sombrinha, Ubirany, Carlos Malta, Luiz Carlos da Vila(嗚呼!), Vittor Santos, Chico Chagas, Ovídio Brito, Rildo Hora(ケッ), Mauro Diniz etc.
ジャケだけではピンとこなくっても、作品のコンセプトや曲目、そして参加ミュージシャンがわかった途端にほしくなってきませんか?ていうか商品説明のタイミングが遅くてごめんなさい。買ってくださいッ。ラティーナさんではもう売り切れてるぞ(笑)。