戦後すぐの日本を舞台にしたゴジラ映画で、これまでのゴジラ映画とはかなり趣が違ったものに
なっています。人間を描いた部分がこれまでの怪獣映画と大きく違いました。
【あらすじ】
特攻隊として出撃した敷島浩一(神木隆之介)は、怖気づいて大戸島の飛行場に着陸しますが、そこにゴジラが現れ、
整備兵から、ゼロ戦の20ミリ機銃で撃つように言われますが、すくんでしまい撃てなかったため、
周りにいたほとんどの整備兵たちはゴジラに殺されます。
その後東京に帰りますが、両親は亡くなっていて、典子(浜辺美波)という女性と彼女が空襲の最中、
見知らぬ人から預かった赤ん坊と三人で暮らし始めます。
敷島は機雷除去の仕事を始め、典子は赤ん坊を近所の女性に預け、銀座で事務員の仕事を始めるのでした。
しかし、機雷除去作業中に再びゴジラが現れるのでした。
【感想】
ドラマ部分が結構しっかり作られていて、主人公のPTSDが描かれている所が、これまでの
ゴジラ映画との大きな違いでした。ここ30年ほどのPTSD研究の進展などが生かされているようでした。
第二次大戦以降も何かと戦争をしている米国映画などではそのような描写はよくありますが、日本の映画で
PTSDが描かれているのは米国の影響と、この30年ほど日本でも臨床で扱われるようになり、
多くの人が知るようになった事の影響でしょう。
帰還兵のPTSDを描いたり、戦争は終わったのだから、できるだけ亡くなる人を減らそうという展開は、
日本でも戦争を美化しなくなり、以前よりしっかり見るようになった事の影響でしょう。
その辺りがこれまでの怪獣映画との大きな違いだと思いました。
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