近年何かと話題になる、人身売買や途上国からの搾取を扱った映画です。
【あらすじ】
米国の経済的に豊かなサハル家にいるレイラ(フィデリア・グレース)は、その家の妻スザンヌにより
「姪の子供」ということで外国から連れてこられ、学校にも行かされず、
外出も禁じられ、一日中家事をさせられています。
しかし偶然に不法移民である庭師の息子と話すようになり、
状況が動き出すのでした。
【感想】
スザンヌ曰く、祖国に居れば、あばら家に多数の兄弟たちと暮らし、
まともな食事も与えられず、子供の頃から働かされ、16歳くらいで親の決めた相手と
結婚させられるというのが、よくある暮らしとのことなのでした。
スザンヌ自身も子供の頃は祖国でそのような貧しい暮らしをしていましたが、夫のサムにより、
そこを抜け出せたのでした。
しかし米国の法律ではその家でのレイラの扱いは法的に違法になるので、
スザンヌは裁判で有罪となり、刑務所に収監されるのでした。
裁判の最後で、保護されてその家を離れていたレイラを裁判官(マルコム・マクドゥエル)
が傍聴人に紹介しますが、裁判官が彼女を褒める言葉にも、優生主義が盛り沢山なところが、
問題の根の深さを表しているところでした。
南北問題や優生主義などを取り上げて、現代社会を扱った映画になっています。
貧しい国で育ったり、貧しい時代に育った人にとっては、米国などの先進国の法律は、
特定の土地と時代にしか通用しない、普遍性のないものと感じられるのでしょう。
最近ロシアのプーチン大統領が戦争をはじめましたが、プーチン氏や周囲の要人たちも、
戦後すぐのロシアの貧しく困難な時代に育ったので、不透明な未来のためには、
戦争をしてでも備えるということに、抵抗をあまり感じないのでしょう。
子供のときに貧しく困難な生活をしたので、欧米のリベラル層の様々な意見や考えなどは、
西側の豊かなエリート層の限定された浅い考えに基づくものと捉えるので、
説得力があまり無いのでしょう。
そのように考えると、国際関係というものは、世代を超えた様々な要素が
影響を与えるので、現在の経済や政治、軍事などの要素のみでは
読み解く事が困難なのでしょう。
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途上国や紛争地帯への支援などが、その相手のみならず、様々な影響を与えるのだろうと
考えさせられました。
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