唐から帰った弘法大師空海が14年も過ごしたという真言の名刹、
紅葉の名所として知られる高雄の神護寺。
周山街道を左に折れ、清滝川沿いから参道の急な石段を登った。
閑散期であり、途中の茶店はどこも入り口を閉ざしたまま。
キラキラ光る粒子状の雪が舞い散る中、這々体で楼門にたどり着いた。
まず、孫の元気な成長を願い、受付で買った“かわらけ”を放り投げた。
この日広い境内で参拝者を見かけたのはたったおひとり、
金堂の中はなぜか心が洗れる雰囲気で、
りりしいお姿の薬師如来立像に、己の健康保持を願った。
離れた位置からの拝観だったのでよくは分からなかったが、
間近で見た五木寛之氏は「全体的に豊かで官能的な体つきで
ふっくらとした顔の像である。インドの神仏を思わせる螺髪という
パンチパーマのような髪型だ」と記している。
また、毘沙門堂、金堂、多宝塔が階段状に並んだ伽藍配置は、
見るからに立体的で、荘厳ななか霊気に満ち溢れていた。
この季節枝葉が落ちているため、中段の金堂と最上段の多宝塔を
重ねるようにしてみることができたのは何よりだった。
ただ、6月には渓谷で蛍が乱舞、秋には紅葉の鮮やかな彩り、
ぜひ再訪したいと思っている。
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