久しぶりに『とんかつ武蔵』に行った。
今回は神戸・元町のお店ではなく、暖簾わけの西神そごう店。
定番メニューといえるヘレかつにした。
武蔵には色々懐かしい思い出がある。
最初に店に行ったのは昭和41年、大学2年の冬、
三宮センター街にある淡州堂という陶器屋さんでアルバイトをしている時だった。
貧乏学生にはやや敷居の高い店だったが、思い切って暖簾をくぐった。
店内はどっしりとした雰囲気で、
なんと言ってもポテッとしたトンカツの美味しさは、鮮明に残っている。
センター街がいまのように整備される前で、独立した店舗だった。
その後も吸い寄せられるように時々店を覗いた。
もうひとつの鮮烈な印象は震災直後、
被災した武蔵が兵庫県庁の近くにプレハブの店を出した。
千円札で釣りがくるというリーズナブルな価格で、とんかつ定食を提供した。
昼前から列ができる盛況ぶりで、当時の沈んだ気持ちを和ませてくれた。
おそらく出血サービスだったと思う。
その後も『とんかつ武蔵』には老舗としての風格があったが、
いまの元町の店に移ってからはなぜか往年の勢いが感じられない。
最近は西神店に行くことが多く、
元町店にはここ半年くらいは顔を出していないのでえらそうなことはいえないが・・。