作庭家・重森千氏の案内で大徳寺の龍源院を訪ねた。底冷えのきつい日だったが、やわらかな陽光が射し込んだ枯山水の庭は、りりしい表情を見せていた。重森氏には、もう一度必ずこの庭に足を運ぶよう勧められた。周囲の様相でこの庭はとんでもなく姿を変えるし、見る人の気持ちを慮るように応えてもくれるという。
そこにはいろんな要素が隠されている。
その1つ、“すかし”という剪定技法。植木が周囲の景観にうまく溶け込むよう枝葉をすくように刈り取っている。植木の向こうにあるお堂や土塀などが透けるように見える。
素人の私は、これまで「建物と庭がうまくマッチしている」とかなり曖昧 な表現をしていたが、重森氏の説明を聞いて謎が解けた。スッキリ!!という言葉がぴったり。まさに腑に落ちた感じで、嬉しい気分になった。
“専門家に学ぶ”、肝に銘じたい。