TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

ツギハギ・BOROの美!?

2010-03-01 | メディア

NHKの『美の壺』という番組をご存知だろうか。先週26日(金)のテーマはボロ着の“BORO”、世界のアーティストに注目されているそうだ。


私のような頭の堅い者からすれば、つぎはぎだらけのボロといえばまず雑巾、この厳しいご時世でいえば毎朝目にするホームレスの服装。ボロといえば「役に立たない」、ツギハギもいい響きはないが、どうして美を探究する番組のテーマになったのか。興味津々。

 

かなりのショックを受けた。テレビは、限られた時間の中で見た目だけの美しさを簡潔明瞭に表現することを得意とする。しかし、この企画ではボロの奥に秘められた美しさ、つまり自然と向き合う人の知恵、家族愛、子を慈しむ心、質素倹約の心がけなど、日本人の精神風土を巧みに描きこんでいた。

 

ドンジャと呼ばれるあて布だらけの藍の掛け布団、これに“家族が裸でくるまって寝る”習慣、ボロを長持ちさせるための幾何学模様の刺し子、裂いたハギレで織り上げた「朝焼け・夕焼けを思わせる」明るいトーンの裂織など、雪国の厳しい生活を強いられた人たちの思いが詰まっていた。収集家の田中忠三郎さんの訥々とした味のある喋りも胸に響いた。映像も良いし、組み立てもしっかりしている。超推薦、損はしないと思う。

私の感想などより、まずはご覧あれ。まだ間に合う。直近では、

BSハイビジョンが5日朝7時から、

総合テレビは6日土曜日の朝5時15分から。

 


追伸 
我が家にもいろんなものが転がっていた。どこで手に入れたのか
、誰が作ったのかさっぱり分からないが、刺し子のコースターや藍染の薬袋があった。

 私も少しは日本人の心を持ち合わせているのだろうか???