ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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灯油の走り値と販売オペレーションに注目

2016年09月07日 10時07分05秒 | Weblog

ここ数年、灯油はSSビジネスにおける収益の中核商品となっています。
いうまでもなく、灯油は季節商品ですからその年の天候、気温に左右される市況商品です。
ですから、そのシーズンを通した天候状況も気になるところです。

リテール販売業者にとってはシーズンインにおける価格設定がその年の収益性を左右する傾向があります。
(走り値:シーズン寄り付きの価格設定)

シーズンインに際して近視眼的な視点に立った価格の安値設定は危険だと思います。

過去には、生協価格などの走り値に左右される時期もありましたが、
その後、ホームセンターの店頭価格がSS業者などにも影響を及ぼしていた時期もあったわけです。
しかし、ここ数年の灯油ビジネスでは、
配送コストが消費者に認知されてきたことで「配送灯油」の価格設定に注目が集まっています。

消費者の立場から見れば、配送体制の整備された業者から安定した価格で購入したいという要望が顕著に見えています。
全国的な展開をはかる大手広域ディーラーでは、これらの消費者ニーズにこたえるための販売オペレーション構築を急いでいます。

そのための手法として、「クラウド」によるシステム構築を進めており今後この動きが急速に普及することになります。
中核となる「データセンター」に全国的な顧客データを集約し、データベースによる顧客管理を徹底しています。
また、各拠点ごとの販売オペレーションを組むことで、地域エリアマーケットごとの特性を加味しながら展開をはかる工夫も為されています。
SAAS型のクラウドにより、地域や支店ごとの特性を生かしたマーケティングも可能となります。

地域有力企業による、配送拠点づくりも進んでおり、クラウド型のネットワークの構築が開始されています。
一概に「広域展開」とはいっても、
JA系などでは地域ごとの事業所集約などが前提のようですからエリア別の展開となっているようです。

今後の配送システム導入から運用に関するコストを下げるための手法としては、
システム構築速度やメンテナンスサポートの面からも「クラウド」が圧倒的に優位だと思われます。

灯油ビジネスの拡販戦略と収益向上は、
配送コストの削減が最大のポイントとなっており、業務コストダウンは仕切り価格よりも大きな経営効果が発生しているといいます。

最近では、配送業務の合理化と販売戦略を組み合わせた、web受注システムが普及しており、
消費者サイドに立った、スマートフォンやpcによる24時間無人受注体制などが大きな効果を発揮しており、
「受注体制」の整備が進んでいます。

携帯のスマートフォンの活用では、ホームページに価格を提示したり、
ポイント管理なども工夫しながら、走り値の安値対策などが有効です。

結論から言えば、

販売数量よりも、収益高の方が大切です。
収益アップのポイントは、
拡販戦略と販売オペレーション、さらに全体的な業務コストダウン。
そのためには、現場実務に精通した「雪ん子」が最強のツールだと確信しています。