徳島に着いた夜、観光案内ステーションで入手したグルメMAPを手に早目の夕食に出かける。
地鶏「阿波尾鶏(あわおどり)」は、食べて帰りたいものの一つだった。
阿波尾鶏のメニューがあるお店は、グルメMAP上に鶏のイラストが描かれているので分かりやすい。
魚介と鶏料理のお店に入り、鶏料理は「とりの塩焼き」を頼んだ。
脂分は少ないがパサつかず、適度な歯ごたえのある肉質である。
シンプルな味付けで、くせのないさっぱりとした味わいがお酒(ビール&ワイン)のペースを速める。
早目の夕食を済ませると、「阿波おどり会館」の「夜のおどり」の開演に間に合う時間であった。
ちょっと酔いの回ったふらつく足で会館へ急ぐ。
阿波おどり会館では、一年中、昼と夜の公演が行われていて、本場の阿波おどりをナマで見ることができる。
「夜のおどり」は、「連」といわれるグループが日替わりで公演を行っている。
幕が上がると、あの聴き覚えのある演奏にのっておどりが始まった。
揃いのゆかたの踊り手が演ずる、一糸乱れぬリズミカルなおどりに目を見張った。
初めて見た阿波おどりは、とにかくきれいだった。
途中、おどりのステップや手の動きの指導もあり、「連」の皆さんと一緒になって踊る「体験コーナー」がある。
誘われるままにフロアに下りて、チャンカ・チャンカ・チャンカ・チャンカの演奏に合わせて手足を動かしてみる。
鐘・大太鼓・小太鼓・三味線・笛のパワフルな演奏が、慣れない動きを後押ししてくれる。
フランス、イギリス、台湾・・・、外国からのお客さんも多い。
1時間弱の公演が終わり、ロビーで「連」のみなさんと記念写真を撮ってから、会場の「阿波おどり会館」を後にする。
「阿波おどり」を体験したあとだけに、まだ耳にはあの演奏が残り、帰途の足取りはステップを踏んでいるように軽やか。
「阿波尾鶏」のおいしさと「阿波おどり」の楽しさが重なったいい夜だった。