幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

「仏」と「おらが蕎麦」の信濃路を楽しむ

2022-05-26 | 旅行

東京から友人のSさん、Kさんの二人が善光寺の御開帳に合わせて信州にやってきた。

善光寺にお参りし、前立本尊と紐で結ばれた回向柱にタッチし、本尊とのご縁を結ぶ。

 

翌日は、絵画鑑賞が好きなSさん、俳句が趣味のKさんの希望もあり、「小布施」の北斎館を訪ねる。

北斎は80歳を過ぎて、何度か小布施に足を運んだといわれる。

北斎館には、小布施滞在中に制作した作品、その他祭り屋台などが展示されており「ホンモノ」を楽しむことが出来る。

 

次に、葛飾北斎や文人を小布施に招き、小布施を文化レベルの高い地に育てたとされる高井鴻山(たかいこうざん)を記念した「高井鴻山記念館」を見学。

二階建ての建物、文庫蔵、屋台蔵、庭園などが往時の面影を残している。

展示室にあった「富岳三十六景」は、六曲の屏風に36枚の版画が貼られたもので、このような名画がさりげなく展示されているのが驚きでもあった。

また、北斎の良き支援者であり、北斎を師とも仰いだとされる鴻山は、自らも書画に傑作を残している。

 

最後に訪れたのは、ここも小布施では欠かせない「岩松院」。

周りは山、田んぼや畑に囲まれ、その寺は静かに佇んでいる。

なんといっても、北斎が最晩年に描いたといわれる「八方睨み鳳凰図」である。

その華やかな色彩は、いまでも鮮やかそのものである。

首が痛くなるように天井を見上げると、どこから見ても鳳凰の眼が自分をにらんでいるようにも見える。

本堂の裏手に廻ると、福島正則の霊廟がある。

少し進むと「蛙合戦の池」があり、「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」の句碑を見ることができる。

見どころの多いお寺である。

 

「信濃では月と仏とおらが蕎麦」という句がよく知られているが、ここでの”仏”とは善光寺、”おらが蕎麦”とは信州蕎麦のことらしい。

今回、二日間の旅の昼食は、三人が三人ともに、連日「信州そば」に舌鼓を打ったのだった。

「仏(善光寺)」にお参りし、「そば」を食べ、残るは「月」である。

次回は、月の名所として知られる姨捨山(千曲市)の「田毎の月」でもご案内しようかと思う。

 



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