”我と来て遊べや親のない雀”
”痩せ蛙まけるな一茶是に有”
俳句になじみがない人でも、多くの人が知っているであろう一茶の句である。
毎年、小林一茶の命日11月19日には、一茶のふる里・柏原(長野県信濃町)で俳句大会が行われる。
3,4年前に出掛けたときのことであるが紹介する。
俳句の素養のない私には、ちょっと敷居が高いが、その時行われる「新そば会」が楽しみである。
柏原はおいしい蕎麦がとれるところで、蕎麦好きにとっても何よりのイベントである。
一茶はこんな句も詠んでいる。
”しなのぢやそばの白さもぞっとする”
屋外に張られたテントでは、大きな釜で、地元の人たちが新そばをゆでてくれる。
そろいの法被に染めてあるのは、「やせ蛙負けるな一茶これにあり」。
手を切るような冷たい水で締められた地元産の新そばは、そば好きならずともほほが緩むであろう。
新そばは、まだうっすらと緑色を残し、しっかりと香りが立ち、これぞ地元ならではのおいしさである。
句会の入選、入賞の句を鑑賞し、新そばを頂いた後は、一茶が終の棲家としたとされる土蔵に立ち寄る。
囲炉裏はあるが、北信濃の冬を過ごすのはさぞ厳しかったであろう。
11月ともなると北信濃は寒くなり、雪の日もある。
お出かけの方は、油断せず、車のタイヤは冬用に替えておく方が良い。
また、このイベントは、新型コロナの影響もあり、今年開催されるか否かは要確認である。