沖縄には、首里城、中城城、今帰仁城の三か所が日本百名城に登録されている。
その読み方が難しい。
中城城は「なかぐすくじょう」といい、今帰仁城は「なきじんじょう」という。
今回の旅は二泊三日、すべて公共交通機関で移動した。
最初(初日)に訪れたのは中城城。
あいにくの低気圧により、土砂降りの雨と強い風に悩まされる一日になってしまった。
那覇空港からは高速バスで「喜舎場」まで行き、高速道路にあるバス停で下車。
歩いて4分ほどのところにある、北中城村役場の前から「グスクめぐりん」というコミュニティーバスを利用する。
バスに乗ってしまえば「中城城前」まで10分だが、本数が少なく2時間に一本の運行である。
チケットを買うと、正門跡まで無料の電動カートで連れて行ってくれる。
大雨、傘も飛ばされそうな風の中の坂道の登り、これは助かった。
あとは多少のアップダウンはあるものの、正門から裏門に向って整備された見学ルートを歩く。
城内は「郭」と呼ばれる区画に区切られている。
本土の城で言うと、〇〇丸とか〇〇曲輪というものであろう。
正門を入りすぐ右は「南の郭」となる。
一の郭、二の郭、三の郭など大きな郭は石積みで囲われ、アーチ状の門を通り抜けて移動する。
拝所と言われる場所。
雨乞いの祈りをした施設のようである。
城壁の石積みは、巨大な石は使われてはいないが厚さがあり、強靭な防御力を誇っていたであろう。
場所(郭)により、野面積み、布積み、あいかた積みと言われる石積みの技術が使われていて興味深い。
一番高いところにある三の郭
本土の城では見られない、石垣のゆるやかな曲線が美しい。
三の郭を見学し、裏門を出る。
美しいアーチ型で、がっちりとした構造をしている。
全体的に、日本離れしたデザインの城に見え、遺構の一つ一つを面白く見学できた。
空堀、枡形、塀、狭間など、本土の城跡でよく見るようなものは見られなかった。
また、石垣には巨大な石が使われている箇所は見なかった。
入城の時もらったパンフレットによれば、沖縄の城(グスク)は、本土の城より前から石積みの技術が発達していたといわれる。
見学を終えても止む気配のない風雨には泣かされた。
城跡からは沖縄ブルーの海が見えるはずであったが、その景色も見えなく残念であった。
バスの時間待ちの間、入り口近くのコーヒーショップで時間をつぶさせてもらった。
コーヒー一杯でいやな顔もしないで、長時間の雨宿りをさせてくれたのにはとても感謝している。