散歩の途中に真っ赤な葉の木がある。
残念だが名前は知らない。
株立ちしている幹も、一本一本の枝も、それほど太くはなく枝の先に葉がついている。
季節は春、花のシーズンである。
この木を離れて見ると、赤い花が咲いているかのように勘違いしてしまう。
ところが、近づくとそれが葉であることが判る。
春の芽吹きの頃に、これほど赤い葉っぱの木が他にあるだろうか。
それほど鮮やかな赤である。
花はこれらしい。
枝に密集している赤い玉が蕾で、開いて黄色く見えるのが花のようだ。
お世辞にもきれいだとは言いにくい。
この木の主役は「葉」であり、散歩の人たちも、近寄って花を見ることなしに通り過ぎて行く。