いつもの公園の池で、卵を抱いているカルガモの巣を覗いてみた。
なんと巣は空っぽで、羽毛や卵らしきものが見えるだけで母鳥の姿が見えなかった。
さては、巣を放棄したか・・・と、残念な気持ちが頭をよぎった。
諦めて、帰ろうとした。
ところが、その池から20mほど離れたところを流れる用水路に、カルガモのつがいが泳いでいたのだった。
池に巣を作り抱卵に入ったあのカップルだとは思わず、別なカップルがやってきたものと思い込んだ。
しばらく見ていると二羽は飛び立ち、すぐそばの池に舞い降りた。
そして、メスは巣に戻ると、再びじっと卵を抱いたのだった。
オトウさんが心配をして様子を見に来てくれたので、ちょっと巣を離れたということなのか。
メスが巣に戻って卵を抱くと、オスはまた元の用水路に戻っていった。
先ほどまでメスの水浴びや毛づくろいを見ていた時のように、動かず、しばらくそこに居た。
巣を狙う悪い奴が来た時には、飛び立って追い払うのであろうか。
私は、野鳥の生態について勉強したことも無く知識はない。
ましてや、カルガモを一羽一羽識別することなどできはしないので、想像の域を出ない。
もし私が想像したように、「オトウさんカルガモが、卵を抱くオカアさんカルガモが心配になって見に来た」とすれば、
カルガモの夫婦の結びつきの強さを感じるのである。