「散る桜 残る桜も 散る桜」
良寛和尚の句とされる。
満開となり、みんなが見上げ「きれい~!」と歓声を上げていた桜が散り始めた。
枝の先に近づいてみると、既にこの枝はほとんどが散ってしまっている。
残っているいくつかの花があるが、この花もやがて散ることになる。
ひらひらと花びらの舞う中で、足もとをみると地面は花びらで埋め尽くされそうである。
ほんのわずか前には、美しさを誇っていた花びらは、花吹雪となってつぎつぎと散り落ちてくる。
「やがては散る」。
無情の風が散らす桜を見ながら、柄にもなく珍しく思いにふけっている。