湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

◇ 昨日の宿直勤務時に人助けをしました

2015年07月15日 13時57分37秒 | ちょっとした出来事?
夕方、裏門を開けに行ったら外の市道で泣き声がしていました。
ワーンワーンの大声ではなく、やっと聞き取れるくらいのシクシクです。

門扉を開けて市道に出ると
まだ新しい黄色い交通安全帽子を被った小学一年生の男の子が
道路の向こう側に立ち止まって泣いていました。
離れたところに住人のオバサンが一人心配そうに見ているだけで、他には誰もいません。
そのオバサンは子供と同じ側にいるんですが近寄るでもなく、男の子を見ているだけでした。
私は道路を横切って子供のところに行き、どうしたのか尋ねました。
『ハチが、ハチが ・・・』と聞き取りにくい声で泣きながら言いました。
てっきり蜂に刺されたのかと思い、
『どこか刺されたの?』ときいて顔や首、腕のあたりを見ました。

男の子は『ハチがいる ・・・』と言います。
身体を見回しても蜂はいませんでした。

状況がわかってきました。

男の子は蜂に刺されたのではなく、
今から通ろうとする帰宅路の近くに蜂が飛んでいったので恐くなり、
家に帰れないと泣いていたのです。

蜂が1匹飛んでいたとのこと。
私のききかたが悪かったのか、男の子の言うことが要領を得ないので
どんなハチ(スズメバチ?アシナガバチ?)がいたのかわかりません。
まさかミツバチではないと思いますが。

周りを見ても、蜂はおろか飛んでいる虫は一匹もいませんでした。
それでも男の子は恐がって歩き出すことができないでいました。

私たちの会話を聞いていたオバサンは
離れたところから『男の子だけん、そんな弱虫ではいかん』と言うだけですから、
当面の問題の解決にはなりません。

   ※私が感じている限りでは、一般に女性のほうが精神的には強いはずですから、
     「男の子でも、そんな弱虫ではいかん」というのが
     正しい表現ではないかと思われます。

『蜂が出てきたら私が退治してあげるから大丈夫だ』などと言い聞かせて
蜂が飛んでいったという場所の近くを過ぎるまで、
一緒に帰ってあげることにしました。

現場

   ※今日の宿明勤務が終わって帰るときに撮ったものです。
     左の高いネットで囲まれたところが勤務先の某職業訓練校のグラウンドです。


男の子は私にくっついて恐々と歩き始めました。

それにしても、既にいなくなった見えない蜂のことを恐がり歩けなくなるなんて、
その子は普段どういう生活をしているのでしょうか?
ひょっとしたら蚊に刺されても泣き出す子供かもしれません。

  私のほうもムカデの出現や健康診断の採血を恐がる臆病者ですから、
  人のことをとやかく言える立場ではありません。
  ムカデが出たら寮生に助けを求める私は、その子と大差ないようにも思えます。

男の子に声をかけたとき、私はサングラスを掛けたこんな格好をしていましたが、
その子は私を全然恐がりませんでした。
(私から善人のオーラが出ていたのでしょうか)

     ※舎監室にある普段使われていない鏡に映して撮ったものです。
       先日あった医学番組の中でも取り上げられていましたが、
       目から入る紫外線も体に悪いそうです。
     ※外に出るときは作業上着を着用します。
     ※電気ポットは、主に寮生の夜食用(カップメン)に用意しているものです。

  見知らぬ人に対して無防備な、その対応のほうも少し心配です。
  こんな風体の男からでも「車で送ってあげる」と言われたら黙って乗り込みそうです。


蜂に遭遇したときの対処方法を助言しながらゆっくりと歩きました。
蜂が飛んでいったという場所をだいぶ過ぎてから、
男の子に『もうここまで来ればいいんじゃない』と言って分かれました。

泣き止んでいた男の子は帰宅路を一人で歩き始めました。
そして幅4mほどの生活道路を渡るところまでいって立ち止まっていました。
左右の見通しがよいところで、車は来ていないにもかかわらず、
手を上げて左右を見ながら中々渡ることができないでいました。
石橋を叩いても渡らない、慎重すぎる性格のようです。

小柄でおとなしそうな子でした。
学校でいじめられたりしていなければよいのですが。

  意外と、このような子が大きくなって
  悪人を捕まえる凛々しい正義の警察官になったりして ・・・


不思議なもので
その日の朝、BDに録っていた人助けの話の映画を観たばかりでした。
ハリウッドらしく解りやすいヒーロー話ですが何度観ても感動の涙を誘います。
「アルマゲドン」です。

同じ人助けといっても、私の場合は、
小学一年生一人を一匹の蜂から守るというものでした。
命を賭して数十億人の命を救ったハリー・スタンバーさんとは比ぶべくもありませんが、
でも、泣いている子を一人助けたという、
あまり経験することがない満足感を少し覚えました。
(時間があれば、一人で行くことができるようになるための手助けをすべきでしたが)

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これは全然関係ありませんが
昨日の寮の夕食「カツカレー」です。


カツの肉が、いつもと違い 3mm(㎝ではありません)ほどもある分厚い!ものだったので、
記念に撮ることにしました。
既にスパゲティサラダを食べてしまっていたので、
未だ箸が付けられていなかった寮生Y君のものを被写体用に借りて撮りました。
(撮ったあと、もちろん食べずに返しました)

  カツの厚さが 1mm 程度のときもあります。
  私も "一般的な" トンカツは作ったことがありますが、
  1mm のものを形良く作られる厨房の練達の業に敬服します。

    厨房のオバサン方は
    「天皇の料理番」であれば経験することがないであろう、
     3食(朝昼夕)で売価750円という給食を作る苦労をされています。