眠りから覚め、久方ぶりの書込みになります。
前にも書きましたが、私は毎週のように熊本県立美術館分館へ足を運びます。
分館には展示室が4部屋ありますが、そこで1週スパンで開催される絵画展などを鑑賞するためです。
展示会は洋画の他、日本画・水墨画・写真・書など様々ですが、ほとんどが入場無料となっています。
昨日(7月31日)、最高気温35.9℃を記録した午後2時頃、ギラギラの太陽光線を浴びながら自転車で出かけました。
1階ギャラリーで「杉本一臣個展」(無料)という絵画展が開催されていました。
分館で開催される個展ではいつものことですが、作者について全く存じませんでした。
最初に目に入った1枚の前で足が止まってしまいました。
私の好きな絵でした。
その隣から、海と雲をモチーフとした風景画の小品が何点か並んでいました。
それらの小さな絵は大きな感動でした。
私には、狭いカンバスの中に「果てのない遥かな時空の広がりと、その中に紛れ消えゆく、止めることのできない優しい時間の流れ」があるように感じられました。(←自分でも何を言ってるのか解りません(?_?))
横に長い(縦横比がMサイズ以上?)海原と空の絵に特に心惹かれました。
タイトル「海景(野釡島より)」
※ブログ掲載については作者の許可を得ていますが、ピンボケや映り込みなどがあって実物の素晴らしさを伝えられず申し訳ないことです。(以下同じ)
これも小さいですが、好きな絵です。
タイトル「海景(天草西海岸)」
暗い雲間に月の光、そして暗い海原を描いた大作がありました。
その絵にも魅せられました。
タイトル「月明かり」
ふと、ターナー(イギリスのロマン主義画家)さんの「海の上の漁師(Fisherman at the Sea)」が想い浮かびました。
一本の老大木を中央に置いた大作もありました。
タイトル「風に立つ」
展示されていた絵の多くは明度が低く、静寂のなかに漂う深淵で神秘的な空気の中に引き込まれそうになりますが、決して沈んだ気持ちにさせられるものではありません。
タイトル「木は夢を見る」
カスパル・ダーヴィト・フリードリヒ(ドイツのロマン主義画家)さんの絵にも同じような雰囲気を感じさせるものがあったと思いますが、このような絵を描かれているときの作者の気持ちや気分はどのようなものなのでしょうか ・・・
お聞きしてみたいと思いました。
郷里の熊本へ戻ってから6年以上が経ちました。
分館ではこれまでに多くの絵画展をみせて頂きましたが、「ぜひ欲しい(いつも近くでみていたい)」という気持ちにまでなる作品(作家)に出合うことはそう多くありません。
(もちろん素敵に思う絵は数多あります。それを入手するに必要となるもの(金)が無いことが、その欲求が抑えられている最大の理由です(◞‸◟))
その滅多に出合うことがない絵を今回観ることができて、嬉しかったです。
私が会場にいたときは他に観覧者を見かけませんでした。
あとで知りましたが、初めての個展だそうです。
自分の好みを押し付ける気はありませんが、「杉本一臣個展」を多くの方に見て頂きたいと思いました。
私は明日再訪する予定です。