湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

鳴りを潜めている?インフルエンザ

2020年12月02日 13時23分43秒 | 日常・その他

師走に入り、一段と寒くなってきたように感じます。
我が家は部屋暖房をつけることがあまりないので、先日の朝などは室内温度が4℃でした。
室内で防寒着を着ていることも、特に珍しいことではありません(笑)。

テレビでは新型コロナウイルス関係のニュースが連日大きく取り上げられていますが、熊本県は12月1日に感染リスクレベルが「レベル4特別警報」に上がりました。
ところで、この時期になると患者が多くなってくるインフルエンザのほうはどんな状況なのでしょうか。
厚生労働省のホームページで公開されている情報を調べてみました。
その結果は次のグラフのとおりです。

今シーズンのインフルエンザ報告数()は数値があまりに小さいので、グラフの棒(赤色)を視認することが困難です。
今年と昨年の第36週~第47週のインフルエンザ報告数合計を比べると次のとおりです。

今年:217人
昨年:70,886人

今のところ、今年の報告数は昨年の約0.3%です。

※インフルエンザ報告数は全国約5000ヵ所の定点医療機関からの報告数であり、実際の受診者数はこの数倍以上になるようです。
 ちなみに、前のシーズンは定点報告数が約100万人で推計受診者数は約730万人となっています。

グラフでの動向を見る限りでは、まるで新型コロナウイルス(陽性とみなされた人)がインフルエンザ(報告数)に取って代わったようにみえます。
これはいったいどういうことなのでしょうか?
インフルエンザの報告数が極めて少ない理由として次の三つ(a,b,c)のことが思い浮かびました。
(専門的知識や情報に基づかない臆測です)

a.インフルエンザに感染して症状を自覚しても、本人には新型コロナウイルス感染との判別が困難であり、新型コロナウイルス陽性者とみなされることが嫌で医療機関を受診しない人が多い。

b.医療機関にインフルエンザ様疾患の人が受診したとき、新型コロナウイルス感染の検査はするがインフルエンザの検査
をしないことが多く、インフルエンザ感染者が新型コロナウイルス偽陽性になっているケースが多い。

インフルエンザ様疾患や新型コロナウイルス様疾患の受診者へ両方の病原体検査がされているのでしょうか?(同時識別できる検査法はあるようですが)
今年の第36週~第47週におけるPCR検査数は約200万件(出展:厚生労働省HP)となっています。例年並みにインフルエンザが広がっていると仮定すれば、検査した人の中にも多くのインフルエンザ感染者が含まれていなければ不自然ではないかと思いますが、報告数は0か微々たるものということになります。

c.純粋に
インフルエンザ感染者が少ない。

新型コロナウイルス感染防止のための対策が功を奏して、インフルエンザ感染者が広がっていないのでしょうか?(特段の感染対策をしていなかった国のインフルエンザ感染状況はどうなんでしょうか?)
新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスに干渉して抑え込んでくれている、ということがあるのでしょうか?


aであれば、受診しない人の中に新型コロナウイルス感染者も潜んでいる恐れがあることになります。
bであれば(もし、そういうケースが多いとすれば)、PCR検査結果の数値(陽性者数)だけをみて右往左往し多くの人の犠牲を強いたり莫大な金を投入していることは悲劇(喜劇)になります。
cであれば、大多数の人にとっては素直に喜んでよいことになるのでしょうか?

このままインフルエンザ報告数が少ないままで推移すれば、インフルエンザ関係での今シーズンの医療機関受診者数は数百万人少なくなります。
それに係る診療報酬(医療費支出)もたぶん1千億円以上は抑えられることになります。
開業医にとっては喜ぶべきことなのかどうか・・・