鎌倉に50年以上住んでいた。
子供の頃 から農産市場はあった。
ただお百姓さんが作った野菜を持ち込ん で売っている
マーケットだと思ってい た。 子供ながらにドロドロしたマーケットと
いう感じであまり魅力を持っていなかっ た。
なぜならもっと家に近いスーパーに 野菜は売っていたからだ。
だから大人になっても前を通り過ぎても 中に入ったことはない。
近年鎌倉を特集するテレビ番組は 必ずと言って良いほど
この市場を紹介 する。レストランでも特別に 鎌倉野菜を使ったメニューがある。
六本木のレストランのシェフは築地に行 くのかと思いきや
朝いちばん電車で この市場に仕入れに来るという。
東京からは時間も電車賃も大変だ。 農家も鎌倉野菜と銘打って
次々バーニャカウダにあうような新種の野菜を作って いる。
両親が健在だった頃は鎌倉に行っても 茶の間のお喋りだけで帰っていた。
車で行った時でも鎌倉野菜は買わなかっ た。
今は教会だけなので帰り道寄ってみた。 お昼過ぎなのでたぶん
半分以上の 農家は店を閉めてしまったようだが まだ開いている店は
なんとなく 観光化した感じで誇らしげに野菜を 並べていた。
何十年も前の印象とは全く違った 市場になりおしゃれになっていた。