ふぶきの部屋

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画11

2014-05-04 07:00:00 | 昭和の少女漫画

今回も萩尾望都ですが、「ポーの一族」のその後を・・・・

時代が変わるに従ってエドガーたちの服装がそれなりい変わっていく楽しみもあります。

 

 「メリーベルと銀のばら

                                 (1972年 少女コミック)

登場人物・・・エドガー

         メリーベル

        オズワルド

        ユーシス

ストーリー・・・エドガーとメリーベルはエヴァンズ伯爵の愛人だったメリーウェザーの子供達。

         小さい頃に捨てられてポーの村で拾われ、育てられる。

         ある日、ポーツネル男爵がシーラを連れて来て、彼女がバンパネラになるシーンを

         目撃してしまったエドガーは成人後にバンパネラいなる約束をする。

         メリーベルはよそへ養女に出される。

         ポーの村が魔女狩りに合い、老ハンナが死に、エドガーは長老によって少年で

         ありながらバンパネラになる。

         一方、メリーベルは成長し、そうとは知らず、エヴァンズ家のオズワルドとユーシスに

         出会い、やがてそれはエバンズ夫人の知る所になり・・・・

         迎えに来たエドガーに連れられてメリーベルは旅立つ。

 

「ポーの一族」シリーズの中でも名作の誉れ高い作品です。

特にメリーベルがユーシスに髪にからみついて沈丁花の枝をとってもらうシーンは

後に、河原泉の「笑う大天使」に使われていますね

第一話におけるメリーベルは非常に病弱で意志も弱いように描かれていますが

この「メリーベルと銀のばら」「エヴァンズの遺書」では元気な彼女を見る事が出来ます。

メリーベルにとってオズワルドは兄。という事はエドガーにとっても兄だったわけで。

そのエヴァンズ家の行く末をエドガーは見守る事になるのです。

 

 「エヴァンズの遺書」(1974年 少女コミック)

登場人物・・・エドガー

        メリーベル

        ヘンリー・エバンズ

        ロジャー・エバンズ

        エレン

ストーリー・・・嵐の夜に馬車が転落して怪我おしたエドガーは、通りかかったヘンリー・エバンズに

        拾われる。ヘンリーはオズワルドの孫で、オズワルドが残した遺書、

        「エドガーという少年が現れたら全財産を彼に譲る」を大切に保管している。

        エドガーと出会った事は運命と思い、ヘンリーは毎日記憶を失ったエドガーの

        世話を楽しむ。

        そんな兄を心配し、メリーベルは貴族の娘としてエバンズ家に滞在。エドガーの

        記憶が戻るのを待つ。

        そしてある日、エドガーは本能を発揮してしまい・・・・

 

個人的にはこのお話に出てくるメリーベルが一番好きです。

明るいし元気だし、いつも兄に庇護されていた彼女が逆に守る立場になる。

バンパネラになって、ある意味ずぶとくなった彼女を見るのは非常に楽しかったです。 

       

 「アロイス」(1975年 花とゆめ)

登場人物・・・ルカス・キップハルト(表紙右)

        アロイス (表紙左)

        ハーゲンハインツ

        リースベルト

 

ストーリー・・・ドイツの田舎、シュワーベンの夏休み。寄宿学校から帰ったルカスと友人達。

        作家のハーゲンハインツも一緒になる。

        ルカスの中には「アロイス」という別人格がいて、ルカスはそれを信じているが

        ハーゲンハイツ他、両親もそれはルカスの「心の病」であると決めつける。

        母が臨月で転んでしまい、双子のルカスは助かり、アロイスは死んでしまった。

        その罪悪感がルカスの中にアロイスを生んでいるのだと・・・・

 

まだまだ精神医学が発達していない70年代。

二重人格の原因をどこに求めるか・・・という研究はまだ、なされていない時代の話です。

ルカスの中のアロイスの存在理由は、母の思いとルカスの思い。そこから抜け出た時に

アロイスとルカスが同化するだろうとハーゲンハインツは言うのですが。

その事に怒ったアロイスは暴走。そしてルカスの人格を取り込んでいまうのです。

非常に怖い話だし、今なら色々な意味で納得できるなあと思う作品。

名作だと思います。

 


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10 コメント

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ふぶきさんって! (ジュゴン)
2014-05-04 07:07:43
貴女様!
まさか、笑う大天使 をお読みとは!

深いお方!

お願い!

川原大教授についても語って下さい!
私は教授の作品は大好きで、
特に、「架空の森」 「殿様は空のお城に住んでいる」が大好きです!

ウレピー

私がおばさんになっても・・・ (うさのうさみみ)
2014-05-04 08:51:51
ふぶき様 やっぱりポーですよね!

「ポーの一族」って時系列が一定ではないのでコミックで読んで「あ~なるほどね」と納得したり
ノートに各章のタイトルとあらすじなんか書いて年表を作ってみたりしましたっけ 無用なところでまめ(笑)

ユーシスがメリーベルの髪をほどいてあげるシーンは絵画でしたね 世の中にこんな絵が描ける人がいるんだって感心しました なんせ田舎町に住むチュウボウのこと、まさに異次元の世界でした
バンパネラが死ぬ瞬間 さらさらと霧か砂のように消えていくのってお伽噺みたいで 心臓に杭を打たれて「ぐえー」じゃないのがある意味カルチャーショック!
そうかこんな吸血鬼がいるのね(いません) 恐るべし萩尾ワールド!
以前も書いたけどキリスト教圏のバンパイア映画ではやっぱり異形の化け物でしかなく・・・ 日本人の感性は独特のようで もちろんいい意味ですよ

「アロイス」も怖かったですね
最後に「アロイスって呼んでよ」ってニヤッと笑う
なんだ?この含みをもたせた終わり方
多重人格 そうですね、それもありか 色んな解釈が可能ですね

私がおばさんになっても充分鑑賞できる
オモー様 すごい!!

Re:ふぶきさんって! (ふぶき)
2014-05-04 09:17:47
ジュゴンさま
了解しました。川原泉、とりあげますとも!
Re:私がおばさんになっても・・・ (ふぶき)
2014-05-04 12:50:58
うさのうさみみさま
年表?すごいですね。
絵画的で美しい絵ですね。
Unknown (翡翠)
2014-05-04 23:28:24
今日、「アロイス」読んだところでした。驚きました!
何という偶然。
過去何度も読んでるんですが
今日もたまたま手にとって・・・。
一気に読んでしまいました。

「温室」「モードリン」など収録されててどれもちょっと
怖い・・・ですよね。

確かにあの当時はまだ
精神医学の領域について
世間でも認識が薄かったですね。
二重人格の場合、強い人格が
支配してしまう、と
言われていますから
アロイスが乗っ取ってしまったのかもしれず、
本当に一人の中に死んだ
アロイスの魂が棲みこんでいたのかもしれず・・・・と
色々解釈できますね。
ちょっぴり怖くて
切ない物語です。
絵も美しい。
Re:Unknown (ふぶき)
2014-05-05 06:30:54
翡翠さま
まあ、偶然ですね。
温室って意味がわからず、モードリンは
怖いし。アロイスは隠れた名作ですね。
私もオタクで・・・ (重陽)
2014-05-05 21:32:20
私が少女漫画がダメだった理由があります。
中学生位の時に名前の由来に興味lを持ちまして、色々本で調べたり=アハハ、モロオタクヤンカ!
そうしますと、少女漫画の登場人物の名前が納得できず、イライラして敬遠しておりました。

歳経て、少しは緩くなったからダメじゃなくなっているかもしれません。レンタルしようかな?
初心者へのお奨めを教えていただけましたら有り難いです。
漫画の部屋にこんばんは (mituba)
2014-05-06 21:34:16
私が昔々はまったのは水野英子さんと、わたなべまさ子さんでした。その後はジュニア小説、赤毛のアン、嵐が丘、風とも類にはまり込んでーー、ベルばらまでは空白期間。そしてまた歴史にはまってーー。
でもふぶき様が紹介して下さる作家の方々のお名前はいくつかどこかにはいっています。多分歯科とかその類で読んだのだと思います。だから治療が終わると連載も読めずーー。レンタルなどがあるのですか?昔は貸本屋があったような気もしますが。ふぶき様の管理の良さに敬服です。私も読んでみたくなりました。そういくつになっても心だけは自由。年齢かんけいないですよね。
ときにに千代田に地震ですが、千代田区の某所は気象庁地震観測の計測機が或る場所だそうです。こんなことをいうと身も蓋もありませんが、でも神様のお怒りとか、わかります。私の覚えている昭和の時代にも地震がありましたが(数は少ない?)ARERAのご成婚以降の地震の多いこと。大地震、法則きたー ですよね。絵文字で書けない (笑い)
ちなみに幕末の『「安政の大地震」はこのような幕末の多難な状況下で討幕運動に呼応するかの如く連発した大地震であった 』 WIKIより そうです。
そういえばダイアナ元妃の阪神訪問も、M子さんが行ってないのにみたいだったそうですね。 嫁公務お疲れ様です。お休み下さい。
懐かしいです。 (猫カフェ)
2014-05-09 17:25:28
ここでは私がハマった長編漫画の名前が出てきて嬉しいです。
「王家の紋章」「王城・アルカサル」「摩利と新吾」
他には「ベルサイユのばら」「パタリロ」「日出処の天子」
わたなべまさこさんの「セイントロザリンド」だったかな、ご存じの方いらっしゃるでしょうか。愛らしい幼女が善意で恐ろしいことをしてしまうお話です。教会のシスターたちを十字架にかけちゃうシーンがありました。
Re:懐かしいです (ふぶき)
2014-05-09 21:24:16
猫カフェさま
わたなへまさこだけ、読んでないんですよ。
私も色々読み直して楽しんでます。

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