11月18日。1週間前に比べると客席の空気が違う。
紫苑ゆうさんところの総見だったから?
真矢みき、白城あやか、毬藻えり、早乙女幸、他シメさんの同期多数ご感激でした。
トート・・・紫苑ゆう
エリザベート・・・花總まり
フランツ・ヨーゼフ・・・高嶺ふぶき
ルキーニ・・・湖月わたる
ルドルフ・・・涼紫央
小ルドルフ・・・望月理世
エルマー・・・夢輝のあ
マックス・・・立ともみ
終演後も拍手がなりやまず
コメントを求められたシメさん。
お花様に「ミーミル」と呼びかけ初風さんには「雲の上のアントワネット様」すずみんには「教え子」と呼びました。
「教え子」ですずみん以下下級生全員が手を挙げて
そうそう、わたる君には「私の愛する愛するわたるちゃん」と呼びかけ、わたる君が跪くシーンも。
何もかも「紫苑ゆう」の為の公演で、それが全然嫌味でもなんでもなく、出演者も観客も同時に盛り上がって
「古き良き宝塚」に戻ったような感覚になった公演でした。
この熱っぽさは星組伝統 だと・・・思います。
心なしか他の出演者も熱くなっていたような気がします。
さて・・冷静に冷酷に紫苑トートですが。
一言で言うと「どこまでも残酷な黄泉の法皇様」だったと思います。
つまり歴代トートのどの解釈とも違う「紫苑型トート」とでもいいましょうか。
トートの役作りの解釈は「無表情を貫き通しながらエリザベートに張り付く」一路型と
「エリザベートを愛するがゆえに喜怒哀楽が激しい」麻路型に分かれていました。
姿月も春野も水も、そのどちらかに属していたといえましょう。
ところが、紫苑型トートはどちらでもない、全く新しい「原点に戻ったようなトート閣下」だったわけです。
トート=死神=人の命を奪ってもてあそぶ存在
冒頭の登場シーンから一貫してこれです。
ゆえに、紫苑トートは大きな壁のようにエリザベートの前に立ちはだかります。
どんなに言葉を尽くして拒絶しても全く通じない・・・・トートの価値観はぶれないので説得のしようがないのです。
エリザベートが泣いて抵抗しようが、大げさに拒絶しようが全く動じない・・・・そこが恐ろしい
寝室の場面でエリザベートに拒否されると思い切り悔しがる。一路は無表情でむっとし、麻路は悲しみのあまり
顔をゆがめ、紫苑は「なぜだ!」と悔しがる。
小ルドルフが「猫を殺した」と歌えば、たいていのトートは驚くのですが、紫苑トートは
「ほう?よくやったじゃないか」と笑顔で褒めるようなしぐさ。人が嘆くような時こそ笑う恐ろしいトート閣下でした。
ラストシーンの昇天も、ハッピーエンドというより「最初から結末は決まっていたのだ」という感じで、
これが本当の黄泉の帝王?
正直、歌唱力の面では姿月の足元にも及ばないと思います。いいのか悪いのかわからないけど
オーケストラのリズムを無視して溜めるので一瞬「歌詞が出てこないんじゃ?」とハラハラしましたし。
音程も苦しいんだろうなと思う部分が多々。合わせる方も大変だったのではと思います。
しかし、しょっぱな、後ろからせりあがってくる姿からしてもう「王者の風格」そのもの。
あのごてごてっとした重苦しい衣装を軽々と着こなして、ものすごい威圧感の中で君臨している印象でした。
「愛」という言葉がこんなに似合うスターはいないんじゃないかな・・・と思いました。
シメさんの言う「愛」は何か特別なんですよね
それと、ラストシーンの白装束にスターブーツ 何という足の長さっ
お世辞なしに似合いすぎっ
これが本当の宝塚のトップスターなんだと思いました。
花總まりが小娘に見えたというのがすごく貴重だったかもしれません。
他の出演者については
高嶺ふぶき・・・・1週間前より包容力がアップして理想の皇帝陛下になっていました
何であんなにやさしい顔が出来るのか。私の大好きな笑顔でした。
花總まり・・・・今回は戦うエリザベート。そうしないと紫苑トートに連れて行かれそうになるからでしょう。
少女次代は1週間前より可愛らしくなっててびっくり 花總恐るべし。
涼紫央・・・紫苑との「闇が広がる」は師弟対決なんでしょうけど、雰囲気だの顔だのが似てて「親子共演」の様相。
歴代ルドルフの中ではもっとも鬱度が高い存在でした。それゆえに、死ぬ時の笑顔が切なく。
まあ単に「渡辺先生から渡された銃なら喜んで撃っちゃう」気分だったのかもしれませんが
夢輝のあ・・・ガラのエルマーはあまり行動する場面がなく、歌っては引っ込む程度。そんな中、夢輝のあのエルマーは
どんどんおぼっちゃま度が増している感じ。三郷真也のツェップスが深刻な顔をしているのに、
夢輝エルマーは理想を掲げれば何でもうまくいくさーー的な明るさがあって、その笑顔がやたら可愛らしくて
このおっとり感がいいなあと思いました。
大月さゆ・・・ヘレネのオーバーリアクションな演技がとても好感を持てます。花總の隣にいるのは嫌かもしれないけど
若さの分、十分に可愛いと思いますし。回りを和ませる美しさがありますね。
南海まりといい、この大月さゆといい、歌劇団は本当にバカだったなあ・・・・(何で愛原?なんで蘭乃?)
カーテンコールはシメさんのさよなら公演の再現をみているような?
「宝塚って本当にいいなあ」っておっしゃったけど、そう思わせてくれる紫苑ゆうという存在があったればこそ
ファンも熱くなれるんですよね 生徒もファンもいっしょくたになって楽しめるのが宝塚だと思いました。
本当に貴重な公演でした。
見えますね。どの歴代トートに属していないと
いうのも面白いです。さすが、です。
同期の皆さまもいらっしゃるなんて、特別公演の
雰囲気。私も行きたかったです。
DVDは梅芸収録なので、お花さまがどのようになって
るか楽しみです。
そういえば、昨日は宙組友の会公演に行ったのですが
終演直後に2階席ロビーで理事長見かけました・・・。
何ていうか、宝塚独特の雰囲気になっていまして。
シメファンのすごさを感じました。
ファンも一緒になって懐かしい思いにかられていたような気がします。
4代目理事長ですか・・・一度顔を拝みたいものです。
迸るような熱さが大好きなのですが、
その伝統はシメさんから発することを確認した公演でした。
私は大鳥エリザベート、彼女は人間味のある役作りなので、シメさんの得意とする魔性・狂気に近い情熱が
よく出ていた組み合わせだったと思います。
低音部は苦しそうでしたね。
でも宝塚ではこんなものを観たいのだ!
はっきり確認する公演でした。
もう2度と舞台にはたたないと退団時に断言していた
シメさんが舞台に立つこととなったのは、
トートができなかったから。
トートへの執着?愛着?あふれていましたね。
シメさん、自分が退団した直後にエリザベートをやったので本当に悔しくて仕方なかったようです。ご自分のディナーショー等ではよく歌っていたみたいだし。これの為に2年間もボイストレーニングをされたなんてさすがですね。