ふぶきの部屋

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植田景子作品を語る

2016-02-01 08:36:00 | 宝塚コラム

 土曜日に「舞音」「GOLDEN TAZZ」二回目を観劇。

今回の月組を初観劇の友人は(ヅカ歴多分50年くらい)

わけわからん。植田景子さんは才能がない。柴田先生の作品の一部分を

パクってるだけじゃん。ああ、柴田先生の不条理劇が懐かしい」と叫んでおりました。

また、別の友人は前回の「舞音」評に「手ぬるい」の一言を。

ははは・・・・ ここまで言われる中堅作家は谷・石田両先生以来ではないかと。

二回目の今回、お芝居は私、寝てました・・・・・ 11列目で。

ちゃんと見てた友人は「美弥るりかが主役なの?」とおっしゃり。

お芝居の中で早乙女わかばが「愛ってなに」とか言ってるけど、その「真実の愛」

というのは一体何なのか答えが出ないまま話を書いたような感じがします。

今の脚本書きの体制というのがよくない事は話に聞いています。

書いても校正する暇がない・・・・という事で。

通常、脚本は10回くらい書き直しをして漸く1本にまとまるものですが

その「書き直し」が出来ないという事は、まだ出来上がってない状態で上演してしまっている

ということなんですよね。

歌劇団としては、はっきり言ってオリジナルなんかどうでもいいんじゃないかと。

海外ミュージカルさえ上演していたらお客は一杯入るし。

だから手直しもさせないのだろうと思います。

 

が。

植田景子さんには年相応の女性としての感性が書けているような気がします。

この方もう48歳でしょう?

恋愛とか結婚とか・・・男女関係に関しては一つの答えが出ているような年齢だし

例えば心は「乙女」だったにしても、やっぱりそこまで現実離れした話は書けないと

思うんですよね。

「舞音」に関していえば、恋愛物なのに主役の二人が寄り添うシーンがほとんどなく

生き方や考え方のギャップが見えない。

革命のシーンに力を注ぎすぎて、ラストは死なせて終わりでは安易すぎ。

一番は、シャルルの婚約者が実はどう思って、どう傷ついたか・・・というのを一切

表現させないあたり、気遣いがなさすぎといえます。

以前から植田景子さんは「娘役嫌い」ではないかと疑われていますが

今回もやっぱりそう。ついでにいうなら愛情を持てない男役にも冷たいのだとわかりました。

私が友人に「植田作品でいいのってあった?」と聞いたら「・・・・わかんない」と言われました。

そこで、作品を列挙してみたいと思います。

 

 『Icarus―追憶の薔薇を求めて―』(1998)・・・雪組・安蘭けい

本人のデビュー作で尚且つ安蘭けいバウ初主演作品。

ビデオで見てもビジュアル以外のよさがあまり感じられない。

 「シンデレラロック」(1998)・・・月組・大和悠河

男性のシンデレラという設定だったけど、当時は酷評された記憶が。

 ロミオとジュリエット99(1999)・・・花組・水夏希

この年はシェイクスピアをテーマに各演出家が色々書いたけど、この作品は

ひねりもなにもなく、ただ退屈な仕上がりに。

 「ルードヴィッヒ2世」(1999)・・・花組・愛華みれ

大劇場デビュー作品。意味不明な作品として今も語り継がれている。

 「アンナ・カレーニナ」(2001)・・・雪組・朝海ひかる

原作があるのに、ただただ意味がわからず、退屈な作品に。朝海ひかるの

ビジュアルのよさでもった作品

 「エイジ・オブ・イノセンス」(2002)・・・宙組・椿比呂花

実際に目の前で見て、最初から最後まで意味不明。もはやストーリーを覚えてもいず。

 「シニョール・ドンファン」(2003)・・・月組・紫吹淳

紫吹淳のかっこよさに頼っただけの、テーマなき作品

 『THE LAST PARTY~S.Fitzgerald’s last day~

フィッツジェラルド最後の一日(2004)

月組・大空祐飛

宙組・大和悠河

植田さんの作品としてはこれが一番まともで「普通」な作品。

そうはいっても少々くどかったし、わかりにくい部分もあり。

 「洛陽のパレルモ」(2005)・・・花組・春野寿美礼

最初から途中まではいい作品。でもラストでがっくり。

身分違いに苦しんだ二人があっさり結ばれる結末に唖然茫然。

 Le Petit Jardin―幸せの庭―』(2005)・・・宙組・悠未ひろ

当時、結構若い人には「面白い」と言われた作品。

「幸せを運ぶレストラン」がテーマだったかな?ロマンチックといえばロマンチックだったけど

今思えばもうちょっと改善の余地が。

 「堕天使の涙」(2006)・・・雪組・朝海ひかる

朝海ひかるを綺麗に見せる事しか頭になかった作品。

娘1をぼろぼろの盲人にしてしまった罪は大きい(さよなら作品なのに)

セリフの中に「神よどうか答えて」というようなものが乱発されてて、結局本人が

意味わかってないんじゃない?と。

 Paradise Prince(パラダイス プリンス(2008)・・・宙組・大和悠河

ただただごちゃごちゃしただけのお話し。

 「舞姫」 (2008)・・・花組・愛音羽麗

多分これが植田作品の最高峰になるんでしょうけど・・・・・

 「HOLLYWOOD LOVER」(2008)・・・月組・大空祐飛

 「My dear New Orleans(

マイ ディア ニューオリンズ)-愛する我が街-」(2009)・・・星組・安蘭けい

さよなら作品なのに寝てしまう程つまらなかった。

 「ハプスブルクの宝剣」(2010)・・・星組・柚希礼音

原作が大変面白かったのに、なんでこんなバカな作品になるのか?と怒った作品。

ご本人いわく「書きたくて書いたんじゃない」らしい。

 「オネーギン」(2010)・・・轟悠

未見なのでわからず。

 「クラシコ・イタリアーノ」(2011)・・・宙組・大空祐飛

長々とビデオを流すシーンにいら立ち。これはさよなら風を装っているけど

ストーリーとしてはめちゃくちゃ。

 近松・恋の道行」(2012)・・・花組・壮一帆

これはそもそも大元があるので。

 「ジャン・ルイ・ファージョン」(2012)・・・星組・紅ゆずる

化粧品メーカーとタイアップしたわりに、さっぱり意味がわからない作品。

マリー・アントワネットに普段着を着せるというポカをやってしまった。

恋愛でもなんでもない。

 「愛と革命の詩アンドレア・シェニエ」(2013)・・・花組・蘭寿とむ

アンドレア・シェニエは何もせず、ただ歌って詩を読んで終わった作品

 「The Lost Glory - 美しき幻影 」(2014)・・・星組・柚希礼音

ストーリーが完璧に破たんしてて駄作もいいところ。

 「舞音」(2015)・・・月組・龍真咲

原作があるのに、ここまでひどいストーリーに出来た事がすごい。

 

最初からきちんと筋立てた作品を書けない人ではありました。

意味不明というか、何を言いたいのかわからない・・・起承転結がきちんとしていない。

自分がやりたいことを優先しすぎて破たんするパターンも多かったように思います。

そしてデビュー以来、技術力が何一つアップしてないというのが問題ではないでしょうか。

むしろ、ストーリーの破たん状態は増している。

つまり年齢と逆行して技術が衰えているのではないかと思うわけです。

何かを描きたいと思った時、とりあえず書き始める、まとまらない。ラストを決めて

そこに向かって書き始める、まとまらない。時間がないから適当に終わらせる。

というのが植田パターンなんですね。

今回の「舞音」も、マノンに翻弄されて落ちていくシャルルを描きたかったのかインドシナ

独立運動を描きたかったのかわかりません。

珠城りょうが演じたマノンの兄がチンピラで前半で死ぬという設定も意味不明。

革命と絡ませたかったら、むしろ指導者のひとりにすべきだったのではないかと。

全くかみ合わない「恋愛」と「革命」を同時に進行させてシンクロせずに終わるというのが

そもそも安易すぎるというか、何を描きたかったのかわからない。

トップスターを頂点としたピラミッド型の組織の中で、トップの見せ場もなく、2番手を

前半でなくすとか、役がないから「もう一人の主役」を与えて歌わせない、喋らせないを

やってしまうとか、美しい娘役に綺麗な恰好をさせたのが一瞬で、あとがぼろぼろとか。

どこにも必然性を感じない事ばかりやってるんですよ。

植田景子さんはいつもそう。

必然性がない事ばかりやってる。だから感動がないの。

人と人との繋がりがない事、恋愛を知らないこと、世間を知らない事、中途半端な

知識をひけらかすこと、そういう部分がもろに脚本に表れていると思います。

ロン・ボイミンなんて架空の名前を出すくらいなら、きちんとホーチ・ミンと出すべきだったと

私は思います)

フランスに支配されているインドシナで、支配階級と被支配階級の間に生まれた兄と妹の

葛藤とか、植民地支配の弊害・差別問題に対してこの兄妹は何をどう考えていたのかとか

一切語られていないので浅薄すぎるのです。

何でベトナムがフランスに支配されていたのかとか、フランス人に恋をするとはどういう事か

とか、色々表現すべきことはあったよね。

その上で、だから「独立運動」っていうならわかるんです。

そして実在のホーチ・ミンを出すならもっと前に出さなきゃ。

今まで現地の女性とフランス男との間に起きた様々な悲劇の上に「独立運動」は

成り立っていることを表現しないといけなかったのではないかと。

宝塚ファンにとって、それが重すぎるテーマであったなら、いっそ恋愛だけにしてほしかった。

「ミス・サイゴン」「蝶々夫人」など、弱き国の悲劇は多々舞台化されていますが

しょうがない。そういうパターンでいくしかなかったのではないかと思います。

 

という事で植田景子さんは脚本家として終わりだと思います。

でも歌劇団は外にいる沢山の優秀な、でも芽が出ない作家を無視して

この人を使い続けるんだろうなあ。

 


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9 コメント

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その通りです (ゆうゆママ)
2016-02-01 16:02:02
ふぶき様
言いたいことを全ておっしゃって頂いた感じです、ありがとうございます。
ひたすらみりお君の綺麗なお顔と黒天使の素晴らしいダンスと退団のみーを観ていた『アンドレア・シェニエ』…でもまだお話は理解できた
ストーリーは破綻してても星組さんのキラキラ感で乗り切った『ロスグロ』…真風くんのチャラいけど意外に真面目なキャラが良かった
同じく破綻しまくってるけど月組さんの手堅い、と言うより必死の芝居で何とかもってる『舞音』…プレ退団でまさお歌舞伎絶好調なトップには貴族のフランス海軍のエリート、男前な娘1には真逆の何も考えてない男から男へ渡り歩く高級娼婦、まるで似合わない役を与えられ何かの罰ゲームのよう☆
動かず喋らなければ真っ白な軍服に優雅なアオザイでとても美しいのに(フランスチームのこれぞ男役な白軍服は感動です♪)
あっさり殺される2番手??話さない歌わない役を表情と踊りでやりきったみやるりと誠実な友人を力強く歌いきったかちゃ
華やかで愛らしい婚約者わかばちゃん!絶対カロリーヌの方が可愛らしいし幸福になれそう…本当に『愛って何なのか』さっぱりわからなかったよ~!
反政府運動を素晴らしい芝居で盛り上げた生徒達…新人公演の方が素直に感動できましたよ!生徒さん達の芝居が素晴らしいほど脚本の薄っぺらさが浮き上がります、何度見ても油断すると落ちます…お隣さんは最初から最後までイビキかいてました。
『ロスグロ』もそうでしたが『舞音』ではお芝居の鬱憤をはらすようにショーではやけくそのようにタンパリン叩いて来ました♪
売れないのはトップ以下生徒のせいにされ脚本や演出は責任無しなんでしょうか?
色々と不思議な人事と相まって劇団には『月組をどう考えているのか』聞きたいものですね!
まさおには次回の『信長』で思い切りまさお節でやってもらいましょう♪癖のあるトップさん…居なくなると思うと寂しいです
長々と失礼しました
舞音、感激してきました (KITO)
2016-02-01 16:24:04
ふぶきさま
お久し振りでございます。年始のご挨拶もせず如月を迎えてしまいました(汗)今年もよろしくお願いいたします。

私も先日、舞音・ゴールデンジャズを観劇して参りました。
ゴールデンジャズ、楽しかったです♪
舞音は何が伝えたいお芝居なのか...
私には消化出来ずモヤモヤした気分です。

マノンの生い立ちなら、お話前半はもっと屈折して、廃退した印象でいいハズなのに。素直なまま成長してるなら、たまきち演じるお兄さんがもっとマノンを大事にしてると思われるのに...
そんなこともなくマノンってどういう娘さんなんだろう?と、不思議でした。
シャルルが一目惚れするほどの輝き(白オーラ、黒オーラどちらにしても)は感じられず...愛希さんはマリーアントワネットの時、あれだけのオーラを出せたのだから彼女が原因とも思えず...先生方からの指導であえてオーラを出してないのかな?!と思った次第です。

シャルルに共感できなかったのは、私が十分に大人になってしまったからなのかしら?と

婚約者の描きかた(わかばちゃん)はかわいそうでしたね...ふぶきさまのおっしゃる通りです。もっと深く描写してあげなくては。

みやるりの役、必要だったかなぁ?心情部分(みやるり)と表面に出ている部分(まさきさん)にギャップがあるなら必要な役だけど...そんなことないし。

はぁ、フラストレーションの溜まるお芝居でしたー。

ショーがあってくれてよかったです♪
そういえば・・ (ゆうこ)
2016-02-01 20:16:49
個人的には(笑)宙組の『エイジ・オブイノセント』アメリカ映画より出来は良かったです
椿比呂火には難しすぎたしそのほかのメンバーも全体的に下手(笑)でもよかった
なんででしょうかね?映画は青春の時期を過ぎた人がやってたけど、当時の宙組はほんとに青春真っ盛りのメンバーだったからかな?青春は恥ずかしいことの連続・・

『アンナカレーニナ』も映画ビビアン・リーの作品より感動的だったな(笑)
舞台は疎の後見たけど井上芳雄と朝海ひかると比較すれば・・朝海の方が不条理感があって良かった

植田さんは人間の心の奥底の井戸の中をのぞき込むような事は嫌いなんでしょうね
怖いけど見ることは結構良い事なんだけど・・なぜか嫌いみたいですね
何かをつかむことより、風に吹かれてぼんやりして居たい・・そんな作品は結構素敵に仕上がりますが・

宝塚のようにメジャーな舞台は向かないのかも?
意外と『トーマの心臓』とか彼女が演出したらどうなるんかしら?とふと思った
もう柴田先生のような天才は現れないのかしら?
あーあとため息(笑)
Unknown (茉莉花)
2016-02-02 01:01:00
ハプスブルグの宝剣

やはり原作は面白く、舞台はなんで?という印象を持たれた方がいたと知り感激です

脚本がダメだったのね。

オネーギンみましたよ。みみちゃんひろいん。
だけれど、ヒロインとの絡みより、貴族の若手であるトドに焦点を当てて、ひたすら苦悩することに徹していたような。
ミミちゃんと再会するのだけれどミミちゃんにはもう旦那様がいて。それをトドが苦悩。そして、革命にやはり命をかけるしかない!という感じで終わってしまったような。中身がなかったような。たしか、オネーギンも原作はあるはずです。
Unknown (彩)
2016-02-02 08:24:46
シニョールドンファンは閑古鳥が鳴いている状態で、確かに中身のない内容でしたね。
ヒロイン姉ばかりが美化されすぎキャラクターを男役でもいけそうな紫水梗華さんが演じたズレ。
紫吹のお気に入り下級生だったから使われたようですが、あの中身のないヒロイン像では娘役トップであるえみくらの扱いがあまりに悲惨で同情すべきものがありました。

ルプティジャルダンは駄作とは思いませんでしたよ。
あひちゃん、ともちんの格好良さが際立ち、クールビューティーな役を地味で垢抜けているとは言い難いまちゃみやたっちんが意外にも演じきっていましたし、ヒロインの悲しみを秘めているがための強がりぶりもよく理解ができました。
私悪くないもん (わさび)
2016-02-02 20:28:48
御用記者藪下さんが新人公演評で「装置や音楽、振付に外部の精鋭を起用した冒険心は大いに買えるが、その効果は半々。様々な事情はあったにせよ、宝塚の優秀なスタッフをもっと信頼してほしいと思ったのは私だけだろうか。」と書かれていました。「私の作品の評判がイマイチなのはスタッフのせい」とでも思っているのかしらと深読みしてしまいました(汗)
安心 (英)
2016-02-07 02:32:40
初めて書かせて頂きます。植田景子に対する疑問みなさんもだったのですね。面白くない意味不明。
舞音みましたが半分意味がわからず意識不明に陥り作品の内容が分からないまま終わった感じ。ゴールデンジャズがなかったら金還せって思いました。と言うか月組ショーだけにして半額で上演してれば龍退団一個前なのに最初東京であんな売れ残り現象なかったんじゃないでしょうか。植田景子早く退団してください。やっぱり金還せ!
双頭の鷲を観劇して思った本音 (ナツ)
2017-07-25 09:36:47
初めまして。おなじ思いの、ナツです。
「双頭の鷲」を観劇して思った本音。
演技者は皆、それぞれに素晴らしいのに、
ストーリーが酷い。共感し泣けるところは最後のシーンのみ、轟さんが花組で演じた、「リンカーン」と雲泥の差。
組子さんが頑張っても、いい作品に巡り合わないと、かわいそうに思います。
はっきり言って、植田景子作品は、世界で演じられているミュージカルを、そのままパクリのように感じます。
心が全く震えない、共感できない、独りよがり。
演出家の才能はない。つまらない作品はやめて。
小林理事長さま、早く気が付いてください。
世界に通用する劇団は良い作品があればこそです。
ああ、無情 (ナツ)
2017-10-11 22:58:16
「ハンナのお花屋さん」
ああ、無情な作品でした。
植田さんの作、演出では感動しません。
96期生の彼女が目立つのか疑問。
他の演技者は本当に素晴らしいのに。

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