ふぶきの部屋

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画5

2014-04-15 07:00:00 | ドラマ・ワイドショー

 みなさん、漫画が好きでいてくれて嬉しい

「いつまでとっておくんだーーゴミの山だ」と言われて来た40年が報われた思いです。

そりゃあ、たびたび引っ越しもしました。マンションもアパートも狭かった。

それでも何とか守り抜いた漫画達をこうやって紹介出来るのは

生きててよかったーーと思います。

 「呪われた孤島」(昭和49年別マ)

登場人物・・・小座倉曜子 (表紙)

         日下部亜矢

         間久部五郎

ストーリー・・・無医村の孤島に日下部亜矢という医師がやってきた。

         これで村は救われると大喜びしたが、実は亜矢は医師界を

        追放され復讐をたくらむ女だった。

        島に毒クモがいて、その解毒に八千代菊が効くとしると全ての

        菊を刈り取りエキスを作り、毒クモを操り、島を掌握していく。

        網元の娘、曜子は亜矢の陰謀で父を殺され、自分もまた殺されかけ

        命からがら島を脱出し医学部に入る。

        そこで知り合ったインターンの間久部五郎と共に、島を救う為に帰る。

 

いやーー本当に怖い漫画でした。特に亜矢のセリフ

今に見ているがいい そして後悔するがいい この島は地獄になるわよ」の

ドアップは夢に出てきます。さらにラストで亜矢が毒クモに殺されるシーンは・・・・

こ・・・怖すぎてっ

でもだからこそ面白いというかドラマチックというか。

少女漫画では異色の分野だったなあと思う今日このごろです。

 

 「怪盗アマリリス」(昭和48年別マ)

登場人物・・・椎崎奈々 (アマリリス) 表紙

        佐藤容子 (奈々の同級生)

ストーリー・・・怪盗アマリリスとして金持ちから金を奪う仕事をしている奈々が

       久しぶりに故郷へ帰ると、町がけだるいムードに変わっていた。

       その昔「怪盗白水仙」として名をはせた母はおデブになり、おヒョロと

       言われていた容子もまた肥満に。奈々自身、食べる事が多くなりいつの間にか

       太ってしまう。

       それは実は食品に麻薬成分が含まれていた・・・・

 

毒入りギョーザ事件など想像もつかない昭和40年代に、このような作品が

作られたというのはすごい事です。

まあ、古い話ですけど森永の粉ミルク事件とか水俣病とかイタイタイ病とか

食の安全は決して守られていたわけではないんですけどね

でも、少女漫画の中でこれだけ硬い話題をリアルに描くって、今時の作家は

なかなか発想として持てないのではないかと思います。

 

さて・・・・次は早々と真打登場?

萩尾望都です

萩尾望都は少女漫画のくくりでは語れない人です。

一般的な少女漫画が嫌いな人でも彼女の作品だけは読めるという人が多い。

この「ポーの一族」に加え「トーマの心臓」などは今時のBL大好き女の子達の

要求にも十分に応えられる作品ではあります。

っていうか、BLの原点がここにあると言っていいでしょう。

さらに「百億の昼と千億の夜」など、少女漫画界を飛び出していったすごい人でも

あります。

それらはおいおい紹介していくとして。

 「ポーの一族」(1972年 別コミ)

登場人物・・・エドガー・ポーツネル (表紙右)

        メリーベル (エドガーの妹)

        アラン・トワイライト (表紙左)

ストーリー・・・仲間を増やす為にポーの村を出たポーツネル夫妻と

       エドガー、メリーベル。そこで金持ちの息子、アランと知り合う。

       しかし、やがて正体がばれて・・・・

 

ヅカファン必読の書です。「薔薇の封印」も「シルバーローズ・クロニクル」も

元は「ポーの一族」です。

ヴァンパネラという言葉を定着させ、吸血鬼の定義を説いたのがこの作品だからです。

本来、成人しかヴァンパネラとして迎えられない筈なのに、なぜエドガーと

メリーベルが?そこは続きがあるけれど、この作品では愛する妹を失った

エドガーがアランを自分の仲間にして、長い旅を続けていく・・スタート地点です。

 「ポーの村」(1972年 別コミ)

登場人物・・・グレン

         エドガー

        メリーベル

ストーリー・・・貴族のグレンは狩りの最中に仲間とはぐれ、誤ってメリーベルを

        撃ってしまう。

        紛れ込んだポーの村はバラばかりで、食事も薔薇のスープだけ。

        メリーベルの傷の治り方に不審を抱くグレン。ある日、エドガーに

        血を吸い取られ・・・・

        その後、自分の世界に戻り年老いた彼はメリーベルそっくりな少女と

        出あう。その娘が実は本物のメリーベルと知り・・・・

 

ヴァンパネラが暮らすポーの村の生活ぶりがほんの少しわかります。

薔薇を栽培し、薔薇のお茶と薔薇のスープのみの生活・・・私も嫌だなあ

それにしたってメリーベルの可愛らしさは格別だし、エドガーの妹思いも

ここに極まれりです。

 「グレンスミスの日記」(1972年 別コミ)

登場人物・・・エリザベス

ストーリー・・・グレンスミス(ポーの村のグレン)の娘、エリザベスは父が

        亡くなった後、その日記を受け継ぐ。

        日記にはポーの村の出来事が書いてあった。

        やがてエリザベスは結婚してドイツに渡り、子供達が生まれ、孫が出来

        さらにその子供が出来る。

        エリザベスのひ孫、ルイスがエドガーと出会い・・・

 

これは隠れた名作ではないかと思います。

それというのも、一見、ヴァンパネラの話とは全く関係のないストーリーが

展開していくのです。

エリザベスは貴族の身分を捨てて音楽家と駆け落ちし、ドイツへ渡り、

幸せに暮らしますが、戦争が始まって夫は戦場へ。貧乏な生活の中で

子供が死んだり、孫が出来たり・・・・「グレンスミスの日記」はひ孫へと受け継がれ

ある日、エリザベスのひ孫、ルイスは日記に書いてあるのとそっくりな人物に

出あうのです。

要するにラスト、ルイスが「エドガー、君、妹いる?」的な話から始まって

エドガーが「いたよ。メリーベルっていう」

ルイスは「僕におばさんがいてさ・・」といいかけてやめる。そして「まさかね・・・」と。

そのシーンの為だけに数10ページを描いてきたという・・・・すごさです。

 「すきとおった銀の髪」(1972年 別コミ)

登場人物・・・チャールズ (表紙右)

        メリーベル

        エドガー

ストーリー・・・ある日、小さなチャールズが可愛いメリーベルと出会う。

        一目で恋に落ちたチャールズは毎日のようにメリーベルと会う。

       でも、突然、メリーベルは消えた。それから何十年。

       年老いたチャールズは、メリーベルそっくりの女の子に出会う。

       「あなたのおばあさんを知っていますよ」と声をかける。しかし、

       少女の後ろから姿を現したエドガーを見てチャールズは凍りつく。

 

短編ですが、おじいさんになったチャールズがメリーベルとエドガーに会う。

メリーベルは悪びれもせず「メリーベルは私の名前よ」と答えるのが

かえって怖い・・・というか。

 

 「はるかな国の花や小鳥」(1975年 別コミ)

登場人物・・・エルゼリ

        エドガー

        アラン

ストーリー・・・エドガーは音楽教師のエルゼリと出会う。毎日彼女の所に出向き

        エルゼリの過去を知る。

        ひと夏の恋で捨てられた彼女はその後独身を貫いていたのだ。

        その捨てた彼が死んだ事を聞くとエルゼリは・・・

 

エドガーの初恋物語でしょうか。

彼がメリーベル以外の女性に興味を持つというのは非常に珍しい事です。

そしてそれを見ながらアランはすねるという図式も。

 

「ポーの一族」に出会ったのは小学生の頃。しかも低学年。

頭のいい友人は「面白い」と言いましたが、私はあまり。

話が難しいし、ドラマチックな雰囲気を感じなかったし。

でも、今、読み返してみると引き込まれてその世界に埋没してしまいます。

あの頃、大人だった人にとって「ポーの一族」とはどんな作品だったんでしょうね。

私が持っているのは愛蔵版です。

順次、ご紹介していくつもりです。

 


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22 コメント

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少女時代がよみがえり・・・ (ふつこ)
2014-04-15 09:20:38
懐かしくて思わずコメント。子供時代、マンガに夢中でした。その中でもポーの一族は別格でした。
買ってもらった世界文学全集(昔はこういうの全集でそろえるのはやってました)にエドガー・アラン・ポーの黒猫が収録されていて、「あ、ここから名前とったのかな!?」って大発見した気持ちになった記憶があります。「江戸川乱歩も萩尾先生もこれ読んだのかな?・・」なんて考えて。でもそんな話通じる友達が身近にいませんでした。一人でマンガと本ばっかり読んでる少女でした。小学生のころふぶきさまの近所に住みたかった!和田慎二も大好きでした。
名作だった。。 (そば茶)
2014-04-15 09:28:19
読んだ時は結構な年(高校生ぐらいかな?)だったけど難しい印象でした。そして萩尾作品を読んだあとふっつり「少女漫画」を読まなくなってしまいました。。ご紹介いただいた作品には未読のものもあって読んでみたいです。何しろ私には理想の絵柄でしたもの!「トーマの心臓」の壮大なテーマは今も心の極北に位置しています。
これはビツクリ! (重陽)
2014-04-15 10:21:55
萩尾望都とは少女漫画作家だったのですか!
百億の昼と千億の夜の原作を読んだ後に漫画を読んで、よくまあ、あの世界観を視覚化したものだ、凄い漫画家だと思ったのです。
アマリリス!! (ちゃむちゃむ)
2014-04-15 12:23:56
きゃー。
今までこのシリーズにコメントしたかったんですぅ!

「快盗アマリリス」
これ、後に白泉社で「怪盗アマリリス」として連載されてますよね。
(カイの文字が 快から怪にかわってるんですよね。)
ウイキペディアか何かで、原作のような話があると知って読みたいと思った時はすでに絶版で手に入らなかったんです。読めるならぜひ読んでみたい・・。

このとき、「スケバン刑事」で作者に入れ込んでいたので、白泉社での連載を楽しみに花とゆめ買って読んでたんですよー!

この頃って、萩尾望都さんや竹宮恵子さんを含め独特の世界感の少女漫画もたくさんありましたよね。
時代なんだろうなぁ・・・。
この世界感がいまどきの女の子はついて来れない?

このような世界感の作品は今はもう、少女漫画、少年漫画というカテゴリーではなく、「SFファンタジー」の世界のカテゴリーに分類されてしまって、一般の女子には見向きもされない?漫画オタクのみ?なのかなぁ・・。

これくらいよみごたえのある作品があるのかといえばなかなかないので、今後、このような作品がたくさん出てくればいいなぁ。

そうだったのか・・ (まほろばです)
2014-04-15 12:49:10
怪盗アマリリスって白黒だったんですね(笑)すっかり忘れてました
萩尾望都さんは異色の作家ですね
最後の長期連載(いまだご健在ですが)残酷な神が支配するは読んでるこちらも具合が悪くなりそうでした(笑)

トーマの心臓の前に11月のギムナジウムという作品もありましたね(連載をまだ破いてとってあります)
漫画も読まなくなりました・・最近は青年成人漫画・・釣りバカとかモンスターとかになっちゃいました
Unknown (れもん)
2014-04-15 14:34:04
遠い昔西谷祥子さんが好きでした。
書いて下さるとうれしいけど古すぎますかね?
Unknown (翡翠)
2014-04-15 15:49:07
萩尾望都は、少女マンガを超越した世界を
築き上げた先駆者だと思います。
「ポーの一族」・・・・エドガー・アラン・ポー・・・
「モルグ街の殺人」「黒猫」「アッシャア家の崩壊」などのミステリーを数々著した作家の名前から
きてるんでしょうか・・・?
それはわかりませんが、
思い浮かびますね。

この物語を読んで初めて「吸血鬼」側の心理を
想像してみることができた、というか・・・。

永遠に生きることがどれだけ空恐ろしいことか、
ひょんなことから子供のうちに
ヴァンパネラにされてしまった悲劇が
まるで自分のことのように切実に感じる凄さ。

あののどかで穏やかな村に隠された秘密が
当時、とても怖く感じました。
そして、様々な時代に、ちっとも変わらぬ姿で
現れる三人。
それを目撃した別々の人々の共通した
思い出。
何とも不思議で幻想的、そして
哀しい・・・。

「トーマの心臓」「11月のギムナジウム」
なども好きでした。どれも哀愁があります。
萩尾望都全集を買って今も持っています。
「かたっぽの古靴」や「小夜の縫う浴衣」なども
印象に残ってます。

近年「残酷な神が支配する」を
読みましたが、これも凄まじかったですね。
萩尾望都、恐るべし。


本当にこちらの記事の企画通り
最近の少女達にも
萩尾望都作品を読んでほしいですね。
Unknown (翡翠)
2014-04-15 15:55:59
あ!それと

昔トム・クルーズの出演で
「インタヴューウィズバンパイヤ」って映画がありましたけど、「ポーの一族」を真似したのかな?って
思いましたね。
あれ、きっと影響を受けてると思うんですけどね。
望都さま~! (うさのうさみみ)
2014-04-15 15:59:28
萩尾望都先生を出されたら何をおいてもまずこちら
和田慎二先生ごめんなさい(笑)

ポーの一族 美しいですね もう漫画なんて超越してますね 若い人はこれすら読んだことないんでしょうか?
残念です 今からでも遅くない 是非皆さんお読みくだされ 望都さまの絵力のすごさ感じてください! 
トーマの心臓もびっくり 男の子同士がキス? え?どういうこと? 中学生でした こういうの腐女子っていうんですね じゃあ元祖腐女子ってことで(笑)

最近の作品をアマゾンで取り寄せて読んでみました
大人の鑑賞に耐えうる、というか大人でなければわからないストーリーだったりして 親子関係とか人間の心の奥深くとか、かえって年を重ねなければわからないのかもしれないと・・・
インタビュー ウィズ バンパイアって映画、あれ確かにポーの一族の影響を受けてますね
でも所詮欧米の吸血鬼なんてあの程度の扱いです 神に許されない異形の存在はモンスターでしかない
萩尾ワールドの透明感にはついぞおよびませんね
キリスト教のような一神教世界では萩尾望都先生のような作品は描けないのかなあと思います

とにかく今時の女の子たち、是非とも萩尾先生の作品を読んでほしいです
Unknown (ふぶき)
2014-04-15 20:12:04
>ふつこさま
そうそう、友達も「エドガー・アラン・ポー」からとったと言い出して、へへんって得意げでした。でもそうでもなきゃ永遠に知らない名前でしたね。

>そば茶さま
そうですね。萩尾望都は少女漫画の範疇を超えていますよね。

>重陽様
ええ・・元々は少女漫画家で。今や誰もそう思っていない?

>ちゃむちゃむさま
そうそう。白泉社で続きが出てました。知ってたけど
あの頃の絵とは変わっていたし。
最初が一番面白かったなと思いました。

>まほろばさま
「残酷な・・・」は私も手放しました。
読み直す気になれず。

>れもんさま
了解!!

>翡翠様
「11月のギムナジウム」いいなあ。
あ、大丈夫。ここでも紹介の予定です。
今時の女の子に読ませたいですね。
トム・クルーズの映画って・・そんなに似てました?

>うさのうさみみさま
まあ、翡翠様と意見があって。同じ印象をお持ちなんですね。素晴らしい。

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