キキ便り

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大学の財政削減のドラマ

2009-05-02 04:51:37 | アメリカの大学で教える
大幅な赤字を抱える私たちの州では、高等教育で20-29%の財政削減というニュースが飛び交い、不安なうちに数ヶ月を過ごす。

今日ようやく大学の削減予算の分配が発表され、午後には、大学総長による通達と質疑応答が行われる予定。

管理職であるうちのダンナも、昨日上司より自分の部局の削減予算%と数値を伝えられ、スタッフを一人解雇しなければならないと聞き、覚悟していたとは言え、大ショック。しかも今日、その人に解雇の可能性を言い渡さなければならないという滅茶苦茶なタイムリミット。

私たちの大学では、370人の人員削減で、そのうち165は、定年などを理由に退職する人たちの代わりを雇わないということで成り立つらしいが、残りの205人は、強制的にやめさせられる教員や職員。

子育て真っ最中の人、シングルペアレント、病気の家族を抱える人、莫大なローンの返済を抱えている人、様々な事情の人たちが職を失うと考えると、胸が痛んでやまない。

大学だけでなく、学部生の授業料もこれから2年間、毎年14%ずつ値上がりするらしい。経済不況の中、アルバイトを掛け持ちしても払いきれず、学校を辞める学生、休学する学生もいるに違いない。

幸い私の所属する学部は、学生数が多いため人員削減は免れるそうだが、今回の予算削減の影響で職を失う周りの人たちのことを案じながら、無事に次の道が開かれるように祈ってやまない。
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