私の所属する大学は、来週が秋学期の最後の週で、その次が期末試験の週。教えているクラスの期末プロジェクトの採点が待っている。さらに今学期はスムースに終わりそうもない予感。配偶者によるドメスティックバイオレンスを受けている学生、義父が自殺したというニュースで落ち込んでいたところ、これは殺人事件かもしれないという警察からの連絡で、さらなるストレスを抱えている学生、障害児の子どもの癇癪がひどく、その対応で疲れ果てる学生。これらは一例だが、いろいろなドラマと事情への対応で、教員の方もエネルギーと時間が必要とされる。
それにしても、なぜ大学に入れたのかと思うような学生もいれば、博士課程でも立派にやっていけるような学生もいて、総合点数がかなりばらばらになりそうだ。大学院時代、院生としてクラスを教えていた時、私がつけた成績を見て、アドバイザーが「Aの学生が多すぎる。Aは本当に特別な成績なので、あまり与えすぎるのはよくない」と諭してくださったが、そう考えれば今回のように皆がAやBを簡単に取れる授業でないのは、理想なのかもしれない。近年では、大学進学率が上がり、学力の低い学生もどんどん入学してくるようなので、教えるのが大変。数年前、日本のある私立大学の学長である方とメール交換した時、「分数の問題も出来ないような学生が入ってくるんだよ」とおっしゃっていたが、本当なのだろうか。
オットは、量的研究のクラスで頭を抱える毎日。教えている教員は、学生たちのレベルよりも水準の高い宿題やクイズを出してくるらしいので、オットはストレスで爆発しそうな噴火寸前の状態。幸い、私が大学院時代に受講した授業の内容と似ているので、出来る範囲でこと細かくアドバイスしているが、このクラスに落第しないようにと願うばかり。
息子は、毎日の宿題やクイズ、試験でストレスを抱え、勉強が思うように効率よくはかどらない。「ボクは自閉症だからそうなの?」と聞いてきたが、(それもあると思うが)、いやそうじゃなくて集中力や持続力を鍛えていけば、効果があがると励ましているがなかなか対応に苦しむ毎日。コンピューターを使って勉強や宿題をする息子だが、画面をただ見ているだけでは、頭に入らないと息子の耳にタコができるくらい言い聞かせる。しかも、宿題を始めたと思ったら、いつの間にかYoutubeでビデオを見てたり、Facebookで友だちのニュースをチェックしているので、情報化時代に子どもに勉強をさせるのはつくづく大変だと思う。娘などは、クラスメートとSkypeやfacebookで一緒に宿題をするといいはるが、殆どはたわいのないおしゃべり。さらに音楽を聴きながらのながら族。娘も息子もまさに、いろいろなテクノロジーを同時並行して使いながら宿題や勉強をするというパターンだ。
携帯電話で友だちのメッセージを送ったり、受け取りながら、facebookで友だちとチャット。さらに並行してyoutubeで好きな音楽を聴きながら宿題をするという、Multitasking。
時々そういう子どもたちの状態を見て、コンピューターの誘惑のない図書館やスターバックスに勉強に連れていく。夕方から夜まで、子どもの勉強や宿題を管理している状態なので、塾のある日本がうらやましい。昨日などは、息子が学校から帰ってきた3時から夜の11時まで、家事をしながら息子の手助け。先週からとうとうOutlookの毎日のスケジュールに、夕方から夜の予定を入れるのをやめてしまう。この時間帯には自分の仕事ができない、あるいはほとんどできないと諦めることにする。これも息子が高校を卒業するまでの2年半のハハオヤとしての投資。