可愛がっていたシェークスピアが骨肉腫との診断を受けたのが、5月25日。
4月の終わり頃から、寝てばかりいると思っていたが、まさかガンにかかっているとは夢にも思わなかった。腰や足を触るとキャンと泣き声を上げるのが気になり、私が初めて獣医に連れて行ったのが、5月7日。その時のレントゲン検査や血液検査では異常は見られず、おそらく加齢とともに筋肉が弱ってきて、椎間板ヘルニアかもしれないからとにかく安静にさせてよく治るのを待ってくださいとのことだった。
痛み止めなどの薬を飲ませ、安静にさせていたが、だんだんびっこをひきながら歩く姿が気になり、もう一度医者に連れていったのが5月25日。その時の麻酔でのレントゲン検査では、前には見られなかった影のようなものがはっきり写り、おそらく進行性の早い骨肉腫だという診断。もしかしてカビによる感染かもしれないが、それにしても治る確率は低く、ひどい痛みを伴うとのこと。骨肉腫の場合は、手術で腫瘍を取り除ける場所ではなく、足を切断しても少しは延命はできるものの、基本的には痛みとの闘いの余生を送らなければならないという説明だった。
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私にとっては、身近な家族がガンの宣告を受けたのは、生まれて初めての出来事。たとえペットとは言え、寝食を共にし、8年過ごしてきたシェークスピアは、大事な家族の一員。それから数日間は、言いようのない悲しみに打ちしがれ、泣いてばかりだった。しかし晴れの高校卒業を控えた娘の前では、事実を伝えるわけにはいかず、結果的に娘に話したのは、安楽死の2日前だった。
犬の骨肉腫は、人間の骨肉腫より10倍も痛いらしい。人間と違い、痛みを外に表さないだけに、どれだけ痛いのか、どうしたら楽にしてあげれるのかを理解できないのが辛い。痛みで体を震わせたり、呼吸が苦しくなり舌を突き出して苦しそうに息をする姿を見るたびに、痛み止めが効くのを願っていたが、食事とともに飲ませていた痛み止めもそのうち食事をしなくなった時点で難しくなった。
ビーグル犬は、食いしん坊で有名な犬。その犬が、食べることを諦めた姿を見た時、また水も飲まなくなった様子を見た時に、生き続けることにピリオドを打ったのだと理解し、安楽死させる方向性へ。
尊い命に期限を決めるのは、飼い主にとっては重すぎる決断だったが、他の人の体験談などを読みながら、ペットの立場に立った決断をしようと決める。私たちにとっては一日でも長く生き延びてほしいが、自分で排泄に行けない、食事が食べれない、薬を呑み込めない、などの現状を考えて、安楽死を選択する。
この写真は、安楽死二日前のもの。口を開けているのは、苦しさから。水を飲ませると少し落ち着く。バックにあるのは、ドテラのラベンダーのDefuser。少しでも痛みが和らぐように、最後の3日目は、ラベンダーや乳香(フランキンセンス)を患部や周辺にマッサージする。