子育てで失敗したと思うことの一つ。
娘が中学の時、学年より2年上レベルの数学コースに入れてしまったことだ。
もともとこの学区は、大学町だということもあり、数学のカリキュラムは(他学区や他州と比較し)1学年上のものを使用していたが、その中でも成績の良い生徒は、さらに上のクラスを選抜試験により選択できるシステムになっている。
知能検査・学力検査、共に95パーセンタイルであり、算数オリンピックに参加していた娘には、難しいことにチャレンジするような環境が大切なのではないかと考えた。最初はうまくスタートしたものの、引っ越しした中学には2年上の数学のクラスがなく、結局同じ授業を2度選択。その後高校に移り、2学年上の数学コースに戻したが、そのあたりから授業についていけなくなり、数学の成績が下がる。
数学の成績が芳しくない=全科目の平均点(GPA)が下がる=大学の奨学金がもらえにくくなる、という図式になってしまった。親の期待と見栄で、娘には辛い思いをさせてしまったことを、夫と深く反省。
しかし、高校の学年でのランキングと大学共通試験であるSATもまあまあであったことから、地元大学の大学総長の奨学金と学部の奨学金のオファーがきた。昨日は、Honors College(優等学位生のプログラム)に合格したという通知をもらい、このHonors Collegeからも、IB(国際バカロレア)資格取得した場合、最初の年に奨学金をもらえる予定。その他にも、競争率の高い大学にも応募したが、奨学金のもらえる地元大学に行く方向で娘の気持ちが傾いている。のんびり屋さんで、塾や講習会などに全く通わず、マイペースで勉強していた娘にとって、いい結果が出て本当に良かった。
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夫が最近聞いた話によると、年金をもらう年齢になって、年金の中から大学授業料のローンを返却しているアメリカ人がかなりいるらしい。夫の家族や友人にも、そういう人がちらほらいる。自分自身と子どもの授業料のダブル負債で、返しても返しきれない巨額な借金を抱えている場合もある。大学授業料のローンは利息が低いため、つい家計の中で後回しにしてしまうためであろう。
親が出費するのか、子どもが出費するのかも、意見が分かれるところだろう。
私の夫の場合、親から1銭も出してもらえず、最初は授業料の安いコミュニティーカレッジに2年間通い、その後4年生大学に編入。大学と大学院のローンは就職後5年ほどで返却。授業料が安かった時代だったからこそ、可能だったのかもしれない。
私の友人などは、授業料の半分を子どもにアルバイトなどで出費させ、成績の平均がB以下になった場合は、一切お金の援助は行わないというスタンスをとっている。子どもさんは、一時期成績が下がり、半年ほど大学を休学。その後復学し、成績も順調でもうすぐ卒業の予定。子どもに金銭的な責任を負わせることが、結果的に成功した例だ。
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ちなみに昨年アメリカの大学を卒業した学生の平均借金金額は、$37,172(約400万円)だそうである。その前年より6%上昇。借金のない人もかなりいるだろうから、実際はもっと深刻な問題。