五木寛之氏の「他力」を読んでの抜粋の続きである。
<生老病死>
四つの「思うに任せぬこと」を背負っていることである。
「死」から「生」を考えよ(「人間は死のキャリアー」と氏がよく言う)、
「病」は人間の同伴者だと認め、「老い」を自然のリズムとして受け入れる。
と考え、頭を楽に切り替えるだけでよい、究極のマイナス思考から、確かなプラス思考への転換が出来るというのである。
人生の峠にたたずんで考える、下山の道、美しき下山、実り多き下山にすべしという。 ゆっくりと完熟した豊かな下降を、どう人間的に充実していけるかが、今のテーマだという。
<諦める>
物事を消極的に後ろ向きに受け止めるのではなく、言葉本来の意味「明らかに究める」勇気を持って、現実を直視するということ。
見たくない現実を、認めたくない事実を、リアルな目で直視せよという。
まず生きていること、存在することが大事である。苦しみの多いこの世の中に生きているだけでも凄いことであるという。
遺伝学の権威、村上先生も、同様のことをおっしゃるのである。無限ともいえる遺伝子の組み合わせから、人間が生まれたことは、「有り難い(ありえない)」ことなのだそうである。
人生の究極を極めようとしている人たちは、生きてきた道が異なっても自然と同じような考え方に向かっていくのであろう。
最近、小生も同じような考え方になってきたような、気がするのである。