シェリルに迫る死への恐怖、、、アルトは誰を想い何を選択するのか、、、俺は・・・ランカを守ってくれ！

　【シェリル】と【グレイス】が対峙する・・・。一つだけ聴きたい事があると・・・。「なぜ？」、、、漠然とした質問だと【グレイス】は言った。もう、話を聴く必要がないのか・・・。【ランカ】のマネージャーになったのか、、、ベッドに縛り付けようとするのか、、、【ランカ】の歌がバジュラに通じるのか、、、なぜ、、、なぜ、、、あの子なのよと・・・。【シェリル】はそこで咳き込んだ。惨めなものね・・・。【シェリル】の本質はアイドルだと、、、作られた偶像だと、、、違う！【シェリル】は自分の力でここまで来たと・・・。あの時、、、ギャラクシーの片隅でゴミをあさっていた・・・誰にも知られていない、、、瞳から光も失っていたあの頃を・・・。それもおしまい、、、シェリル・ノームは、もう死ぬのよと・・・。
　シンデレラの角笛。【レオン】に【ルカ】がある作戦の企画を示した書類を見せていた。従来兵器が通じなくてもやれると・・・。【ルカ】は【レオン】と【グレイス】の目指すものに賛同したのか・・・。ボクは守りたいだけです、、、プライドではないはずだ、、、【ナナセ】の事かな。【レオン】ではわからないだろう・・・。
　【シェリル】は【グレイス】の言葉を「脅し」と受け止めた。それでも【シェリル】は動じない・・・。負けないと、、、一人になっても、、、【グレイス】は笑った。物分かりの悪い子ね・・・。【グレイス】が本性を見せる。懐かしい話をする、、、出逢ってまもなく病院へ入院した事を・・・。治っていないと・・・。耳元で囁くように言う。今まで発症しなかっただけだと・・・。【シェリル】は衝撃を受ける・・・。歌手だけではなく、、、文字通りに死ぬのだと、、、【グレイス】の顔が醜く笑うのだった。
　新統合政府も動きを見せる。【レオン】と【ハワード】が車で話している。過半数に達したと・・・。「バジュラ」とおさらばができる、、、それが大統領の本懐なのか・・・。新天地を目指している船団なのだから・・・。テレビから流れる長距離フォールドに関する法案が可決された。それを【キャシー】とオペレーター3人娘たちが聴いている。エネルギーの蓄積なんてできない、、、それは【キャシー】も認めていた。エネルギーは制限され、、、商業活動の停止、、、食料と水は配給制、、、交通機関も一時ストップだと・・・。極貧生活の始まりだ、、、と【ミーナ・ローシャン】は沈んでいたが・・・。その事を聴いていた【ボビー】は違っていた。すぐにはじまると、、、フォールド前の在庫一掃のセールがと！いくら【アルト】が女性に見えるからって、、、女性物の洋服は買えないよな。喉ぼとけはないかな・・・。【アルト】は【オズマ】の病室に呼び出された、、、そこには【カナリア】も一緒にいて「りんご」の皮をむいている。フォールドの話をする【オズマ】、、、軍の機密情報を話し出した。「バジュラ」の習性、、、フォールド波にひかれると・・・。船団規模のフォールドをすれば何が起きるか、、、言わずと理解できる。軍は「バジュラ」撃退の為に【ランカ】をおとりに使うつもりだと・・・。【オズマ】は上官としてではなく、、、兄としての言葉を、、、ランカを守れ・・・守ってやってくれ、、、【アルト】は【オズマ】の病室を振り返る。よく言った、、、【オズマ】は自分の役目が終わりかけていると・・・。【オズマ】が死に掛けてもフラッシュバックを起さなかったと。戻るのかもな、、、記憶が・・・。もし、その時が来たら・・・【ランカ】は幸せになれるのだろうか、、、それとも・・・。
　街中を歩きながら【アルト】は考えていた。【オズマ】の言葉が脳裏に、、、自分が何をしたいのか、、、何の為に、、、何をかけて戦うのかを、、、喧騒の中に流れる【ランカ】の歌声と映像・・・。俺は・・・。【シェリル】はすでに忘れ去られた人になってしまったのか・・・。かつて、、、銀河の妖精といわれた彼女はどこへ行ってしまったのだろうか。その頃【シェリル】はタクシーに乗り、、、確かめにむかっていた。車内では【ランカ】の歌声が・・・。
　【ミシェル】は【クラン】にあの薬を調べて貰っていた。ある感染症の対症療法薬・・・。症状の緩和、、、そのかわりに発熱・嘔吐・悪寒の副作用がある・・・。今までの【シェリル】の体調不良に重なって行く。その病気は、、、ヒュドラがおかしくなり処分された事件に関係していた。V型感染症だと【クラン】は言った。この病気はめったに人には感染しないはずだと・・・。【ミシェル】は無意識のうちに【シェリル】の名前を口にしてしまう・・・。あの薬が彼女の物だと・・・。その事を聴いて、、、ちょっと【クラン】が嫉妬してますよ、、、マイクローン化したままの彼女が一番可愛いと思いますよ。キーボードをたたき、画面に出て来た資料、、、【ミシェル】と【クラン】は【シェリル】の真実に辿り着こうとしていた。その論文の書き手は、、、第117次大規模調査船団、、、ドクターマオノームとグレイスの写真が・・・。そして、、、実際の患者レポートに、、、子供の頃の【シェリル】の姿が掲載されていた。何かが繋がろうとしていた・・・。すると、２人の後ろで本が落ちる音がした。見ると呼吸が荒い【シェリル】の姿があった・・・。
　バトル・フロンティア。「バジュラ」との決戦に備えて、、、【ランカ】の最高の舞台が用意されていた。フォールドまでには間に合わせたいと・・・。希望の歌姫【ランカ・リー】の為に・・・。病室のベッドで【オズマ】はある写真を見ている、、、幼い【ランカ】の隣りに、、、あのハーモニカを首から提げている少年の姿がある。まさか、、、なぁ、、、とつぶやくように言った。
　雨が降り続く・・・。アルトには言わないで、、、それが【シェリル】の答え。彼女は強い、、、シェリル・ノームなんだからと・・・。【クラン】は【ミシェル】と【シェリル】とのやり取りを見ていて黙っていられなかった。女だからわかると・・・。【シェリル】の気持ちが痛いほどに・・・。泣いていた・・・。だからこそ、、、本当に想っているからこそ、、、言えない事もある・・・。それでも、、、できる事はあると・・・。【ミシェル】は【アルト】の端末に・・・。その後悔をさせない為に・・・。
　降り続く雨の中を歩く【シェリル】・・・。身体がフラフラで今にも倒れそうだった。【アルト】に会いたいと・・・。一人でいると心が折れそうになる・・・。だからこそ、、、求めているのだ・・・。【グレイス】の言葉などに負けない・・・生き残るんだ！想いを伝える為に！あのイヤリング・・・。【シェリル】は心までもずぶ濡れだった。誰も彼女を憶えていないのか・・・。その時だった。政府からの放送が流れ出す・・・。フォールドに関する記者会見が始まろうとしていた。【ハワード】が質問に応える声が聴こえる・・・。【ランカ】を利用しようする者たちの声が・・・。そして、大統領は希望の歌姫【ランカ】を紹介する。その映像を見ていた【シェリル】、、、立場逆転した瞬間だった・・・。【シェリル】の瞳には【ランカ】が映っていた・・・。人にぶつかり、、、その場に倒れると、、、自身のポスターがあった、、、そのまま泣き崩れた・・・。大きく、、、そして、、、悲しく・・・。そんな彼女に手を差し伸べた人物がいた、、、アルト・・・？【アルト】の兄弟子【矢三郎】だった。意識を失った彼女を抱きとめた・・・。そんな人類の動きを察知したのか「バジュラ」が動き出す・・・。やっと【アルト】が見つけた時には【矢三郎】が【シェリル】をタクシーに運んでいる所だった・・・。私があずかりますと・・・。心配でしたら、、、早乙女のお屋敷においで下さいと・・・。【アルト】の感情をかき乱す、、、すると「S.M.S.」からの緊急コールが入る・・・。セール会場にいた【キャシー】も【ボビー】もオペレーター3人娘も呼び出された。会見場に流れる不穏な空気、、、【ハワード】の端末に連絡が入る。その異変に【ランカ】も気づいたようだ。【ブレラ】も事態を理解したようだ・・・。軍など出撃させても、、、通常の武器も、、、反応弾も通じないのに、、、時間稼ぎにもならないだろう・・・。会見は中止になった、、、【ランカ】は決めていた・・・。バジュラに機体は落とされ、、、戦艦も落とされる・・・。【ジェフリー】の言うとおり「マクロス・キャノン」は無駄に撃つ事はできない・・・。無抵抗の【アルト】たち、、、逃げ回る事しかできないのか・・・。このまま、、、全滅か、、、緊急フォールドか・・・。【アルト】は背後を「バジュラ」につかれてしまう・・・。その危機を救ったのが【ブレラ】だった。そして【ランカ】が宇宙にやって来た！「アイモ」を歌い出した・・・。誰も許可などしていない、、、彼女の意思だと・・・。すると【レオン】は【ハワード】に決断を迫る・・・。「バジュラ」を一掃するあの作戦を・・・。【ランカ】は、やってくれるのだった・・・。【ハワード】は決断した、、、超長距離フォールド作戦を・・・。暗くなった病室で【オズマ】は【ランカ】の歌う姿を見ていた。ランカ・・・。【ランカ】の乗る機体に「バジュラ」が迫るが【ブレラ】がいる、、、安心して歌わせる。【アルト】はその悔しさの中で戦っていた、、、全てのバジュラが予定されている場所へ、、、その主砲が一掃する為に。フォールドへのカウントダウンがはじまる・・・。放たれる主砲が「バジュラ」を焼き尽くす、、、【ランカ】の腹部が痛み出す。まるで「バジュラ」と同調しているかのように・・・。残存はありませんとの報告に、長距離フォールドを開始する。その歓喜の中で【ランカ】は「アイモ」を歌い続けるのだった。誰の為に歌っているのだろうか・・・。まるで海の底のような温かさを感じながら、、、その悪夢の鼓動が動き出すその時まで・・・。