現代視覚文化研究会「げんしけん」

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REC Take6 「噂の二人」

2006年03月10日 21時54分06秒 | アニメ・映像全般
 【赤】も【松丸】も、お互いが大切な存在である事への気づきの第6話。【赤】がある事件がきっかけで声優として仕事が少しづつ入って来るが、【松丸】との間に距離を感じる【赤】。そんな中【松丸】の配慮のない行動により、【赤】と喧嘩の言い合いになってしまう。【赤】も【松丸】も素直になれず、意地と強がりで【赤】は言ってはいけない事を言ってしまう・・・そして、後悔し、どうして良いか分からずにただ泣くだけだった。
 スナック「は」の野外ステージでの営業。なかなかの盛況になり、成果を出し始めていた。着ぐるみに入る【松丸】を舞台袖から呼ぶ【赤】。理由は、人気番組の生中継の為に、今流している音楽を消して欲しいとの番組側のスタッフからの協力の要請だった。【松丸】もそのお願いを承諾するが・・・【松丸】は何かを考えているようだ。
 グルメ中継開始。【赤】は、この人気番組の中継を喜んでいる様子。その中継を取り囲む中に『ねこキ』の着ぐるみがチラチラと見え隠れしていた。【赤】と着ぐるみの【松丸】はテレビに映りたいとふざけ合っていた。しかし、勢いがつき過ぎて番組の中継画面に出てしまう。いったん中継が途切れたが画面が復旧し映ったのが『スナック「は」』と【赤】の大開脚とパンチラ・・・。【赤】のはずかしい姿は全国に流れたしまった。
 番組の中継を台無しにしてしまった【松丸】は部長に平謝り状態。【松丸】の所属部署には沢山の電話が鳴り響いていた。【松丸】の表情もひきつり、苦情かと思いきや『スナック「は」』への大量の注文の電話だった。同僚の【畑田】はノートパソコンの画面を見ながら満足気だった。【赤】の事はネットで話題になっていた。名づけて「白いV作戦」。『スナック「は」』のCMの本数も増えると聞き驚く【松丸】。
 【赤】にも、仕事の依頼。シリーズアニメの出演、取材、ラジオとにわかに忙しくなりつつあった。しかし【赤】の表情は喜んでいない。その様子に気づく【吉岡】さん「別に、パンツのせいで仕事が増えたわけではない」と【赤】に言う。【赤】は図星のようだった。【吉岡】さんはこうも続ける。きっかけよりも良い仕事をする事が評価され、良い仕事をしなければ「次は、ないから・・・」と厳しくも励ます。【赤】が一番に喜んで欲しいのは【松丸】らしい。
 その【松丸】は「ねこキ」のぬいぐるみを持って、帰りのタクシーの中に居た。その車中のラジオから聞えて来たのが【赤】の声だった。その話している内容は【赤】の声優になろうとしたきっかけだった。【松丸】も【赤】の出演をまるで自分の事のように喜んでいた。【松丸】が自宅に帰って来ても【赤】の姿はなかった。逆に【赤】が帰って来ると【松丸】は寝ていた。2人の距離は若干ではあるが離れつつあった。
 日曜日の朝。【松丸】が寝ている横のベッドの上で仕事に行く支度をしている【赤】。起きる【松丸】。2人は朝の挨拶を交わす。【赤】は日曜日もイベントなどの仕事が入っていた。そんな【赤】を【松丸】は強引に引き寄せ、押し倒す格好で迫る。【松丸】の配慮を欠いた態度に怒って突き飛ばす【赤】「私達、同棲しているわけではない」といつもの発言にもかかわらず、【松丸】は今までのイライラがたまっていたらしく【赤】と喧嘩の言い合いになってしまう。そして【赤】「もう少し、仕事のお金が貯まったら出て行きます!」と心にもない事を言ってしまう。その言葉は【松丸】の熱さを醒ますほどにショックを受けた。しかし【松丸】は誰でも良かったわけではなかった、自宅で迎えてくれ、一緒に話せる【赤】が好きだった。【赤】はその場から逃げるかのように出て行ってしまう。【松丸】の少し語気を強めた「いってらっしゃい」の皮肉交じりの声が響いた。
 【赤】は【松丸】に言った言葉に対して後悔しているように見えた。そんな【赤】の不安定さはアフレコ現場にも反映される。明らかに声優としてのテンションを維持できていなかった。アフレコ作業も休憩になる。ソファーに座る【赤】に飲み物を差し入れする【吉岡】さん「彼氏と喧嘩でもした?」と言う。【赤】の表情が変化する。「普段の生活は、芝居に出るとも」続ける。否定し続ける【赤】に【吉岡】さんは、『ヘップ・バーン』の『噂の二人』のセリフの一説を聞かせる。さすがの【赤】もその映画は見た事ないらしい。否定を繰り返すうちに、真実の気持ちに気づく・・・。「素直に、自分の気持ちと向き合いなさい、無理したり、誤魔化したりすると、恋も仕事も破たんする」と言う【吉岡】さん。その声掛けに【赤】は「別れたいわけじゃ・・・」と答える。【赤】の気持ちを察して微笑む【吉岡】さんだった。この【吉岡】さんの言葉に、【赤】は何度救われたか分からないですね。
 アフレコ再開。【赤】は、今度は【松丸】の事を考えながら演技に集中して行く。【松丸】への気持ちを整理するかのように、自問自答をする【赤】。そして、最高の演技をする。「おかえりなさい・・・」と心を込めて言う事ができた。【赤】の流したあの涙は【松丸】に対して言ってはいけない事への後悔の想いが描かれていた。2人がお互いに必要とする存在である事に気づくのだった。 
 
 【赤】「もう帰れないのかな・・・」 【松丸】「もう帰ってこないかな・・・」