現代視覚文化研究会「げんしけん」

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かしまし~ガール・ミーツ・ガール~ 第5話 「やす菜の目に映るもの」

2006年02月10日 00時30分56秒 | アニメ・映像全般
 【やす菜】の苦悩する姿が印象的な第5話のストーリーは「【はずむ】に告白したところを目撃され、【とまり】に責められた【やす菜】は、落ち込み考え込んでいた。【とまり】もまた自分の言葉に後悔し、部活に打ち込んで新記録を更新してしまう。【はずむ】も【はずむ】で【宇宙 仁】に指摘され、【やす菜】からの告白に動揺していることを隠せずにいた。【はずむ】【とまり】【やす菜】は完全な三角関係になってしまったのだ。そんな中、人間観察を続ける【宇宙 仁】は、【やす菜】が抱える問題に気付いてしまう。そして、【はずむ】にそれを教えるために【やす菜】がそれまで描きためていたスケッチブックを【はずむ】に見せる・・・。【はずむ】と【やす菜】が急接近する!?【やす菜】は自分の本当の姿を語り出す・・・。【はずむ】は【やす菜】の傷付いた心を受け入れる・・・。後悔したくない・・・。2人のくちびるは自然に近づくのだった・・・。【とまり】は・・・立ち尽くして、たたずむだけだった・・・。」という展開が描かれます。
 見所は、【宇宙 仁】に指摘されながらも、【はずむ】は好きな人【やす菜】の本当の心と身体を見つめ、向き合い、受け入れる姿が印象的でした。【やす菜】も【とまり】に責められながらも、自分の事を等身大で素直に語り、迷わず、【はずむ】に好きな想いを告げる場面も良かった。【とまり】は、今回は若干、悪役的な演出で作品を盛り上げた。でも、あんまり【とまり】ちゃんを悪者扱いはしないで下さいね。【とまり】ちゃんも【はずむ】の事が好きな気持ちは【やす菜】に負けていませんからね。課外授業(写生大会)での【はずむ】【やす菜】【とまり】の気まずく、ギクシャクした展開も観て欲しい。2人が【はずむ】を取り合うといいますか、気を惹こうとする女の子の気持ちがよく出ているシーンだと思いました。
 物語は、【やす菜】の自宅のリビングに置かれたテレビから季節に触れた話題が流れている朝の風景から始まる。【やす菜】はまだパジャマ姿です。机に真剣な表情で向っている。キャンバスに【はずむ】の制服姿(女生徒)を描いているようだ。【とまり】との雨の中での会話を思い出しながら・・・。その頃【はずむ】は何やらレトロな機械を頭に設置され、【宇宙 仁】に生体調査をされている。【宇宙 仁】に【やす菜】から告白された事を聞かれ、言葉にならない位に凄く動揺する【はずむ】。告白され、戸惑っているのは【はずむ】も同じなのだ。
 陸上部の朝の練習で校庭を走っている【とまり】。一人遅れを取るが【はずむ】と【やす菜】の屋上などの出来事を思い出し、猛ダッシュで駆け抜けてしまう。そんな【とまり】の姿を見ている【あゆき】。校舎前で【はずむ】を待っている【やす菜】。そこへ、朝の部活動を終えた【とまり】が通り掛かる。【やす菜】が自分への視線に気気付いて振り向くと【とまり】と目が合ってしまい、2人の間に一瞬ではあるが、無言という時間の流れる。そこに、【明日太】と一緒に登校していた【はずむ】がやって来る。【やす菜】は【はずむ】と朝の挨拶を交わし校内に入って行く。【はずむ】に声を掛けるタイミングを失ってしまう【とまり】。仕方なく2人の後を追うのである。その【とまり】の階段を上がって行く姿を見ながら呟く【あゆき】「大変よ・・・舞台の上は・・・」。
 靴箱では【はずむ】が【やす菜】に今度の写生大会を一緒に描こうと誘われている。【とまり】も追いつき、2人の会話を耳にする。2人は【はずむ】の女の子っぽい仕草を話題に楽しそうに話していると【とまり】が「今度の写生大会、一緒に描こうっ!いいだろう!」と【はずむ】に声を掛けて来る。先ほど【はずむ】は【やす菜】にも誘われていたので困った様子。【やす菜】に負けるものかと強気な態度の【とまり】、下を向いてしまう【やす菜】、苦笑いの【はずむ】、3人の態度が描かれている。
 【宇宙 仁】の授業。遺伝子操作した動く向日葵に驚くクラス一同。【はずむ】も【とまり】もかなり驚いている。しかし【あゆき】は興味津々だった(笑)。しかも【明日太】はその向日葵に襲われている。その時、クラスの男子【梅田】君がノートを落とし、そのノートを【やす菜】が渡そうとするが・・・。その【やす菜】の態度の変化を見逃さない【宇宙 仁】だった。【やす菜】には【梅田】(男性)が見えない事に気が付く。なぜか、【宇宙 仁】の授業にいた【並子】先生に、美術室に寄って去年の写生大会の絵を取って来て欲しいと言われ【はずむ】が行く事になる。すると、確めたい事があるのか【宇宙 仁】も一緒に美術室へ。教室の棚から絵を探す【はずむ】に「貸すのだ」と変わりに探す【宇宙 仁】。見つけた絵の中から【やす菜】の絵を取り出して見せる。【はずむ】はその絵から何を感じ取っているが本質には迫っていなかった。「まだ、気付かないのか・・・どうやら、君はまだ「上泉やすな」の事を何も分かっていないようだな」と言い残して行ってしまう。
 【はずむ】は帰宅し、お風呂の湯船につかりながら考えていた。あの絵の事、【宇宙】に言われた事、返却された去年の絵を机の中に隠す【やす菜】・・・。【はずむ】は浴室の窓を開けて、降り続く雨模様の空を見上げていた。長く降っていた雨も上がり写生大会の当日を迎える。【並子】先生が崖に落ちたのが合図となり3時間の課外授業が始まる。「はずむ君、一緒に描きましょう」「はずむ、一緒に描こうぜ!」と【やす菜】と【とまり】が同時に誘いに来るのだった。
 とりあげず、3人で描く事にする。アニメ劇中描かれていなかったが、もしかしたら【はずむ】が3人で描こうと言ったのかもと思っています。【やす菜】「私は、はずむ君の事を描こうとかなって・・・」と【とまり】「あたしだって、そのつもりだったんだよ」と2人は風景ではなく、【はずむ】の事を描くようだ。【はずむ】自身も「そっそお・・・」と2人の勢いにおされ気味。【やす菜】は以前に描いていた【はずむ】の絵を見せる。【とまり】も負けずに即興で「はずむ」の顔を描く。「はずむっ!これっ憶えているか?小学生の時のやつ・・・」と幼なじみとしての強みを見せる【とまり】。【はずむ】も児童期の【とまり】との事を思い出し笑顔だった。その【とまり】の絵の感想を【やす菜】に求める【はずむ】。「うん・・・似ていると思うけど、今、はずむ君は女の子だから・・・」と言うと「でもっ!はずむは、はずむだろっ!」と言い返す。「それは、そうだけど・・・」と黙ってしまう【やす菜】。「あの・・・2人とも・・・」と【はずむ】が場を治めようと言う。しかし、【とまり】は「どう言うつもりだよ・・・この前も言っただろっ「はずむ」がどれだけ傷付いたの分かっているのかって・・・」続ける。【やす菜】は静かに目を閉じて「分かってる。けど・・・」【とまり】は首を左右に振りながら立ち上がって「分かってないっ!分かっていれば、そんな事できるわけがないっ!いくら「はずむ」から言われたからって、友達に戻って、告白までするなんて・・・」と【とまり】は泣いていた・・・目に涙をためていた。「はずむをフッんだろっ!だったっらきちんとケジメつけろよっ!お前がしているのは・・・」と、これ以上は【はずむ】も聞きたくなかったと思う。一方的に責められる【やす菜】の姿を見たくなったし、この事で一番に心を痛めていたのは【はずむ】だったかもしれない。「やめようよ・・・こんなの・・・」と言うのが精一杯だと【はずむ】の表情から感じ取る事ができた。
 夕方。写生大会も終わり学校に帰って来た。【やす菜】は【とまり】に言われた事が心に響いていた。【やす菜】は、一緒に植えた花壇に来ていた。【はずむ】と2人で植えた花は季節の変わり目に枯れてしまった。まるで枯れた花と【やす菜】がどこかでリンクしていた印象を受けた。【やす菜】自身も【とまり】の言葉に枯れてしまいそうになっていた。【はずむ】が一緒に帰ろうと声を掛けても断る仕草をし、「来栖さんの言うとおり・・・やっぱり、あたし「はずむ」君のそばにいない方が・・・ごめんなさいっ」と去ろうとする【やす菜】の腕をしっかりと掴んだ【はずむ】「待って!教えて欲しいんだ。やす菜ちゃんの事・・・この前、去年の写生大会で「やす菜」ちゃんが描いた絵を見たいんだ・・・それを見て気が付いたんだ・・・僕、何も知らないって、「やす菜」ちゃんの事、何も分かってないんだって、だから教えて欲しいんだ」と問い掛ける。
 【とまり】は、【はずむ】の事が気になり補習も上の空で聞いている。
 2人は、教室に戻り会話する。【やす菜】「びっくりしないでね。あたし・・・男の人が見えないの・・・」と語り出す。最初は父親が見えなくなり、そして【やす菜】の世界からは男性の存在が消えて行った。誤解され、父親を含めた色んな人を傷付けて来た事、誰も傷付けない為に一人で生きて行こうと決めた事、【はずむ】は黙って聞いていた・・・今は、ただ耳を傾けるしかなかった。その閉じられた【やす菜】の世界に驚きと革命が起こる。男性なのに見える存在として【はずむ】が目の前に現れた。そして、【はずむ】に対して喜びの感情と同時に懐く・・・消えてしまうかもしれない「恐怖感」と「喪失感」に。【はずむ】に告白された時に、断ってしまった自分への後悔と胸の内にあった苦しい心情を一気に語り、告白する【やす菜】。
 その【はずむ】は、女の子として、絶対に消える事のない存在として戻って来た。【やす菜】は続ける「これで分かったでしょう。あたしは自分の都合だけで「はずむ」君を傷付け、女の子になったら、今度は追い掛けようとしている。卑怯で、わがままで・・・でも、これだけは信じて「はずむ」君が男の子の時から、うぅん・・・初めて会った時から、好きって気持ちに変わりなかった・・・あたしの中にいたのは・・・あなただけ」と【はずむ】への気持ちをいっぱいに形にして、自分の言葉にして、涙を流していた・・・弱弱しく微笑んでいるように見えた。「・・・ごめんなさいっ・・・そばにいちゃ行けないって思ってても・・・でも・・・どうしたら良いのか分からないのもうどうしたら良いか・・・」【やす菜】は様々な事を考えて、悩み、一気に感情が溢れてしまった。手で顔を押さえて、後ずさり教室から出て行ってしまう。
 一人、教室に残された【はずむ】は、今語られた事を整理するかのように考えていた。もちろん、【やす菜】も飛び出して廊下を走りながら整理していたと思います。「やす菜ちゃんは、ずっと一人だったんだ、なのに、僕は・・・その苦しみも、絶望も気付いてあげられなかった。やすなちゃんには、僕しかいなかったのに・・・。【やす菜】は廊下で転んでいた、立ち上がり、様々な校内外を見ていた。【はずむ】との思い出を感じるように・・・。そして、【やす菜】はある決意をする。その気持ちを伝える為に【はずむ】のいる教室に戻って来るのだった。【やす菜】は決めた事、自分に負けない為に、スカートの裾を握ったかもしれない。再び2人は見つめ合う。「やす菜ちゃん・・・」「あのね・・・もう、後悔したくないの・・・」と【はずむ】の手を取る【やす菜】。「あぁ・・・僕が受け止めてあげなくちゃ・・・この子は、こんなにも傷付いて来たのだから・・・」と2人のくちびるは自然と重なって行くのだった・・・。そこへ【とまり】が補習を終え、教室に戻り、その光景を見て立ち尽くしてしまう。【とまり】の落とした学習道具の音で【はずむ】と【やす菜】は・・・気が付く。

 教室に、夕陽と吹き抜ける風が【はずむ】【やす菜】【とまり】を包んでいるようだった・・・。