Baradomo日誌

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「日本人に騙(だま)されるな」

2007-09-27 | サッカーよろずごと
サッカー女子日本代表が、ドイツとの試合終了後、「ARIGATO 謝謝 CHINA」と書かれた横断幕を掲げてスタンドに頭を下げ、ホスト国に感謝の意を示したことが、彼の地で波紋を呼んでいるそうだ。

北京オリンピックに向けて、マナー向上を訴える中国政府。
しかし、こと日本が相手となると・・・。

昨夜のACL、浦和対全北でのラフプレーや観客のブーイングも凄いものがあったけれど、それはあくまでホームとアウェイ。
闘莉王の唇に穴が開いたり、しまいにはレフェリーに中指立てて食って掛かる全北選手がいたり、客席からペットボトルの集中豪雨が降ったり。
許される行為ではないが、自分たちが負けそうなんだ、オラがチームが負けそうなんだ、なんとかせにゃ!と思うのは当たり前のこと。でも負けちゃったんですが。

一方、彼の地の「愛国分子」は全く違う。
とにかくなんでもいいから日本人を侮辱し、排斥し、攻撃することにアイデンティティがある。日本対中国の試合でなくてもいい。いやむしろ日本対何処かの方がいいようなのだ。

前回のアジアカップなんてひどいもんだったしなぁ。
その結果、自分たちが国外からどう見られるか、客観的に見て、それが何を生み出す行為なのか、なんてことは度外視。
とにかく日本人に「小日本人!」とののしりさえすれば、自分たちは正しい。

この横断幕に関しても「同情を引くため」とか、「あらかじめ用意していたところに作為を感じる」とか、いろいろ言っているんだとか。
「右の頬を打たれたら」的な、予期せぬ反応に過剰反応しているようにも思えるけれど、「作為を感じる」って、否、「作為」なんだよ、この行為は。
何のため?
それくらい理解して欲しいよ、もういい加減で。

両国の歴史を考えれば、致し方ないのかもしれないが、「愛国分子」の映像を見るたび、まぁそんなもんだろう、と、驚きもしない自分にむしろ驚く。
しかしながら、もし、私の意識が平均的日本人のそれであるならば、彼の地の「愛国分子」との間にはそれくらい意識の隔たりがある、ということにならないか?
それは別に、どちらが正しいとか、上だとか言う話じゃない。
互いが、そういう地平に立っているという事実に過ぎない。

女子代表チームが身体を張って実演した「作為」は、その隔たりを埋めようとするもの。膝を交えて離せる距離に近づこうとする行為だ。
しかしそれは日本人的な理屈に過ぎないのかもしれない。
「矛を収める」という言い方がある。
剣道が目指す究極の状態。平和のために、何が出来るか?そのためにはまず剣を鞘におさめるべき。
極めて日本的な発想かもしれないが。

ならば、「愛国分子」的発想は?
自分たちが優位に立つため、日本人を、さらには世界を「騙す」ことはできないのか?
直球勝負の茶々入れる前に、スタジアムの観客動員して、世界にアピールできる「作為」を考えた方がいいんじゃないだろうか?




フェアプレー、中国に波紋 日本代表「感謝」の横断幕(産経新聞) - goo ニュース