Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

Mamady Keita師のワークショップ

2007-09-03 | ダトトパ教本(ネット版)
先週の土曜、ママディ・ケイタ師のワークショップに参加してきた。
我ながら無謀!と思いつつエントリーした「上級コース」だったが、なんとかついていけたし、最終的には楽しかったなぁ。

なにせ、「ジェンベの神様」と称されるママディ・ケイタ師。
そのレッスンを初めて受けたわけだ。
否、実はアフリカ人の講師によるワーク自体が初めてだったんだよね。
だから、開始前はものすごい緊張感のため、ガチガチになっていた・・・のだが、ふたを開けてみたらむちゃくちゃ難しいフレーズとかはなく、グルーヴを中心に、しっかりと「感じる」ことを主眼に置いたクラスだったので、ほっとしたなぁ、ほんと。
いきなり「なんじゃそれ?」みたいなソロフレーズばっかりやるもんだと勝手に思っていたので、自分がついていけるか、本気で不安だったのだ。
しかし、考えてみれば、グルーヴを出すこと、アンサンブルすることほど難しいことはない。また、ママディの音源を聞くたびに、打楽器でこれほどメロディを感じさせるソロはないよな~、と常々感動している身としては、グルーヴからやってもらったほうが、彼の音楽の構造、あるいはそこに込められた思いがよく理解できるような気がして、むしろありがたいことなのだ。

さて。
「むちゃくちゃ難しいフレーズとかはなく」と書いたが、実はそれなりに難しかったのだ。
やったのはKUKU。
ママディは、一般的なドントトッパッというアコンパと、トトッパトトパッというアコンパ、それから横太鼓3本のパターンは受講者全員が理解している、という前提の上で説明を始めた(通訳さんがいたおかげで何とか理解)。

以下、ママディの解説要約。

KUKUはギニア~コートジボアール国境付近に住むマニアン族のリズム。
ギニア側のマニアンはマオカと呼ばれ、コートジ側は○○と呼ばれる(なんだっけ?失念した!)が、その二つは同じ人たちで、植民地時代にヨーロッパ列強によって勝手に国境を引かれ、分断された人たちだ。
さて、現地で演奏されるKUKUのノリは2とも3とも言えない独特なもの。
今日はそのマオカのクク、クク・デ・マオカをやる。
このグルーヴを感じ取って欲しい、今日教えるアコンパはグルーヴを強調すべく、自分が(ママディが)作ったものだ。
マオカのアコンパの特徴は、2と3が混じることに加えて、フラムが多用されることだ。

ここで、ママディはそのアコンパをひとしきり叩いた。
ん~、3連だよ。ポリメトリックスになるんですな。
すると、フラムを使った例としてコテジュガ(コモデヌ)のパターンを叩き、加えてバスとトン、バスとクラック、あるいは左右逆で、などいくつかのフラム音を聞かせた後、フラムを使ったテクニックは非常に応用が利くので、家に帰ったら練習するように、と念押し。ハイ!練習しまっす!
そして、右利きの人は左手から、左利きの人は左手から、と注意し、ゆっくりわかりやすく、本日のお題を叩き始めた。
フレーズの頭にフラムがあり、2音が離れてはいけない、くっつきすぎてもよくない、と何度もデモンストレーション。
ママディはゆっくり、少しずつ手順を教えてくれたが、それによると、最初のフラムと次のドは左手。次のドが右手、最後は左手。
で、1フレーズ分つなげた手順はこうなる。

左(右)左右左右ッ右左右左右ッ

単純な手順ならば、

右左右左右左右左右左右左

となるから、大した違いではない?が、つい右手から入りたくなるところを「右利きの人は左手から」と言われると、いきなりつんのめってしまう。
しかも2音目も左手で入れないとフレーズが収まらないのだ。
なかなか手順どおりに出来ず、何度も止まりながら、確認しながら、じっくり身体に動きをしみこませた。むしろ、テンポ速いほうがやりやすいんだよね、こういうのって。
でも、早いと叩きわけが曖昧で・・・ジレンマだ!

ママディは、ブレークのフレーズを交えて曲を構成し、横太鼓のパターンも紹介。
ドゥンとサンバンは一般的なkukuと一緒。ただケンケニが違っている。
クックッドドドドみたいな、わりとシンプルな感じだったな(ドンクックドドドだったかな?かな~りうろ覚え)。
一般的なドドッドドッドドッドドッていうスクエアでイケイケな感じとは違って、スクエアだけれどゆるい波を想起させる。
この時、モネットさんがケニ、ママディがサンバンを叩いて見せてくれたのだが、実はこの時のママディのサンバンが出したグルーヴが半端なかった!
2人だけでいきなりうねった!
これだけでも今日来た甲斐があった!と思ってしまう私はまだまだ駆け出しなんだろうな。でもそれくらいよかったのだ。

その後、しばらくブレーク~アコンパ~ブレーク~アコンパと反復し、終盤には一般的なククのアコンパも交えてアンサンブル練習。
これがまとまらない~ばらける~はしる~!ってんでママディ怒る。
何度も止めては「アンコール!」、受講生の席順を並び替え、もう一度それぞれのアコンパを確認し、再度スタート!
演奏中は「アンサンブル!アンサンブル!」と叫びまくり。
1時間半の予定が1時間45分くらいまでオーバーして終了。
なんという熱意!
終了後、一緒に写真に写ってくれて、レッスン中に気になったことを伺ったら、まっすぐこちらの目を見てフランス語で返してくれて(もちろん、通訳さん呼びました)。
すごい真摯な態度!
こう書いていても、「アンサンブル!」と叫ぶ彼の姿がフラッシュバックしてきて、涙が出そうになるくらい、いまだ感動の余韻がある。

本当はアンサンブル仕上げてソロフレーズまで行きたかったんだろうけれど。
なかなか難しいっすねぇ。

ところで。
実は、録音しなかったため、ど~にもケンケニのフレーズがはっきりしないんだよな(どなたか覚えてらっしゃる方、正確なのを教えて!)。
事前に問い合わせた時、録音の可否はちょっと微妙な感じだったから、マイクは持っていかなかったんだけど、結局録音はOKだったのだ。大失敗!

でも、このクク・デ・マオカのキモは理解できたような気がしますよ、ママディ先生!
来年、是非続きをお願いします!