Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

独逸W杯開幕!!

2006-06-11 | サッカーよろずごと
独逸W杯が開幕した。
まずはA組ドイツvsコスタリカ
開幕戦のプレッシャーの中、ドイツはあいかわらずファウルの笛を吹かれていたはいたが、悪質なファウルについては激減。
攻撃についても、格段に精度を増し、大きなサイドチェンジと効果的なドリブル突破を織り交ぜながら、非常に立体的な攻撃を展開し、先日の日本戦とは比較にならないほどの破壊力を見せつけた。
しかし、やはりドイツはディフェンスがもろい。
チーム戦術的には中盤の比較的高い位置で囲い込み、ボールを奪い取ろうとする守備戦術だが、バイタルエリアまで侵入されると、その後ろに控えるメツェルダーとメルテザッカーは動く障害物に過ぎず、GKとの1対1という局面は容易に演出できた。
ただし、対するコスタリカもワンチョペとゴメスに預けるしか有効な流れを作れなかったし、ショートパスを繋ぐ間に中盤でつぶされることが多く、頼みの二人にボールが渡らない。
しかもドイツ以上に守備がゆるく、バイタルエリアで前後から挟んでつぶしてしまおうとする意図は感じられたが、それがかえって自陣内奥深くへの敵の侵入を許す結果となり、シュナイダーやシュバインシュタイガー、ラーム、ポドルスキといった面々が波状攻撃を仕掛けやすいスペースをみすみす与えることにつながった。
また、コスタリカのセンターバックは横への揺さぶりに全くついていけず、前に出て縦に蹴りだすのみだから、あっさりスペースが空く。
コスタリカは敗れるべくして敗れたのだ。

続くポーランドvsエクアドル。
「高地の酸欠状態を味方につけた内弁慶に過ぎない」という戦前の下馬評を見事にひっくり返し、エクアドルが完封勝利。
ポーランドはとにかくシュートをはずしまくり、バーにぶち当て、不運としか言いようがない90分間。
これに対し、南米と言うよりもむしろアフリカ的なパフォーマンスを見せたエクアドルがボールをかっさらいまくり、ポーランド選手は間合いがつかめないのか、次第に飛び込むこともためらうようになっていった。
特に2点目のシーンなど、ポーランド選手はただ立ち尽くし、呆然と見ているだけのような状態でGKまでかわされての失点。
あれじゃ監督の首が飛ぶね。

そして昨夜はB組のイングランドvsパラグアイ。
フランス大会で見せたチラベルの強烈な個性が印象的だったパラグアイ。
その時代を知るガマーラとアクーニャのベテランコンビがどんな活躍を見せるか、期待に胸膨らませて見ていたが、試合開始早々ベッカムのフリーキックをクリアしようとしたガマーラが、まさかのオウンゴール。
さらに、エリア外に飛び出してこぼれ球をクリアしたGKが自爆して交代し、ちょっとパニック状態に陥ったパラグアイだったが、次第に呼吸を整え、Fwバルデスと中心にイングランドゴールを脅かし始めた。
サンタクルスの出来がもう少しよければ、また、サイドチェンジのパスがもう少しうまくつながっていれば、パラグアイの得点もあったかもしれない。
一方のイングランドも、クラウチがロボットダンスを披露することもなく、後半30分過ぎからは明らかに守りを固め、逃げ切ってしまった。

しかしこの試合、得点数こそ1点のみだが、チームとしての守備戦術という点ではA組2試合をはるかに凌駕する高度な戦いだった。
何度も何度もクロスを上げられながらも、ガマーラ中心に懐深く、老獪なディフェンスを見せ、確実にボールをむしりとっていくパラグアイ。
ファーディナンドとテリーのしっかりしたポジショニングと恐るべき運動量を見せる中盤との連携によってパラグアイFwをエリア外へと押しやるイングランド。
このような非常に対照的な守備戦術が、スコア上からは窺い知れないほどの深みのあるゲーム内容を与えていた。
特に後半、Fwクエバスを投入し、4-3-3のフォーメーションに変化して攻め立てるパラグアイから中盤でボールを奪取したイングランドは、パラグアイゴール前向かって左サイドでボールを回し、後から中央に走りこむジェラードにマイナスのパスを出した瞬間、すかさずパラグアイ選手が左右から2人ずつフラットに平行移動し、まるでカーテンのようにさささーっとシュートコースを遮断。
エリアの10メートルくらい手前から放たれた強烈なボレーは、見事GKの正面へ。

この時、パラグアイのDfラインは左サイドに寄っていたため、最初にアプローチした選手は、Mfのパレデスだったように見えた。
本職のDfでなくとも、空いたスペースを確実に埋める約束事が徹底しているのであろう。
それにしても、なんと美しい「カーテン」。
あれこそ文化だ。
大会後のテレビ番組で、スーパーゴール集ではなく、ビューティフル・ディフェンス集とかやれば、いの一番に紹介されるだろう。

さて、日本vsオーストラリア戦は明日の夜10時。
俺も髪を切って気合を入れなおそう。